日本共産党の小松久です。議案第1号新年度予算案に対する修正案の趣旨説明を行います。
修正案は、WTCビル購入関連費117億円の削除を求めるものです。
昨年2月議会および9月議会において、府庁舎移転条例案は二度にわたって否決されました。移転条例案の度重なる否決のもとでのWTCビルの買取りは、第2庁舎としての購入そのものであり、無駄遣いそのものです。
そもそも、第1に、費用すなわち府民負担の面では、耐震補強案と比べ、府の試算でも178億円、わが党の試算では300億円以上高くつきます。第2に、府民の利便性については現庁舎が優れていることは明々白々です。第3に、防災対策については、前回の地震から156年たち、明日にでも起こりかねない東海地震とそれに連動して関西を襲う巨大地震=東南海・南海地震により想定される被害への、国や研究者などの到達点を踏まえないことによる過小評価、第4に、大手前地区の歴史的文化的価値の軽視が、理事者の提案の背景にあることは明らかです。
WTC社との関係でも、府議会が地方自治法第96条8号にもとづく重要財産取得の議決をしなければ、大阪府に、ビル買取りの法的義務は発生しません。このような段階での、WTCビル買取り予算の議決は、既成事実を先行させ、WTCビルへの府庁舎移転に追い込もうとする、道理のない手法に議会が手を貸すことではありませんか。
問題の重大性から、3分の2以上の特別多数決を地方自治法が規定する府庁舎移転問題を、過半数で可決できる予算を先に通し、庁舎移転への既成事実づくりを府議会に押しつける手法に同意することは、言論の府としての府議会のとるべき道ではないのではありませんか。二度にわたって府庁舎の移転条例を否決した府議会が、後世に禍根を残さない賢明な判断を下すことを強く求めるとともに、修正案にご賛同いただきますよう心からお願いし、趣旨説明に替えます。
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