小谷みすず議員の一般質問(大要)
2009年12月10日
日本共産党の小谷みすずです。
7月から9月の大阪の完全失業率は、7.7%で全国の5・4%よりも2.3ポイント高く、月平均失業者は33万人、全国の約1割です。高卒の就職内定者は、前年比15%減など、大卒も含め、就職情勢は、極めて深刻です。消費の冷え込みは、この秋から一段と厳しく、物が売れずに商売もやっていけないと悲鳴が上がっています。
日本共産党府議団は12月2日、年末の「緊急対策」を申し入れましたが2点質問します。
まず、金融支援策についてです。 年内の融資窓口相談について、審査・決定を スピーディーにすることや、事業者の相談に丁寧に応対するよう求めます。
また、国が先ほど行った職探しと生活を一括で支援する府内16カ所のワンストップサービスに、511人の利用がありました。労働団体が行ったアンケートでも半年以上仕事がない人が43l、1年以上が18%と失業状態が長期化しています。
厚労省も再度の開催を検討していますが、年末に向け府も市町村と協力し職員を派遣するなど相談の場所を増やし、多くの人が参加できるよう国に働きかけてください。それぞれ答弁を求めます。
次に府庁舎の問題です。 知事が9月議会に提出した府庁舎のWTC移転条例案は、10月27日の本会議で過半数以上の反対で再び否決されました。一方、WTCビルを85億円で購入する債務負担行為が可決されるという府民には理解しがたい結果となりました。知事は、2月府議会に続いて2度も庁舎移転条例案が否決された重みをどのように受け止めているのですか。
85億円の債務負担行為は、あくまでWTCに「府庁舎を移転するための土地・建物購入費、債務負担行為」であり、前提である庁舎移転条例案が否決されたのですから買い取るべきではありません。答弁を求めます。
ところが知事は、すでに「(仮称)咲洲庁舎活用の基本的な考え方(案)」で運用の基本方針、移転部局、民間テナントの対応などを示し、来年度中に移転しようと準備を始めています。知事自身、「週3〜4日WTCビルで執務したい」と述べたと報じられています。府民の率直な声は、「移転条例案が否決され、庁舎移転の目途がたっていないのに、なんで耐震改修費用も入れると110億円もかかるWTCビルを買うのか納得できない」というものです。どうですか。
府庁というのは、知事室と議会だけあればよいものではなく、かなりの仕事が行われるものと理解しますが、地方自治法四条が定める地方公共団体の「主たる事務所」の内容と機能についてどう理解されていますか。答弁を
求めます。
次に現庁舎が分散庁舎といわれますが、徒歩で数分あれば移動でき、府の機能は一体化しています。また、府の日常業務のうち、府警本部や国の合同庁舎と連携が必要な業務の中で、会議出席や対面による打ち合わせが必要なものは、全体の78%にもなっており、通信手段で代わりができるのは、22%と府自身が報告しています。いくつかの部局をWTCに移すことになれば、分散というより業務が分断され、現状以上に非効率になります。
また、WTCビルと現庁舎の耐震化を合わせた維持管理にかかる費用はいくらになりますか。それに伴う財政負担の増大を、いったい、いくらと予測していますか。それぞれ答弁を求めます。
また、各種の申請や許可などに限っても、年間40万人が利用する府庁が、府民にとって大変不便になることは 明らかではありませんか。 そのことによって生じる交通費や時間のロスなど府民負担を計算されているのですか。
答弁を求めます。
次に大手前のまちづくりについてです。知事が就任された直後の昨年3月に、知事名で鑑定所に大手前地区の14区画を歴史的、文化的価値に配慮することなく条件なしで不動産評価意見を依頼し、調査報告書が出されています。それによると14の対象地区・13万360uの内81.6%にあたる11地区は、大口投資家、ファンド、外資、ゼネコンなどの需要があるとの意見です。
また、昨年4月「関西経済同友会」が、知事への要望の中で現庁舎 周辺の「低利用地」状態を指摘しています。
10月の「大手前まちづくり」の中間とりまとめは「長らく低未利用の広大な土地が眠ったままで貴重な府民の共有財産が手つかずの状態。」「残された都心の一等地とも言うべき大阪城周辺の再生を通じてアジアなどから集客性を高めていく仕掛けづくりも必要。」と述べています。さらに、今後の進め方として企業ヒヤリングを行い来年度に、土地利用計画を策定し、23年度に、早々と事業コンペを行うスケジュールを立てています。これでは、関西財界言いなりではありませんか。結局知事の狙いは、大手前の府有地を民間に売却し、開発することではありませんか。大手前の歴史的価値のある府民の貴重な財産を、ファンドや外資、ゼネコンの開発にゆだねるおつもりですか。答弁を求めます。
さらに、知事や、大阪市長、関西財界代表でつくる「夢洲、咲洲地区まちづくり推進協議会」も、「夢洲・咲洲の活性化に向けて」の中間とりまとめをしています。
これは、いつになるかわからない将来構想中心で、具体的なことはほとんど示されていません。咲洲には、約4万人が住む計画でしたが、現在2万5千人、住民の皆さんは、救急病院、図書館、児童館などを求めています。
また、この8月に大阪府と大阪市がまとめた「咲洲の防災機能に関する検討報告書」では、伊勢湾台風級でかつ室戸台風コースを通過したときや、海溝型地震である東南海・南海地震が発生したときに起こる高潮や津波に耐えられない護岸などが13ヶ所もがあり、常吉橋の耐震審査など3つの橋の未改修も明らかになりました。護岸や地盤の嵩上げ、堤防や橋の耐震など住みよい安全なまちづくりこそ真っ先に進めるべきです。そのことを大阪市に求めてください。答弁を求めます。ここで一旦 答弁を求めます。
次に水道事業についてです。水道事業は本来の役割である水道法の3原則、安全で安価な水を安定的に供給する立場から、何よりも受水市町村が納得し府民の利益になるものでなければなりません。答弁を求めます。
水道料金の値下げについて、わが党の反対にもかかわらず、2000年に水道料金が値上げされ1d88円10銭になりました。今回府は、黒字に加え、今後の設備更新計画を5,400億円から2900億円に減らすことによって、来年4月以降、1dあたり10円を値下げするとしていますが府独自に実現することを確認できますね。
また、先の決算委員会でわが党は、今のままでも琵琶湖開発の負担金などがなくなり2013年にはさらに10円値下げでき、将来的には、さらに7円値下げできると提案しましたがどうですか。
さらにわが党は、ダム撤退金負担金の削減と国の高利貸付金の借り換えなどにより1d50円台まで府独自に下げる事を提案します。
まずダム撤退負担金です。今年度最大値、大戸川ダム、紀ノ川大堰、安威川ダムで503億円とし、平成23年度に丹生ダム、132億円見込み、支払うことにしています。国は、過大な水需要開発計画を今年四月まで見直してきませんでした。府は、当初の1日最大265万トンから今回187万dと3回、見直してきました。国はフルプランを一度しか見直していないのに、大戸川ダムなどの利水撤退金を満額取れる筋合いではありません。国に対して利水撤退金の減額を要望するよう求めます。
次に府の安威川ダムについてですが、もともと利水をつけた総合ダム方式のほうが補助金を取れるとのことで進めて来た府の立場からいって、利水撤退金を最大値の193億円も支払うのは問題があります。よく協議して減額するよう求めます。
また国の貸付金の低利への借り換えです。いまだに4〜6%台の貸付金が380億円もあります。2%台に借り換えができれば繰り上げ償還もできます。知事にそのおつもりは、ありますか。それぞれ答弁を求めます。
知事は、大阪市提案のコンセッション型指定管理者制度を導入するといっていますが、先月の府内自治体からのアンケートによるとコンセッション方式に納得されていない意見が多くあります。様々な意見がある中で統合協議をいったん中止し、受水市町村との協議こそ丁寧にすべきではありませんか。答弁を求めます。
一方、大阪市の水道は、水需要予測と実質給水量の差が、101万dもあるのに水需要予測を見直していません。また、利益も平成18年度以降、毎年80億円以上になっています。府の2倍以上です。私は、大阪市も水需要を見直し、水道料金引き下げで市民に還元すべきと、この際主張しておきます。
次に11月30日、沖縄県の米軍基地である普天間飛行場の移転について「政府から話があれば基本的に議論を受け入れたい」と知事が、関西空港などでの受け入れを示唆するかのような発言をした問題です。普天間基地は、日本防衛とは違い、世界各地の干渉と介入が専門の「殴りこみ部隊」である海兵遠征軍の基地です。知事は、普天間飛行場がこのような役割を持った基地と知った上で今回の発言をしたのですか。
沖縄県では、普天間基地即時閉鎖、基地撤去を掲げて2万1千人の県民集会がひらかれました。宜野湾市長 は、5年前 沖縄国際大学に米軍ヘリコプターが墜落し、その後も低空飛行でジェット機、戦闘機、輸送機が住宅市街地を飛びかい市民からは、毎日のように市役所に苦情が寄せられており、海兵隊航空基地部隊は撤退する以外ないと求め、
住民も「県民は、64年間苦しんできた。」「県民の苦しみを 誰かに押し付けようとは考えていない。基地そのものを撤去 すべき。」「全国の人と一緒に声をあげたい」と述べています。
普天間基地は県内、国内のたらいまわしでなく即時、撤去が県民大多数の声です。普天間基地を、関西で受け入れても良いととられるような発言は 撤回するよう求めますがいかがですか。答弁を求めます。
最後に交通安全問題についてです。府内の交通事故件数、死者数、負傷者数は、減少傾向にあるとお聞きしていますが依然深刻です。 運転者や歩行者の不注意、交差点の構造上の問題、車の流れや信号の表示など事故の原因はいろいろあると思います。死亡事故の中でも高齢者の割合が多いとのことですが高齢者の事故を減少させるため府警本部としてどのような対策をとっていくのかお聞きします。
また、私の地元大正区の交通事故件数、死者数、負傷者数とその原因についてお聞きします。かつて死亡事故が多く発生した国道43号泉尾交差点は、歩車分離方式の信号改善などでその後、死者は一人もありません。しかしなお重要交差点として大正区役所前の交差点と共に位置づけられています。最近は、泉尾商店街前も事故多発交差点とのことですが、交差点の安全対策や交通事故の減少にむけての今後の取り組みについて府警本部長にお聞きいたします。