5月定例議会での小谷議員の討論(大要)
日本共産党の小谷みすずです。今議会に提案された諸議案ならびに府政の重要課題についてわが党の態度と見解を 表明します。今、大阪経済は、きわめて深刻で、今年3月に大阪信用金庫が行った中小企業の景気動向調査は、「春はこない」、売り上げ・収益とも過去最悪と発表しています。今年1月〜3月の大阪の完全失業率は5.3%と前年同期に比べ0.5ポイント上昇し、女性は、5.8%で、企業倒産も、昨年は2100件を超し、
負債額は6877億円で前年比6割増です。
生活保護受給世帯は、昨年度の前半で2722件、後半では7638件と2.8倍です。
こうした中で今議会は、府民のくらしを守るともに、新型インフルエンザ対策さらには、橋下府政の文化こわしの下で、文化をどうまもり発展させるかも問われました。
はじめに、議案についてです。平成21年度大阪府一般会計補正予算案は、新型インフルなどに対する医療体制強化、道路の修理、河川の維持管理、高潮対策、府営住宅維繕費など必要な事業も含まれており賛成するものです。ただし、大和川線はの整備費など不要不急の大型開発は、反対で、中止を求めておきます。
東大阪市の大阪府女性相談センターの相談機能をド一ンセンターに移転する条例については賛成しますが、総務省も指摘するようにDV被害者のためにも体制を拡充し24時間の相談対応ができるよう求めておきます。大阪府人事委員会委員の選任について同意を求める件は、人事委員会が、府に追随する傾向を改め、その自主性を発揮するよう求めて賛成します。
報告1号は、地方税財政にかかわる改定です。中小の不動産業者 や国民にプラスになる面も含んでいますが一方では大企業の要求にこたえ、不動産の流動化などで民間の再開発などを
促進する面もあります。 しかし一番の問題は、3月27日参議院で野党4党に否決されたにもかかわらず衆議院で与党が3分の2以上の賛成多数で即日再議決した経過です。慎重に扱うべきことを国会で乱暴に処理するやり方に抗議する意味も含めて反対します。
また、報告案件1は授業料の免除に関する処分に対する審査請求の件ですがいずれも減免基準を超える収入のためやむをえないものですが、このさい減免基準の改善と授業料引き下げを求めておきます。
また、期末勤勉手当の引き下げについては、 ただでさえ昨年度賃金を大幅削減した上にさらに一般職員の一時金を削るのは賛成できません。 さらに年に一度民間の賃金調査の上で公務員の賃金を
決めているのに今回のように一時的に調査して下げるのは、 従来の慣行をふみにじるもので、容認できません。
海区漁業調整委員会の報酬を日額に変更する件は、委員は、海区ごとの漁業調整を行う重要な仕事であり、委員会開催日以外にも仕事があるなどの点から、慎重に扱うべきです。
以上の立場から議案1から3号、5から10号、13号、15号、17、18号、20、21号、25号、報告案件3、諮問1、2は賛成、残余の議案は、反対の意を表明します。
次に府政の重要課題について意見を述べます。
まず新型インフルエンザ対策ですが、知事もお認めになった保健所の医師不足の解消、保健師の増員とともに、 秋以降 再度感染が広がることを想定し、相談活動の拡充、発熱外来などの医療機関の整備、タミフルやリレンザなど医薬品の確保など万全の体制をとるよう求めておきます。
また、子どもの医療費助成は就学前までの拡充を重ねて要望しておきます。
水道事業では、わが党は、来年4月とその後の2段階の値下げを知事に提言しました。多過ぎる水需要予測や施設更新計画の見直しを行い琵琶湖負担金や利息払いの減少の元で増え続ける黒字の一部を水道料金の値下げに還元していくことが必要です。
府市協議については、 府民に安全で安価な水を安定的に供給する大阪府の原点に帰り、大阪市の1日約100万トン、大阪府の約60万トンの水あまりを双方が解消し、設備更新費用も見直す立場で進めるよう求めておきます。府市連携の名目で大阪府より過大な投資をし、ダウンサイジングは、「できない」という大阪市の立場に追随し、大阪府の広域的役割と府民の利益を投げ捨てる知事の方針は転換するよう強く求めておきます。
次に、上方演芸資料館「ワッハ上方」についてです。長年、築き上げられた笑いの文化を、若い世代に引き継ぎ、観光・教育に貢献してきた役割について、わが党は、質問しました。南・千日前にあるから良いのです。
関係者は、身を粉にしてより安い経費で継続できるように提案しています。館やNPOなど当事者との知事の直接の対話を強く求めておきます。
さらに、府立図書館や府税事務所の市場化テストについても民間委託をすれば、本来の公共的役割を失います。知事は市場化テストを通じた図書館の民間委託の弊害についての
わが党の具体的質問にこたえませんでした。 それどころか「霞ヶ関の理論と同じ」などと答弁されました。市場化テストという霞ヶ関の方針を全国で一番早く実行しようとしているのは知事です。国民の批判を受けて「図書館は、なじまない」と文科相さえ答弁せざるをえなかったものをわが党は、引用したのです。天につばする知事のすり替え答弁に強く抗議しておきます。
最後に関西広域連合についてです。知事は、大型開発や大企業立地を、 広域連合で進め、大阪府の段階的解消をめざしています。 箕面新町や彩都開発、なにわ筋線など不要不急の大型開発をやめ、市町村と協力して大阪府の広域的役割を発揮し府民のくらしを
応援し、大阪経済の振興を図ることこそ必要です。
なお、現在の国の景気対策は、国内総生産の55%を占める個人消費を引き上げるという点が弱く、地方の自主性が発揮されにくい弱点を持っています。それでも大阪府が、今後具体化できるものが72億円残されています。少しでも早く、子どもや高齢者、雇用、中小企業対策費に使うよう具体化し、議会に提案するよう要望しておきます。以上で討論を
おわります。ご清聴ありがとうございました。