雇用問題での緊急の申し入れ

大阪府知事 橋下 徹 様                  

       2008年12月12日 
     日本共産党大阪府議会議員団 
 団 長    宮原 威  


 世界的な景気後退で、民間大企業を中心に非正規・正規労働者の大量解雇、高校生や大学生の就職内定取り消しが相次ぎ社会問題化するなか、知事が、「大阪府の職員採用凍結の選択もありうる」と発言したことは重大である。

 第1に発言は、府民の雇用不安解消のために率先して取り組み、雇用確保と生活の安定に尽くさなければならない府が、採用の凍結、抑制を奨励することになり、逆に雇用不安をあおるものである。

 また、大阪府の仕事、公務サービスは職員のマンパワーによって提供されるものであり、景気の善し悪しにかかわらず必要な職員を継続的・計画的に雇用しなければ、府が府民への責任を果たせなくなる。ましてや府職員の現在の年齢構成からみてここ数年間の採用は必要不可欠である。なお、専門性の高い職種は民間であればいいというものではなく、専門の新卒の人材が適切な職種も多い。

 その立場から以下のことを求める。

(1)知事の「府職員採用凍結」の発言は、雇用不安をあおり、公務サービスを後退させるものであり発言の撤回を求める。

(2)府として雇用の公的責任をはたす。必要な部署に人員を配置し府民サービスを充実するため、新規採用計画をたてる。
 これまでわが党が求めてき府が公的責任を果たすために緊急かつ計画的に人員補充を必要とする分野は多くある。

1、府として雇用拡大が求められているもの。

@35人学級の拡大。
A教務事務補助員の雇い止めをやめる。
B子ども家庭センターの専門職。保健所の保健師、食品監視員など福祉・医療分野。
C林業職員、普及指導員な ど農業林業分野。

2、市町村と共同して雇用拡大をもたらす施策の推進。

 保育所の待機児童解消。障害者(児)施設、特養ホーム、グループホームなどの充実・ 増設。消防・防災・救急などの充実。公立病院の体制充実。

(3)非正規・正規労働者の大量解雇をすすめる大企業に対し、雇用の社会的責任を果たすよう求める。国の通達に反する事例には、国と共に是正を求める。

(4)障害者雇用の拡大の推進。

(5)あいりん地区の日雇い労働者、高齢者のための仕事を増やす。

(6)府として「雇用非常事態宣言」を行い、「対策本部」を設置し知事を先頭に、情勢の掌握に努めるとともに、緊急予算を編成し、必要な施策を展開する。

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