府民に痛みを強いる橋下「行革」は府民参加で抜本見直しを
2008年6月5日
日本共産党大阪府議会議員団幹事長 阿部 誠行
橋下知事は、6月5日、『大阪維新』プログラム(案)を発表しました。
「財政再建(財政再建プログラム案)」、「政策創造(重点政策案)」、「府庁改革」の3つの柱で構成されています。
「財政再建プログラム(案)」では、4月11日発表した「PT試案」で廃止などになっていた施策の中で、小学校1・2年の35人学級、障害者施策(作業所やグループホームなど)、救命救急センター運営助成、警察官の府単独定数(520人)、小規模事業経営支援事業費補助など府民の健康、教育、障害者、治安などに重大な影響を及ぼす施策が、236団体にのぼる知事要望、200万筆を超す署名にこめられた府民世論を反映し、一部見直しされ継続されます。福祉4医療費助成は来年度以降市町村と協議して決めるとしています。また、弥生文化博物館、なんば府立体育会館が存続されることになっています。
しかし、私学助成の大幅削減、府立学校の教務事務補助員等の削減、障害者のガイドヘルパー・住宅改造廃止をはじめとする府民施策の大幅な後退、府職員の人件費の大幅カット、府立国際児童文学館、青少年会館、ワッハ上方など施設の廃止をすすめる一方、主要プロジェクトは安威川ダム、彩都、箕面森町、新名神など推進、同和対策事業も縮小されたものの継続です。部分的に見直された事業もありますが、府民犠牲のプログラム案の本質は基本的には変わっていません。
「重点政策案」は知事公約であった「子育て支援日本一」「教育日本一」「大阪を輝かせる」「大阪ミュージアム構想」をうちだしています。しかしその内容は、小学校3年以上・中学校全学年の習熟度別授業導入や大学進学に特色をおいた通学区域の定めのない高校をつくるなど競争教育の激化を中心にしたもので、府民や教育関係者の思いとは正反対のものです。大阪の街のライトアップで大阪を輝かせるなどには「福祉を切りすててまでやるべきでない」と府民から批判の声があがっています。
「府庁改革」も府職員の管理・統制を人事評価制度で強化するものとなっています。
知事は、「大阪維新」で道州制をめざすことを明言しています。府議団は、7月議会に向けて、府民のいのちと暮らし、教育、中小零細業者の営業と暮らし、大阪の文化・スポーツをまもるため、府民の運動と連携し『大阪維新』プログラム(案)を、府民参加で抜本的見直しさせるため議会内外で全力を尽くすものです。また、大阪府解体をすすめる橋下「行革」とのたたかいを党派をこえた府民共同のたたかいに広げていくと共に、自治体リストラをすすめる自公政治にストップをかけるため全力を尽くす決意です。