「財政再建」の名で…
府民施策を次々削減 橋下知事が財政収支見通し
大阪府の橋不徹知事は27日、2021年度までの財政収支見通しを発表しました。「収入の範囲内で予算を組む」とする知事の手法では08年度から16年度までで6500億円の新たな「改革取組額」が必要で、府が権限をもつ私学助成などの府民施策と人件費が歳出削減の対象になるとしています。
危機をあおり
大阪府はこれまで財源不足を減債基金(積み立て金)からの借り入れや借り換え債の発行で補ってきました。今回の府の試算では、税収の伸び悩みや社会保障経費の増加などで現在の「財政改革プログラム」で計画している単年度黒字が10年度から14年度にのび、16年度からは実質公債費比率(収入に占める借金返済の割台)が25%を超え、財政再建団体の一歩手前の「財政健全化団体」に陥るとしています。
今回の見直しでは、減債基金からの借り入れと借り換え債の発行をやめ、08年度から単年度黒字にし、16年度以降の実質公債費比率を25%以下にすることが前提。そのために08年度に1100億円、09年、10年度に900億円、11年、12年度に800億円、22年、14年度に600億円、15、16年度に400億円が必要としています。
一般財源のうち府が事業量削減の権限をもつものは私学助成や府単独医療費助成、道路や河川の維持管理、公の施設運営費、各種相談事業などのおおむね2千数百億円(うち3分の1は08年度暫定予算で計上)とし、08年度の必要領1100億円は、この部分と人件費から捻出することになるとしています。
開発や同和は
一方、建設事業費は府偵発行を認め、大型開発や同和についての見直しにはまったく言及していません。
知事はこの日の記者会見で、「どれをどこまでふみこむかはこれからの議論」としつつ、「府民にも覚悟をもってもらいたい。少なからず影響は出てくると思う」としています。
阿部誠行日本共産党日本共産党府議団幹事長の談話
知事は「財政再建」の美名で教育、医療、安全を切り捨てようとしています。
府の財政危機は国の大企業減税と地方への財源の削減とともに、府がすすめてきた大型開発や同和のムダ違いが主な原因で、財政再建とくらし応援は両立できます。大型開発と同和のムダをなくし、幹部職員や府議の報酬カット、大企業に応分の税負担を求めるなどで借金総額を減らしながら、最低限の減債基金の取りくずしや借金の借り換えも行うべきです。
2008年2月28日付「しんぶん赤旗」より