2月府議会で採択された意見書を紹介します

「ホワイトカラー・エグゼンプション」の法制化について慎重審議を求める意見書

 昨年2006(平成18)年末に労働政策審議会は「今後の労働時間法制の在り方について」の報告をまとめ、「次期通常国会における労働基準法をはじめ所要の措置を講ずることが適当である」との答申を厚生労働大臣に提出した。

 今日、長時間労働による、過労死、過労自殺、メンタルヘルスの不調など、働く者の健康被害が深刻な状況にある。

 また、特に働き盛りの30代、40代の長時間労働が、「ワーク・ライフ・バランスの著しい欠如」を招き、家庭の在り方や子育ての在り方ひいては少子化にすら大きな影響を与えていることも指摘されている。

 それにもかかわらず、労働基準法の「改正」という形で、「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入が行われようとしていることは、今の長時間労働をますます加速させ、生活と仕事の調和をさらに悪化させるものとして大きな危惧を感じざるを得ない。

 一定の年収要件についても、新聞報道等では「900万」等がいわれているが、社団法人日本経済団体連合会では「400万」という基準も示されており、結果として多くの「残業をしても残業代が払われない層」が増えていくことは明白であり、ますます労働条件の切り下げが進むことが予想される。

 よって国会および政府は、すべての人が大事にされ人間らしく働くことができるために、この「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」の拙速な導入とならないように、慎重に審議することを強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

2007年3月12日