2007年2月定例会 小林隆義議員の一般質問(大要)
2007年2月27日
日本共産党の小林隆義です。順次、知事ならびに教育長に質問をします。
まず福祉医療制度についてです。
大阪府は2004年11月、高齢者・ひとり親・障害者・乳幼児医療費助成制度を改悪し、府独自の老人医療制度を実質廃止、各福祉医療制度に自己負担を導入しました。わが党は、府民の命にかかわる問題だとして反対し、改悪された後も、負担を軽減する制度をつくるように求めてきました。府は実態調査し、昨年7月から市町村と協力して月2500円を超える分は府民に返す制度をはじめました。
この制度による7月から9月までの3カ月間の還付状況をみると、50件から70件の市がある一方、ゼロとか一桁の市町村があり、予算の執行率も1%未満です。制度が周知徹底されているとはいえません。市町村と協力して周知徹底をはかり、すべての対象者に還付できるようにすべきです。また利用している府民から負担が重く「更なる負担軽減を」の強い要望がでています。重度障害者や、ひとり親、乳幼児医療制度を利用している家庭は対象者が一人だけではなく、複数の場合が多く、家計全体の負担は大きくなります。同一家計の場合、家庭の上限を設定し負担軽減すべきです。安心して医療にかかれるよう、福祉医療制度を元にもどし自己負担をなくす必要がありますが、当面せめて1000円とすることを求めます。また高齢者は介護保険の負担増等で、大変な生活がさらに深刻になっています。非課税世帯の高齢者への福祉医療制度を復活するよう求めます。それぞれ答弁を求めます。
次に、わが党がくり返し改善を求めてきた養護学校の過密問題についてお聞きします。
92年12月の大阪府学校教育審議会答申では「児童生徒数150〜200人程度の規模で整備していくことが妥当」とし、99年4月の教育改革プログラムでも「一部の知的障害養護学校では、在籍児童生徒数が200人を超える状況となっており、その解消が課題」と指摘しています。現在、200人を超える養護学校は11校、うち300人以上が4校もあり、そのほとんどが前年度より増加しています。
私の地元の東大阪養護学校・八尾養護学校も過密状況は限界にきています。
2001年度に生徒数が300人を超えた八尾養護学校の児童・生徒は現在352人、2009年度には400人になると予測されています、普通教室が不足しているため、音楽室、調理室、訓練室が普通教室に転用されるなど、特別教室の機能を生かした教育が困難になっています。毎朝のランニングも混雑し非常に危ない状況になっています。
一方、東大阪養護学校は、もともと肢体不自由児対象であるのに、八尾養護学校が過密であるため、本来八尾養護学校に通う知的障害を持つ子どもたちを受け入れ、現在、児童生徒数が177人です。教室や体育室、プール、運動場も狭く日常の教育活動を十分保障できず、危険な状況が放置されています。送迎バスを利用している子どもの約3割が通学に1時間以上かかるなど非人間的な扱いは拡大しています。そのうえ運用上定数をこえる学級運営をおこなっています。八尾、東大阪養護の児童生徒がまともに教育を受ける環境が保障されていない現状を知事ならびに教育長は、やむをえないと考えているのか、答弁を求めます。
高等部の在籍数の今後の増加を予測し、それに見合う対策を検討すべきです。さらに、八尾養護学校の児童生徒数の半数175人が東大阪在住者です。東大阪養護学校の知的障害のある生徒数は88人。2校に通う東大阪市在住の知的障害のある子どもは263人であり、知的障害の養護学校が少なくとも1校、東大阪市に必要です。そうすれば八尾養護学校の過密過大状況も解消でき、東大阪養護学校も本来の肢体不自由児用の学校として運営できることになります。府は東大阪市で、この間2校もの普通科高校を廃校しました。加納高校の跡地の活用など、新しい養護学校建設を検討すべきです。答弁を求めます。
次に、同和事業関連についてお聞きします。
部落解放同盟の関係団体への補助金・委託金の問題です。
大阪府は、新年度も「同和問題の解決に活用できる一般施策」として22事業13億円、「特別対策事業から一般施策に移行した事業」として59事業25億円の同和予算を組んでいます。これらの予算が部落解放同盟への支援になっています。ここをまず正すべきです。具体的に聞きます。
まず八尾市です。八尾市人権安中地域協議会の理事長が昨年、八尾市の公共事業をめぐる恐喝、職務強要事件で逮捕されました。その安中協議会に総合生活相談事業で相談員1名分346万5千円、人権相談事業で常勤1名分346万5千円、進路選択支援事業で常勤1名分157万5千円、就労支援事業のコーディネーター活動推進事業で相談1名分288万円の合計1138万5千円も事業委託されています。その大半が人件費であり、府民の税金で解同幹部などの人件費をまかなう結果となっています。こうした事業が適正にされているのかどうか検査をすべきです。答弁を求めます。
次に島本町です。昨年9月島本町議会は、地域就労支援事業について、補助対象の会議が1回しか開催されていないのに4回開催されたとして、島本町が大阪府から補助金を過大に受け取っていたことなどを理由に2005年度決算を全会一致で不認定にしました。翌月町は、府に修正事業報告書を提出。ところが、府がその後行った実地検査で、就労支援パソコン講座におけるテキスト代について、実際には受講者が負担していたのに町が負担したとの虚偽報告で補助金を不正に受け取るという新たな問題が発覚しました。それらの結果、府に21万円余が不適正支出分として返還されました。このことは、府の同和対策補助事業のずさんな実態を示したものです。他の市町村についても実地検査し、府議会に報告すべきです。答弁を求めます。
次に、府が同和金融公社に無利子で貸したお金の返済問題、いわゆる200年ローンの問題です。金融公社は無利子資金を運用して47億円の利益を蓄積していますが、それを返済にまわさず、運用利子の一部だけを返済に充てればいいという府の金融公社への超特別扱いはあまりにもひどすぎます。包括外部監査人は報告書で、金融公社から府住宅供給公社への融資を利用した返済スキームを「府が自らの資金で自らの貸付金の償還を受けているのに等しい」と厳しく指摘しています。金融公社への融資の返済について、府は2月議会までに公社と協議して改善策をまとめると説明してきましたが、未だに示されていません。どうなっているのか、答弁を求めます。
次に旧羽曳野病院看護師寮の跡地売却についてです。
府は、2003年1月28日に、旧羽曳野病院看護師寮跡地を羽曳野市に随意契約で売却しました。羽曳野市は、同年8月20日、土地売却の競争入札を行いましたが、この入札は前羽曳野市長の主導した官製談合であったことをわが党は本会議で指摘してきました。これに対して、知事はすべてが適正に行われたものであり問題はないと答弁しました。しかし、昨年12月の羽曳野市議会で、この入札に参加した学校法人四天王寺学園が入札に際して提出した小学校の図面は、福谷前市長が市の職員に指示し、羽曳野市立西浦東小学校の図面のコピーを四天王寺学園の常務理事に不正に渡したものであることが明らかになりました。そして前市長は、市長辞任後、今日まで四天王寺学園仏教大学の図書館長に就任しています。前市長が主導し、四天王寺学園理事を巻き込んだ官製談合にほかならないのです。このような不正・疑惑にまみれた府有地の売却は重大問題です。不正に府が手を貸し、不当な安値売却で、特定の病院に利益を供与し、府に巨額の損害をもたらしたことは府民に対する背信、背任行為であり、知事の責任は重大です。明確な答弁を求めます。
最後に食の安全に関連してお聞きします。
O−157、BSE、雪印や不二家事件など食品の安全への信頼をゆるがす事件が相次いで発生し、食の安全・安心に対する関心は高まり、府の責任も重大なものとなっています。国に監視の強化を求めると共に、府がしっかり調査し、違反行為には厳しい措置を取るようにしなければ食の安全は守れません。
そうした中、府は議会などの提案を受けて「大阪府食の安全安心推進条例案」を提案しました。大手食品メーカーが安全性よりも利益を優先するなか、府民の食の安全を守るためにも条例をより効果的なものとするため何点か質問します。
第1に、条例案第19条についてです。「重大な被害が生じた場合」公表するとありますが、「そのおそれがある場合、予想される場合」も情報の公表を行なうべきです。
「重大な被害」とは「健康を害する場合」も当然含むものと考えますが、その定義がどういうものなのか。また、「専門家の意見を聴く」とありますが、専門家というのはどういう方を指すのか。公表基準の詳細はガイドラインを作成するということですが、当然、消費者や関係団体の意見を聴いて作成すべきと考えます。
第2に、「食の安全安心推進協議会」は、府民参加によるものとし、諮問事項の審議だけではなく委員からの提案についても積極的に審議をするようにすべきです。
第3に、情報の一元管理の仕組みをつくることです。情報の一元管理の重要性は、この間のエレベーター、湯沸し器事故などでも重要性が指摘されています。パブリックコメントでも「情報を一元的に管理分析し、府民に提供する体制の整備」という声が多くあります。情報は一元管理し、日常的・恒常的に活用できるものにすべきです。
それぞれ答弁を求めます。以上で1回目の質問とします。