大学院移転大義なし
府議会委 阿部、宮原議員が主張
大阪府立大学生命環境科学研究科(大学院)をりんくうタウン(泉佐野市)に移転させる問題で、日本共産党は府議会最終日の22日に開かれた2常任委員会で、移転規模が縮小されても移転そのものに大義がないことを指摘、撤回を求めました。
同大学大学院の移転は・地元の堺市があげて反対していましたが、府は「バイオ研究の新たな拠点づくり」「大学の意思」などとして2006年度予算案で予算を計上。ところが16日に突然、縮小葉が堺市も受け入れたものとして新聞報道されました。さらに、府議会議長が学長の意見を聞いたとして10日に府と堺市に縮小案を提示していたことも判明しました。
教育文化常任委員会では阿部誠行議員が、「りんくうタウンの空き地を埋めるためでしかないことがいよいよはっきりした。大学の自主性からも重大な問題だ」と指摘。移転ありきでなく時間をかけて再検討することや学舎・施設・設備の抜本的改善を含めたキャンパスプランの検討などを求め、「提案をとりさげて再検討を」と主張しました。
総務常任委員会では宮原だけし議員が、「議会のどこからも縮小の意見はでていない。大学院の移転は大学の自主的な意思としてきたのに、学長の意思に変わっている」と批判。知事は10日に縮小の提案を受けていながら13、15日の委員会に説明しなかったため委員会では原案で議論をしていたことをのべ、「府民への説明責任、大学と府、府と府議会、知事と理事者のそれぞれの関係で不信感を残した。知事の府政運営は異常だ。猛省すべきだ」と批判しました。
太田知事は、宮原議員の指摘する経過を認めながら、「さまざまな意見や大学の決定を総台的に斜酌(しんしゃく)しながら今回の提案に至った」とのべました。
2006年3月24日付
「しんぶん赤旗」より