旧同和地区の学力調査 府が異常な姿勢 “本人の同意いらない”
宮原議員が追及
15日に開かれた府議会総務常任委員会で日本共産党の宮原だけし議員は、府教委が学力調査等を利用して旧同和地区の子どもを抜き出して調査しようとしている問題で、「同和地区」は実態的になくなっていることを明らかにし、「人権侵害だ」と厳しく批判しました。
宮原議員は、府が2000年に行った「同和問題の解決に向けた実態等調査報告書」によれば、1991年以降結婚した人で夫婦とも「同和地区」出身者は12.2%にすぎず、とくに若い人のなかで同和地区内外の結婚や夫婦とも地区外出身者が圧倒的に多いことを指摘。「差別の最後の壁といわれてきた結婚問題でも大多数の国民は壁を乗り越えつつある」と強調しました。
2001年の府同和対策審議会答申では差別が解消された状態とは、「周辺との一体的なコミュニケーションが形成されているとき」としていることを示して「まさに現在の状態だ」と指摘し、「同和地区が大きく様変わりしているなかで調査することはむしろ人権侵害であり、時代錯誤だ」と批判しました。
府人権室課長は、「人口の流動化がすすんでいるのは十分認識している」としながら、「個人名を記載しないなど万全の措置を講じるので人権侵害には該当しない」と強弁しました。当事者が人権侵害として調査を拒否する場合についても「個人情報保護審議会で本人同意なしで実施できるという答申を得ている」と、異常な姿勢を示しました。
2006年3月18日付
「しんぶん赤旗」より