旧同和地区の子ども調査
府が学力テスト利用 党府議団 中止を要求
日本共産党の阿部誠行府議と堀田文一府議は13日に開かれた常任委員会で、府教委が学力テストを利用して旧同和地区の児童・生徒の実態調査を実施しようとしている問題をとりあげ、中止するよう主張しました。
「学力」は府全体の課題 阿部府議
問題の調査は、「同和問題は解決していない」とする府同和対策審議会答申(2001年)にもとづき、旧同和地区の児童生徒の学力を把握し、一般施策をより効果的におこなっていくために実施するというもの。4月から5月にかけて大阪市を除く小学6年生と中学3年生の全員を対象に実施する学力テストを使って旧同和地区の児童生徒を秘密裏に抜き出します。
阿部議員は教育文化常任委員会で、府立高校のなかで中退率が10−20%の学校や、授業料減免者が50%を超える学校があることを示し、「学力問題等は府全体の共通課題であり、旧同和地区に特定して行う必要はない」と強調。調査は各市町教委への協力依頼としていることから「拒否することもできるのか」と見解をただしました。
府教委は市町へは「理解と協力を求めるもの」と答えました。
阿部議員は、「こうした調査をやることが府民にマイナスイメージを沈着させる」とのべ、調査の中止を求めました。
目的は同和事業継続か 堀田議員
総務常任委員会で質問した堀田文一議員は、今回の調査の根拠としている2001年の同和対策審議会答申は、地区内外の交流や周辺地域が一体となったコミュニティー形成が図られることを同和問題の解決の方向としてかかげていることを指摘しました。そのうえで「調査はこうした内容にはなっていない。同和事業をこれからも続けるための調査ではないか」とただしました。府人権室課長らは、「同和問題を解決するためのこれまでの取り組みで実態がどうなっているか推移をみるもの」などとしか答えられず、審議会答申で示された同和問題解決のための調査内容にもなっていないことを事突上、認めました。
堀田議員は、同和事業の継続や、そのための調査の実施はやめるよう主張。府は、同和地区内外の交流が進んでいることは認めましたが、「同対審答申で示された教育、労働などの解決されていない課題がどうなっているかの推移をみるために調査をしたい」と、計画どおり調査を実施するとの態度は変えませんでした。
2006年3月14日付
「しんぶん赤旗」より