大型事業を優先(関空2期、ダム、高速道・・・)
府民犠牲さらに(府立高・病院、私学助成・・・)
大阪府が予算案
大阪府は20日、2006年度当初予算案を発表しました。関西空港2期事業など大型公共事業や企業誘致は継続・推進する一方、「07年度の財政危機(財政再建団体への転落)を回避する」として府民の福祉や教育はいっそう切り縮める「府行財政計画」案を前倒しで進める予算案となっています。
府債残残高5兆円超す
一般会計は前年度比218億円増(0,7%増)の3兆1229億3600万円。特別会計は同1111億円減(8,5%減)の1兆1938億6200万円。2427億円の府債を発行、府債残高(借金残高)は5兆284億円で初めて5兆円を突破しました。前年度までの赤字234億円はそのまま残り8年連続の赤字。引き続き厳しい財政運営となっています。府民のくらし、教育、福祉の分野では、府立高校授業料減免制度を縮減します。増額の願いが強い私学助成は11年連続で経常費助成を据え置きました。府立の施設への指定管理者制度の導入や府立病院の独立行政法人化を推進。中小零細企業の職場に出向いて健康診断を実施するレントゲン検診車「ハト号」を8台から2台に減らすなど、住民の福祉の増進をはかり、いのちとくらしを守る自治体本来の役割を後退させています。
くらしの分野に大なたを振るう一方、関西空港2期事業(12億円)や関空の集客・利用促進(2億円)、安威川ダム関連事業(74億円)、「水と緑の健康都市」関連事業(86億円)、「国際文化公園都市」関連事業(38億円)など大型公共事業に重点的に予算を配分。加えて企業誘致促進費用は24億円を計上しています。阪神高速大和川線・淀川左岸線など拘束道路整備(69億円)にも力を入れています。また、地元が強く反対している府立大学生命環境科学部の大学院のりんくうタウンへの移転を提案しています。
府税収入は1兆1943億円。うち法人二税は4722億円で02年度比1200億円増えましたが、法人事業税の減税が続いているため、ピーク時(1989年)の56.5%にとどまっています。定率減税の半数などで府民負担税は83億円。財源不足1123億円は基金から借り入れました。
福祉4医療費や制度融資 府民と党の運動で前進
国の社会保障の大改悪がすすむなか、府民の運動と日本共産党府議団の奮闘が実ったものとして、老人・障害者・一人親・乳幼児の福祉4医療費の一部自己負担金の軽減制度創設(月2500円を超えた場合、超過分を市町村の窓口で返金。7月1日実施予定)があります。中小企業向けでは制度融資に3400億円、基盤技術支援に3000万円、地域の中小企業支援機能の強化に2億7000万円、商店街活性化に1億円を計上。小学年生の35人学級を実施。児童虐待が増加するなかで児童相談所の一時保護施設の定員は35人から50人に。発達障害の診断や療育の拠点施設である松心園の外来機能の強化、子どもの安全対策の充実、アスベスト対策などが盛りこまれました。
2006年2月21日付
「しんぶん赤旗」より