泉佐野コスモポリス用地
 
156億円かけて府が買い戻し

破たんのつけ府民に

 大阪府は、経営破たんした第三セクター泉佐野コスモポリス(泉佐野市)の用地76.5ヘクタールを買い戻し、「里山公園的な緑地整備」を進めていく方針を決めました。 府は、同用地を06年度と07年度の2年間で金利分約25億円を含めた156億円で買い戻します。06年度は用地費として68億円、基本計画策定費として3000万円を計上しています。 事業は、04年12月に施行された景観法など関連三法にもとづいて、国の補助を受けて2006年度から18年度にかけて進める予定です。整備費は約40億円を想定しています。 泉佐野コスモポリス社は1987年、大阪府、泉佐野市、銀行、ゼネコンが出資して設立。バブル崩壊で、進出企業もないまま96年に経営破たんしました。 98年に示された破たん処理の民事調停案は▽大阪府が130億5千万円で用地を購入する▽府の債権70億円を放棄する▽解決金6億円を支払う―など。府が巨額の負担をする内容でした。 日本共産党は「コスモポリス社の所有地を府民の税金で購入することは銀行の不良債権を引き取るものだ」などとして調停案の撤回を迫りました。しかし、大阪府は98年5月調停案を強行。同年8月、府土地開発公社が先行的に用地を取得しました。

浪費の失政 反省もなく

 この問題を取り上げてきた和田正徳府議の話 泉佐野コスモポリスは、もともと関西財界・大銀行が大阪府を巻き込んで自然豊かな丘陵地を削り、関空のインパクトを利用してハイテク企業を誘致するとして計画されたものです。 事業は用地の買収だけで破たんし、府はその時点で101億1千万円の府費を投入していました。今回用地を引き取るとして156億円を投入します。結局、破たん処理で257億円をつぎ込むことになります。これらの府が投入した府費は、そのほとんどが銀行の負担軽減に回されました。りんくうゲートタワービル破たんでも約300億円の府費が使われました。これらの無駄遣いの失政が、日本共産党以外の「オール与党」の体制で進められてきたのです。 府はこれらの失敗を反省せず、現在も、水と緑の健康都市事業に790億円もの府費を使って開発を進めています。今こそ、開発優先ではなく府民の暮らしを守る府政への転換が求められています。

 


2006年1月14日付
「しんぶん赤旗」より

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日本共産党大阪府議会議員団