日本共産党大阪府議会議員団

不安定雇用と長時間労働・所得減少 高い教育費・貧弱な子育て支援環境 共産党府議が質問
府議会少子化総合対策調査特別委
 
 府議会少子化総合対策調査特別委員会(8月22日)で日本共産党の阿部誠行、奥村健二両議員が質問に立ちました。
 
 阿部議員は、国や府、市町村が問題解決のためとして対策を打つ中で合計特殊出生率の低下に歯止めがかからず、一層深刻さを増している背景に、何があるか認識をただし、子育て支援の2つの提案を行い見解を求めました。
 
 阿部議員が少子化問題の背景に、若い世代の2人に1人が非正規雇用で、大阪の若者が週60時間以上就業している割合が全国一高いことを指摘。同年代の女性の正規雇用率が全国最低など、不安定雇用の急増と長時間労働の激化、所得の減少と格差拡大があることを示し、認識をただしました。これに対し府は「少子化の原因に何があるか一概に言えない、非正規雇用は一部の方」などと答弁しました。
 
 さらに阿部議員は、経済的負担が重いことも大きな原因であると強調。この間、府が行ってきた、私立高等学校経常費助成単価を10年も据え置いて削減し、府立高校授業料を全国一高くし減免制度を大幅縮小するなど、子育て世代の経済負担の軽減策に全く逆行していると批判しました。
 
 阿部議員は真に必要な子育て支援策として、経済負担の軽減を図るため▽乳幼児医療費助成制度の拡充▽小児救急医療制度の充実▽就学援助制度・私学助成・奨学金制度の拡充と府立高校授業科減免制度の改善など学資負担の軽減▽青年の正規雇用の拡大、雇用の安定化へ必要な施策などを主張しました。
 
 府は、乳幼児医療費助成制度の就学前までの拡充は「今後の検討課題」と答弁。小児初期救急医療体制は、今年度と来年度1カ所確立し、市町村とも協力して確立に努めると答えました。
 
 奥村議員は、認定こども園と学童保育問題について質問。認定こども園は、6月の「法」制定を受け、府は認定を行うための基準などを定めた条例の策定作業を行っています。利用者との直接契約、保育料は施設が自由に設定し徴収できるなど、国と地方自治体が責任を持つべき公的保育制度などを大きく崩す危険をはらんでいます。
 
 奥村議員は「保育の質にも大きくかかわる安定した運営を確保するためには、無認可施設の認可化を踏まえた財源措置が明確になっている『幼保連携型』を重点にしていく必要がある」と主張。府は.「『幼保連携型』のみ補助金措置があるので、そう認識している」と答えました。
 
 奥村議員は義務化されている「地域子育て支援事業」について、「財源措置は不明確なままになっている、国の財政措置を求めることが重要」と指摘。職員定数など現基準を下げず拡充し、条例制定は関係団体の意見をよく聞いて進めるべき」としました。
 
 学童保育の利用希望者はこの4年間に26%増加。しかし受け入れるクラブ数は、3%の増に止まり、71人以上の子どもがいるクラブは、118カ所に上ります。
 
 奥村議員は「希望者全員が入れず、児童福祉法にも明記されている『生活と遊びの場を与えて健全育成をはかる』との趣旨から大きくはずれている。国の補助制度に上乗せした府の補助や、定員を40人と定め、それを超える場合は複数化するという府の基準が必要だ」と求めました。
 
 しかし府は「市町村の自主性を尊重しながら、国が示している基準で適正に行う」と答えるにとどまりました。

2006年9月3日付
「大阪民主新報」より
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