りんくうゲートタワービル
黒字なら府の支援不要
開会中の大阪府議会本会議で5日、日本共産党の和田正徳府議が代表質問に立ち、経営破たんした、りんくうゲートタワービル株式会社の処理にかかわる大阪府の支援問題について、同社が2001年度から償却前黒字になっていることを明らかにし、支援の中止を求めました。
大阪府議会 和田議員が追及
代表質問に立つ和田正徳議員=5日、大阪府議会本会議
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和田府議は、02年度に同社が4億9500万円の償却前黒字になり、ビル内にある国際会議場など公共的施設運営への府の負担金を引いても1億7800万円の黒字であることを示して、「この事実を認めるか」と追及しました。
太田房江知事をはじめ府側の答弁者はまともに答えられず、一時審議が中断しました。
和田府議は「入居しているホテルの賃料が減額されたこの2年間も、2億8200万円と7600万円の償却前黒字だ。破たん処理で利息の支払いがなくなると仮定すれば、一昨年は4億9500万円、昨年は2億8800万円の黒字になり、府の公的支援なしでも十分利益が出せる」と指摘。「結局、府の支援は民間企業のもうけを上積みしてやるもの。府民の税金を何十億円も使うことは許されない」と支援中止を求めました。
太田知事は「架空の話には答えられない」など不誠実な答弁を繰り返しました。
< りんくうタウン事業について和田府議は、用地分譲が進まず約3000億円もの欠損が生じたにもかかわらず、出資した銀行は府に貸し付けた資金の利息だけで04年度までに1012億円を受け取っていることなどを指摘。
「巨額のもうけは懐に入れて、損した分は府に弁償せよというのはあまりにも身勝手」とのべましたが、太田知事は「金融機関は債権放棄した」など金融機関の側に立った答弁に終始しました。
和田府議は「思いやりを寄せる相手が違う。疑念は深まるばかりだ」と批判しました。
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償却前黒字償却前損益(経常損益から減価償却費を差し引いた損益)が黒字になること。