府立高
"学区 9から4に"
学教審が府教委に答申
大阪府立高校の通学区域(学区)のあり方を審議していた大阪府学校教育審議会は23日、府教育委員会に対して、現行の9学区を4学区にする答申をまとめ報告しました。
"急がず十分論議を"
3教組が見解
答申は、現行の第一・二学区、第三・四学区、第五・六・七学区、第八・九学区をそれぞれ1つとして、府内を4つに分けるというもの。府内全域を通学区域とする新たな調整枠の導入についても検討すると述べています。
これを受けて、大阪教職員組合、府立高校教職員組合、大阪市立高校教職員組合は委員長3氏の連名で同日、「府教委による性急な具体化に反対し、広く府民的に十分な論議と検討を求めます」とする見解を発表しました。
「見解」では、統合による学区の拡大で懸念されることとして、高校の序列化が進み、受験競争がいっそう熾烈(しれつ)になることや、通学時間の増加など生徒・父母負担の増加につながることなどを指摘。重大な問題点として、学区拡大が子どもの成長・発達におよぼす影響など教育の基本に立った審議が本会議ではまったくなされていないと批判しています。
日本共産党の奥村健二大阪府議・教育文化常任委員は、学区拡大は希望者すべてに高校教育を保障するという府民・教育関係者の願いに反するもので、受験競争や通学負担、学校と地域とのかかわりが薄れるなど問題点が多く、府教委が教育現場や子どもたちの意見に耳を傾け、府民の広い討論で再検討するよう求めると述べています。
*府立高校の学区制*
現行の9学区制は1973年に5学区制から縮小されたもので、当時の学教審は学区縮小の「当面の目標」として@高校間のいわゆる「格差」是正A受験準備のための過度の学習負担を軽減B高校と地域との結合を強めること−−を答申していました。これらの目標は今日にも生かされるべき内容で、学区拡大は時代に逆行するものです。