不正融資の疑い発覚
同和金融公社がハンナン関連へ
阿部議員追及、府は調査約束
同和地区産業振興を目的に府と大阪市が出資した金融公社が、牛肉偽装事件で逮捕・起訴されたハンナングループ代表の浅田満被告が代表の企業や、同被告が事実上取り仕切っていた業界団体などに、不正常な融資をしていた疑いが出てきました。
13日の府議会商工労働委員会で、日本共産党の阿部誠行議員が取り上げたもので、府は調査を約束しました。
問題の金融公社は、財団法人大阪同和金融公社(現・大阪府地域支援人権金融公社)。同公社が羽曳野市内の土地に、2000年9月、南大阪食肉畜産荷受(羽曳野市)、阪南食肉購買事業協同組合(羽曳野市)、大阪府同和食肉事業協同組合連合会(府同食、堺市)を債務者にそれぞれ極度額3億円の根抵当権を設定していたことから今回の融資が発覚しました。
「南大阪」と「阪南食肉」の代表は浅田被告。「府同食」も同被告が事実上取り仕切っていたことが明らかになっています。阿部議員の質問に、府は、計9億円の融資が可能な設定であると答えました。
阿部議員は、問題の土地は3000平方b余で、周辺土地の担保設定状況からみて山林であり、担保価値が低すぎ、地目が同公社が担保として取り入れないとしている「山林」であることなどを指摘。融資規定に違反した不正常な融資ではないかと調査を求めました。
府は、「ただちに不適切な融資が行われたとはいえない」としつつ、同公社に調査をさせることを約束しました。
同和金融公社が根抵当権を設定した土地は、府住宅供給公社がすすめる戸建て住宅地開発「南河内健康ふれあいの郷」事業地(羽曳野市)に隣接。住宅開発をしようとしている約9000平方bの一部です。浅田被告の関係会社が買い占めて、公社事業と「一体的に開発」、進入路確保も公社が負担しています。
この問題は、府側が、浅田被告側に便宜を図ったのではないかと日本共産党の岸上しずき府議が代表質問で取り上げています。