府所有地を転売

羽曳野市に差益3億2千万円

松原食肉市場のため?

 大阪府立羽曳野病院の看護師寮跡地を超安値で府が羽曳野市に、同市が法人にと転売し、その利ざやを松原食肉市場再編での運営補助金の市の負担増分の補てんにあてたのではないか―。この疑惑が、5日の府議会本会議で取り上げられました。日本共産党の岸上しずき議員が代表質問のなかで追及したもの。

府から市に超安値で売却


 

医療法人・春秋の城山病院が超安値で買収した府立羽曳野病院の看護師寮跡地=羽曳野市

  岸上議員によると、府が羽曳野市の売却したのは、同市はびきの2丁目の府立羽曳野病院看護師寮や付属高等看護学院などの跡地(約4200平方b)。
 同地は、同市の有名な住宅地に隣接。周辺地の地価公示地や地価基準地の価格、取引事例などでも一平方b当たりの価格は12万2千年から13万3千円になっています。
 大阪府はこの土地を、2003年1月に羽曳野市の土地開発公社に1平方b当たりわずか2万1千円、総額8億8千万円の超安値で売却します。羽曳野市はこれを、建物解体費などを含めて公社から9億9千万円余で買い取り、同年8月に入札で医療法人春秋会の城山病院に13億3千万円で売却。宣伝費などを差し引いても3億2千万円の差益を得ました。
 用地はもともと、同市の都市計画では学術、病院などの用地になっており、病院への売却は計画通りでした。
 しかし、地価の安い鑑定をだすために住宅用地にした方が都合がいいと、府が出した2社の鑑定はいずれも、宅地面積を全体の約半分と見積もった住宅開発の土地利用というもの。
 市は入札段階では医療法人と学校法人に入札者を絞っています。
 
売却直前に市負担上げる

 府と市は、同地を市に売却する4ヵ月前の02年10月1日付で同市の私立と蓄場への運営補助金の割合を、府7対市3から府市折半に変更する確認書を結んでいます。その際、確認書の第3項目に「地域振興が図られるよう誠心誠意努める」とする文言が明記されました。
 岸上議員は、これらの事実を示して「府と市の負担割合は7対3を折半に変更した羽曳野市の負担増2億4千万円を補てんするものではなかったのか」と太田房江知事の見解をただしました。
 太田知事は「市は、市の条件にかなう計画を提出したものによる公募型競争入札を実施して、市議会の決議もえて落札者である医療法人に売却したもの」と府の責任を回避する答弁をしました。
 法人前理事長は前市長後援者

 最終的に土地を獲得した同医療法人の前理事長の池浦達雄氏(62)は、福谷剛蔵・全羽曳野市長の有力な後援者で福谷前市長の政治資金管理団体「羽曳野政経研究会」の顧問の役職にもついていました。1998年11月には門前薬局のリベートなど約4億5千万円の所得を隠した脱税事件で逮捕され、有罪が確定。01年5月30日付で医業停止1年の医師行政処分も受けています。



2004年10月9日付「しんぶん赤旗」より
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日本共産党大阪府議会議員団