"堺地域に養護学校新設を"
"子どもの権利条例制定を"
奥村議員の質問に知事「条例制定検討」
府議会一般質問
一般質問に立つ奥村議員=5日、大阪府議会
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6日開かれた9月定例府議会で、日本共産党の奥村健二府議が一般質問にたち、養護学校の過密過大の解消、児童虐待と子どもの健全な発達などで太田房江知事の見解をただしました。
養護学校の過密・過大問題では、適正規模が生徒数150―200人といわれているもとで、府内の知的障害児学校10校のうち4校が300人を超えていると指摘、知事に学校現場を視察するよう求めました。
堺私立百舌鳥養護学校では、府立養護学校の半分以下の狭さに191人が在籍し、集会室や美術室を普通教室に変更、音楽室はなく廊下を間仕切りして教室にし、校長室をなくして職員室を広げ、校長室は事務室の一部を間仕切りして確保している実態を紹介。「現状では新入生は受け入れられない」として堺地域に新たな養護学校の建設を求めました。
太田知事は、養護学校の視察は「できるだけ早く行きたい」と答弁しました。
奥村議員はまた、虐待など子どもたちが厳しい実態におかれているなかで、教育や施策に「子どもが権利の主体」であることを基本にし、子どもの意見表明権や人権を守り、社会の多方面にわたり子どもの参加を保障することを定めた「大阪府子どもの権利条約」の制定を求めました。
太田知事は「条例制定の意義は大きい。制定する方向で検討していく」とのべました。
奥村議員はこのほか、児童虐待の相談や事件が増加しているなかで、保健師の増員や市町村の乳幼児健診への支援、民間児童養護施設での指導員の増員と一時保護業務への府としての独自の支援を要求。1003人の待機児(5月1日現在、大阪市をのぞく)がいる学童保育の新・増設と、府としての設置・運営基準の策定を求めました。
太田知事は府独自の設置・運営基準の策定は「必要ない」と答弁しました。
堺市議会などが移転に反対している府立大学農学部大学院のりんくうタウンへの移転問題で、「破たんしたりんくうタウン事業の救済策として府が押しつけた計画」と批判し、移転計画のとりやめを求めましたが、太田知事は、「大学の意向を尊重し、移転を支援する」とのべました。