府教委、また「高校つぶし」
南寝屋川、大東、城山、横山の4校
実施対象校(案)を決定
各地から寄せられた不服審査請求書を府の担当者に提出する「一揆の会」の人たち=25日、大阪府庁
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大阪府教育委員会は26日、教育委員会会議を開き、「府立高等学校特色づくり・再編整備計画(全体計画)」にもとづく2004年度(第2年次)実施対象校(案)を決定しました。
実施対象校(案)は▽第4学区の南寝屋川高校(寝屋川市)と大東高校(大東市)を廃校にし、大東高校の校地・施設で新たに普通科総合選択制高校に再編成する▽小規模校の城山高校(第1学区・豊能町)、横山高校(第8学区・和泉市)を廃校にする、というものです。いずれも06年度に既存校の募集を停止し、新校の募集を開始します。
府教委は、南寝屋川高校と大東高校を統合整備の対象校に選んだ理由として、第4学区は生徒減少が著しく、学校の小規模化がすすんでいるのが寝屋川市と大東市であること、南寝屋川高校と大東高校はそれぞれ特色ある教育をすすめており、その取り組みを発展させるなどとしています。
小規模校の機能統合については、城山高校、横山高校とも地元からの進学者が近年は大きく減少し、城山高校は1学年2学級、横山高校は4学級で学校活動に制約が多いとしています。城山高校の園芸科は演芸高校(池田市)へ、横山高校の園芸科は農芸高校(美原町)、同校の家政科成美高校(堺市)へそれぞれ機能統合するとしています。普通科は両校とも学区内の全府立高校で継承していくとしています。
府立高校統廃合問題での教育委員会会議(4人出席、1人欠席)はわずか30分、うち質疑時間は十数分で終了。小規模校の廃校について「環境問題などに関心が高まっているなかで園芸科をなくすのはどうか」「園芸高校は倍率が高い。ますます倍率が高くなるのではないか」などの質問が出され、府教委は「募集定数は今後の志願状況を見て検討したい」など形式的な答弁にとどまりましたが全員一致で決定されました。
教育文化 府民会議 緊急抗議集会と要請 阻止へ府民と力合わせ
府教育委員会会議で04年度の「高校つぶし」の対象校案が決定されたことをうけ、子どもと教育・文化をまもる大阪府民会議は同日、府庁内で緊急抗議集会を開きました。
集会後、新たな高校つぶしに抗議し、「全体計画」の撤回を求める抗議・要請を府教委に行いました。11日には午後2時から府社会福祉会館(大阪市中央区)で、同会主催の集会「まだやるのか高校つぶし」(仮称)を開きます。
集会では、辻保夫大阪教職員組合(大教祖)委員長が、高校つぶしが教育基本法の改悪と結んですすんでいることを強調。大阪府立高等学校教職員組合(府高教)から「抗議声明」にもとづいて経過報告し、城山、横山両校では「どうしても公立高校に入りたい」と遠隔地からの通学者が多いことはなんらふれず、解決策もないなど問題点を指摘しました。
筆保勝府高教委員長が、今年の入試では5000人以上が不合格になっているとのべ、「父母、府民と力をあわせて4校つぶしを許さないたたかいを」とよびかけ。日本共産党の和田正徳府議がともにたたかう決意を表明しました。
大教組府高教 委員長連名で抗議
大阪教職員組合の辻保夫委員長と大阪府立高等学校教職員組合の筆保勝委員長は26日連名で、府教委の決定に抗議し、「高校つぶし」計画そのものを撤回することを求める抗議声明を発表しました。声明は、99年以来6年目を迎える「高校つぶし」で大阪の高校教育をめぐる状況は激変していると強調。今年度の実施とエルハイスクール指定を含めると府立高校の95校が何らかの改編の対象になり、府立高校の削減と「特色校」の増大で全日制普通科高校は117校から88校へと激減するとしています。
長引く不況のもとで公立高校の競争倍率が引きあがり、毎年数千人の不合格者を出していると指摘。この間、府民の「高校つぶし」反対署名は84万人を超え、弁護士会への人権侵害救済申し立てや高校生を含む原告による裁判闘争など運動がすすめられるなど、幅広い府民に高校つぶしへの批判、30人学級の実現への願いが広がっていると強調。「高校つぶし」計画を抜本的に見直し、父母や高校生、教職員、府民の教育要求に誠実にこたえるよう求めるとともに、父母・府民とともに撤回を求めて全力をあげ、30人学級実現などの子ども、父母、府民の願いを実現するために奮闘するとしています。