「 公明性と説明責任」県民参加型県政に学ぶ
日本共産党府議団 高知県政視察報告
奥村健二
高知県立総合森林センターを視察
|
7月27日、28日、日本共産党大阪府議会議員団は高知県政の視察を行いました。高知県では橋本大二郎知事が4期目をむかえ、前日の26日には県レベルでは全国初の「子ども条例」が県議会で可決されるなど、タイムリーな時期でした。
県産業振興へ
■■■■意欲的取組が
橋本県政の最大の特徴は、「公明性と説明責任」(知事の言葉)、県民参加です。公共事業ひとつとっても、@国庫補助事業を含めて、必要性はどうかA住民参加(公募など)の現地視察など、地域に望まれているかB優先順位はどうかなど、全庁的に(タテ割でなく)、計画段階から検討されているのが印象的でした。
訪問した施設の一つは高知県立総合森林センターです。ここでは単に森林の保護・育成だけではなく、「川上から川下まで」と木材の強度や音響実験、木造住宅の普及、きのこ栽培に関することなどに取り組み、公共では高知県にしかないという振動の実験装置なども見学しました。大阪をはじめ関西方面の建築業者と連携して、高知県産木材の普及に力を入れているとのことでした。
また、高知県産業振興センターでは、「高知県ブランド」の開発に力を入れている報告を聞きました。「室戸海洋深層水」やそれを利用した商品などは年間130億円産業として成功しています。学校給食に地元農産物を生かすなど「地産地消」の推進にも意欲的な取り組みが見られました。
2日目の調査からは、全国的にも注目されている、「職務に関する働きかけについての取り扱い要領」、「土佐の教育改革」について報告します。
前者は知事も絡んだ元県幹部職員による巨額借り入れ焦げ付き事件を発端にして、昨年9月から施行されたもので、職員が職務に関して外部から働きかけを受けた際、働きかけの相手、内容、場所などをプライバシーを守り公表するというもの。議員や自治体の首長は公表の対象で、仕事が不当な圧力に左右されないようにすることが第一の目的。知事は「自分の仕事が公表されて困る議員や首長はいないはず 」と毅然とした姿勢で臨んでいるとのことでした。
「土佐の教育改革」は97年度からはじまり第2期目に入っています。
この改革は、ともすれば現場の教員は排除されて、「教師の責任追及型」で議論されることがよくある中で、全教をはじめすべての教職員組合が参加し、子どもを主体に教職員と保護者、地域住民が参加して「開かれた学校」とそれを支える地域づくりを目指しています。教育基本法の見直しを狙い、教師の管理統制と一層の差別・選別教育をすすめる政府・自民党の教育政策のもとでは大きな制約がありますが、子どもを中心に「共同のスクラム」を作ろうとする取り組みは注目されます。
橋本知事との懇談では、県政の基本は「県民参加型の政治」「公明性の確保と説明責任の実行」に尽きると語る知事。参議員選挙の結果などにみられる最近の日本共産党についての感想を問われ、「世の中が右の方へ強く流れていこうとしている時だから、共産党の主張が際立ってみえて、あたらしいアレルギーが生まれているのでは」と語りました。子ども条例や男女共同参画問題などでも、かたくなに反対する動きに、知事は危惧の念をもっていました(なお、子ども条例には自民、公明が反対)。
保守風土の中力強い議員団
橋本大二郎・高知県知事と懇談
|
わが党の県議団は定数41人中6人。大阪府議会なら17人と2倍近い比率です。保守風土の強い地域にもかかわらず、党派を超えた住民から推されて2人区の須崎市から当選された谷本敏明議員や、15人区の高知市から4人を当選させている活動の経験も聞き、1、2人区が多い大阪でも勝利をめざす奮闘を語り合いました。今後のいっせい地方選挙などに向けた活動に是非生かしたいと思いました。