0.9か0.29か 銀行税条例てん末

 
自と公民の主導権争い?

      大手銀行は大阪府の銀行税をめぐる訴訟で、訴訟を取り下げる動きをしていますが、これは先の大阪府議会の3月議会で、銀行の粗利益に課税する「銀行税条例」について、知事提案の税率0・92%を0.9%にする修正案を賛成多数で可決したためです。
 「0・9%」は東京都の間で和解した税率と同じ。修正案は府議会与党の民主、公明などが提出したもの。銀行側の「0・9%なら接点が見いだせる」との意向を受けてのことです。
  大手銀行は、巨額の利益を上げながら、わずかの税金しか納めていません。また、金融の安定を理由に30兆円の公的資金投入を受けて、11兆円は返さなくてもよくなっているという格別の優遇を受けています。銀行税はこうした銀行に社会的責任を果たさせるという意味も持っています。
 総務委員会で日本共産党の宮原威議員は、こうした点を指摘、2002年度決算では、みずほ銀行一行で4000億円近い業務純益を得ているのに、銀行全体でも府に納めた税金は6億円にすぎないと指摘。知事提案の0・92%にも一定の根拠があるとして原案通りの可決を主張しました。審議で0・92%への批判もせず、銀行側の提案を受けて0・9%を急きょ提案するのは、自主性を損なうと、民主、公明などの態度を批判しました。
 自民党は、府と銀行側が大阪地裁で係争中だとして、「訴訟の相手方と話して、その意向通りの提案をするのは密室政治」「0・9%ならいいというのは、(反対していた)条例の正当性を認めたのか」などと質問しました。
 もともと民主、公明などの修正提案の背景には、「府は条例制定を主導した自民とだけ事前に調整し、0・92%への引下げ案を決定。民主、公明には『自民偏重』と映った」(3月25日付「朝日」)というように、自民党と民主、公明の与党間の主導権争いがあったといいます。銀行に社会的責任を果たさせる問題を主導権争いに利用したのなら、府民不在といわれても仕方ありません。






2004年4月6日付「しんぶん赤旗」より
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日本共産党大阪府議会議員団