大企業奉仕、府民に冷淡
黒田議員への太田知事答弁
府議会代表質問
代表質問に立つ黒田議員=9日、本会議
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大阪府の3月定例議会で9日、日本共産党の黒田まさ子議員が代表質問に立ちました。仕事や生活の場の窮状を具体的に示して府政の転換を迫る黒田氏にたいし、太田房江知事は、小学校1年生の38人学級や中小企業対策など府民の要求に部分的に応じる一方で、全体としはこれまで以上に大企業奉仕で府民に冷たい内容の答弁に終始しました。
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小泉内閣の「構造改革」の名の下で多くの国民が憲法に保障された最低限度の生活すら維持できなくなっている、と切り出した黒田氏は「先の知事選では、関空二期事業など巨大開発優先の政治をいっそう進めるか、それとも自治体本来の役割を発揮して、中小企業に光を当て、医療・福祉・教育第一の府政に転換するかが鋭く問われた」と指摘。今後4年間の府政運営の基本と当面の課題について質問しました。
質問の柱は@府民の命と健康を守り、子育て、教育の充実A大阪経済の再生・活性化B財政危機打開C緊急課題と政治姿勢―の4つです。
代表質問に立つ黒田議員=9日、本会議
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関空二期工事中止の声拒絶
第1の柱では、
■■■■■■▽老人・障害者医療費助成制度の維持と、母子家庭・乳幼児医療費助成制度の拡充
■■■■■■▽保育所待機児の解消、児童虐待事件を二度と起こさせないための体制強化、少人数学
■■■■■■■級の早期実現
■■■■■■▽高校統廃合の再検討
■■■■■■▽私学助成拡充
■■■■■■▽知的障害養護学校の過密解消
■■■■■■▽府立三大学の統廃合「法人化」計画撤回―を求めました。
第2の柱では、
■■■■■■▽全庁挙げて中小企業への仕事おこしと地域おこし雇用の創出にとりくむこと
■■■■■■▽外からの大企業などの呼び込み・誘致中心でなく、大阪の良さ、既存の中小企業・産業
■■■■■■■の支援・育成を商工行政の中心に置くこと
■■■■■■▽大型開発中心の公共事業を福祉・環境型に転換し、中小企業の仕事と雇用を増やし、
■■■■■■■■環境にやさしい循環型の産業を積極的に支援すること
■■■■■■▽府内市町村・近隣県との連携、アジアとの友好と交流情報発信を強め相互の発展に努
■■■■■めること
■■■■■■▽大企業にたいして下請け・雇用問題などでその役割にふさわしく社会的責任を果たすよう求めること―を提起。官公
■■■■■■■■■■■■■需、金融問題、雇用問題で対応を求めました。
第3の柱では、今のままでは借金が増えつづけることを指摘し、
■■■■■■▽関空二期事業や安威川ダムなど無駄な大型開発の中止
■■■■■■▽りんくうタウンなど企業局事業の失敗を一般財源に押し付けず、銀行などに社会的責任を求める
■■■■■■▽小泉内閣の三位一体改革に反対し、地方税財源の拡充に努める―などを要求しました。
第4の柱では、
■■■■■■▽鳥インフルエンザ対策
■■■■■■▽国に自衛隊のイラクからの撤兵を申し入れること
■■■■■■▽三洋電機と太田知事の癒着実態―について質問しました。
三洋電機厚遇で気色ばむ場面も
太田知事は、安威川ダムについては利水の必要性についての精査や工事費の削減などに努めると答弁。他の課題の、福祉医療制度の維持、府立高校のエアコン代徴収の中止および統廃合計画再検討、関空二期事業の中止など、多くの府民が求めている課題への取り組みを拒否する答弁を重ねました。
補助金や府立高校のエアコン設置で三洋電機を特別に厚遇しているとの黒田氏の指摘に、太田知事が「的外れ」「心外」と気色ばむ場面もありました。