府立高エアコン 1/3が三洋電機
知事後援の会社が受注
使用料滞納者は退学処分なのに
城東工業高校に設置されたエアコンの室外機を調査する日本共産党の(右から)和田正徳、小林隆義両府議
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会社トップが太田房江大阪府知事の後援会長をつとめる三洋電機(本社・守口市)が、府立高校のエアコン設置工事で対象高校147校の約3分の1にあたる46校でエアコン製品を受注している詳細が1日までにわかりました。日本共産党の和田正徳府議の調査によるもの。エアコンは、今年の夏から使用する予定で昨年の夏以来府内の147校の約3500教室で設置工事を実施しました。ガス式と電機式があって、三洋電機製品は、ガス式で34校、電気式で12校の計46校で使われています。
残りの学校のエアコンは8社が受注しており、ガス式はヤンマーディーゼルが42校、電気式は多い順に松下電器20校、ダイキン工業15校、三菱重工9校、三菱電機6校、東芝キャリア6校、日立空調3校となっています。室内機の数では、三洋電機が7342台中2342台で32%を占めています。府立高校のエアコンを設置し使用料を徴収する条例案は、太田府政が一昨年9月議会に提案したもの。自民、公明、民主などの賛成、日本共産党の反対で可決しました。使用料を生徒から一律1人年5400円を徴収する内容。
授業料とは切り離して徴収して減免の対象からはずしたうえ、滞納したら退学処分にすることまで決めています。このため、府民から抗議の声があがり、撤回を求める署名運動も広がっていました。エアコンの設置工事は街の電機工事業者でもできるため、多くの中小企業者が府からの直接的な受注を望みました。しかし、太田府政は分離分割発注すると事務量が膨大になることなどを口実にこれを拒否。一括発注できる業者にしぼりました。
この結果、関西電力と大阪ガスの共同企業体しか参加できず同企業体が192億円で受注しました。落札率は99・8%でした。
三洋電機の井植敏会長は、太田知事の後援組織「21世紀大阪がんばろう会」の現会長です。2月の大阪府知事選でも、関西財界の先頭に立って太田氏を支援、関電や大阪ガスの幹部も太田支援の先頭に立ちました。
"行政の私物化に等しい"
和田正徳府議の話
今回府がやっとだしたエアコン製品の企業別内訳は、知事選の前から私が府に要求していたものです。今ごろまで出すことを拒んだのは、後ろめたいものがあったと見られてもしょうがない。
今回の三洋電気製品の優先発注は、太田知事の後援会長が三洋の会長であることと無関係ではありません。癒着を断ち切り、大企業優先の姿勢を改めて、中小企業にしっかり視点を置いた公正な行政を進めるべきです。