3月府議会迫る(2日から)

日本共産党 宮原威府議団長に聞く

府民犠牲、大企業奉仕府政と対決 切実な府民要求実現へ全力  




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     3月府議会が3月2日から始まります。2期目に入った太田府政の初議会とあって、各党の姿勢が鋭く問われることになります。日本共産党の宮原威府議団長に聞きました。
 ―3月議会の特徴は。

 一つは、府民のくらしや中小企業の経営がますます苦しくなる中での議会だということです。一部で景気が持ち直して来年度の府税収入は1千億円ほど増えるといわれていますが、府内の中小企業の不況型倒産は、一昨年1528件だったのが昨年は1618件と増えています。一部の大企業はリストラや輸出でもうかっていますが、大半の中小企業は依然としてきびしい状況に置かれていることの反映です。社会の格差がうんと開いてきています。そういう中で、地方自治体は何をしなければならないのか、ということです。
 もう一つは、消費税増税や社会保障の連続改悪、イラク派兵や憲法改悪、地方に仕事は回すがお金は回さない小泉「構造改革」など国の悪政の中で、府民のくらしや平和を守っていくかが府に問われていることです。

 ―新年度予算案をどうみますか。

 税収が1千億円増えたといっても、ピーク時に比べれば6割程度です。にもかかわらず、関空二期事業、阪神高速道路の新路線、安威川ダム建設、国際文化公園都市開発など大型開発予算は、このところ毎年ほぼ100億円ずつ増えつづけています。借金体質もひどいものです。実質収入の中での公債費(借金)比率は、1996年度まで20%以内でしたが、97年度に20%を超え、2000年度からは30%台、02年度からは42%になりました。
 大企業奉仕も露骨です。府営住宅の建設・建て替えを大企業に丸投げする「PFI方式」というやり方が強まっています。これまで請け負ってきた地元の中小業者には大打撃です。府立高校のエアコン設置問題では、実際に設置された機種は、三洋電機が多いことがわかりました。採用されたのは8社ですが、ガス式・電機式合わせて台数の約3分の1は三洋製です。三洋電機の井植敏会長は、太田知事の後援会「21世紀大阪がんばろう会」の会長です。
 その一方で、府独自の老人医療助成制度を基本的に廃止し、障害者・母子家庭・乳幼児医療への一部負担を導入するという福祉4医療の改悪など府民犠牲はいっそう強めています。
 府民と日本共産党が力を合わせ、長年要求してきたことが反映した項目もあります。小学校の35人学級が盛り込まれ、初年度は1年生のみ、38人編成でスタートします。保育所の待機児童ゼロへ、増改築17ヵ所、新築16ヵ所も決まりました。特別養護老人ホームも33ヵ所を新設、7ヵ所が増改築されます。小児救急態勢も少しですが拡充されます。中小企業融資は、利用条件が若干緩和されました。

 ―今議会の焦点になる問題はなんでしょう。

 最大の焦点は、福祉4医療改悪がどうなるかです。
 もう一つは、先の知事選で現職の太田知事を推薦した自民・公明・民主・社民各党の姿勢です。一期目以上に「オール与党」体制が強まった下で、大型開発優先、福祉・教育切り捨ての府政にどういう態度をとるか。
 夏の参院議員選挙にも直結する問題です。
 日本共産党議員団は、府民要求実現と財政再建を両立させる建設的な提案をしながら、切実な府民要求を少しでも前進させることができるよう力を尽くし、参院選勝利にも貢献できる論戦を展開したい。

 ―岸和田市の児童虐待事件は府民の大きな関心を集めています。

 大きく3つの問題点があると思います。
 学校や子ども家庭センターなど現場の対応が問われるのは当然ですが、行政として、虐待防止や子どもの健全な発達のための態勢があまりにも貧弱です。子ども家庭センターでは、一組の職員が200件を担当しています。学校では、府独自で加配していた生徒指導主事などが削られています。また、学校、地域、子ども家庭センター、保健所などのネットワークをつくるのは行政の仕事です。
 岸和田の事件は、先日国連から再勧告されたように、子どもの権利が十分保障されていない、子どもの意見が社会に十分取り入れられていない、国際的にも遅れた日本の状態を象徴するものです。府の施策が一歩でも二歩でも前進するように奮闘したいですね。

 ―最後に、3月議会に臨む姿勢を。

 今、くらしと平和の危機はかつてないものです。その中で、府民の立場を代表する唯一の野党として、参院選の勝利も展望しながら全力を尽くします。
 




2004年2月28日付「しんぶん赤旗」より
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日本共産党大阪府議会議員団