中止も視野に見直しを
安威川ダムの浄水場建設
外部監査報告書 府に提出
大阪府が茨木市の山間部に計画している安威川ダムについて、ダム建設に伴う利水のための浄水場建設を「中止も視野に入れて適切な評価、見直しがなされるべきである」との外部監査報告書が20日、包括外部監査人(児玉憲夫弁護士)から府に提出されました。
報告書は安威川ダムそのものの建設是非については、監査の対象にしておらず、利水としての浄水建設について今後の需要予測の見直しの必要性などから「中止を視野にいれて見直す」必要性を指摘しています。
府は2010年までに1日最大給水量を253万dと下方修正して第7次拡張計画をすすめていますが、今後の社会情勢の変化に伴う水需要によっては予測した給水量が妥当性を欠く場合もあることを指摘。2000年に水需要予測が見直されて以来3年経過しており「実態と予測に大幅な乖離(かいり)がないかを検討すべき」だと指摘しています。
報告書はさらに、府が2010年までに確保しなければならない水利権を43万dとしていること、そのうち23万dが工業用水の転用でまかなえること、残り20万dも下方修正される可能性があり、府が安威川ダム(7万d)、紀ノ川利水(13万d)と予定している「複数水源の実現は『費用対効果』等を十分に検討していくべきである」と事実上の見直しを求めています。
安威川ダム建設では、有識者で構成される府の建設事業評価委員会の安威川部会も利水については「必要性を十分確認するにいたっていない」と中間報告をまとめています。府は、「淀川以外の複数水源の確保は危機管理の一環」として安威川ダム建設に固執する姿勢をとっています。
府はムダな事業やめよ
日本共産党の阿部誠行府議は「建設評価委員会の報告に加え、今回の外部監査でも利水の水需要に疑問が投げかけられた以上、府はいったん安威川ダム計画を中止すべきだと思う。治水面でもわが党の質問で、100年に1回の大雨にも十分対応できることが明らかになっている。ムダな大型公共事業を見直して府民の福祉、教育、くらしに回すことこそ今緊急に必要なことです」と話しています。