大阪府が建設するインターネットデータセンターが、新日鉄やNTT西日本、大阪ガスなどの企業の営利活動の基盤を整備するもので、収益もこれらの企業のものになることが7日、浮き彫りになりました。府議会総務委員会で日本共産党の塩谷としお議員が追及したもの。塩谷議員は、「府立で建設する必要性があるかどうか疑問。民間で十分できるものだ」と主張しました。
同センター建設のため大阪府は昨年12月、大阪市浪速区の旧富士銀行の計算センターの土地・建物を買い取ることを決定。総事業費は43億3000万円(土地3億9000万円、建物3億5000万円、基盤設備35億3000万円など)となっています。施設の維持管理は関西情報・産業活性化センターに委託、事業は府がコンペを行って採用したNTTデータ、新日鉄、NTT西日本、大阪ガス、ネットワンシステムズの企業連合が行います。
府は関西情報・産業活性化センターに委託料として03年度予算案に6000万円を計上。塩谷議員の質問では、委託料は次年度以降も支払う可能性があることや、事業収益は府には入らないことがわかりました。
府は、「大阪府に収益を求めるものではない」などと答えました。
塩谷議員は、「府は『民間に任せられるものは民間に』と、府立の病院まで民営化しようとしている。そのときになぜ、府が立ち上げ、年間6000万年もの委託料を出してつくる必要があるのか疑問だ」と指摘。「民間で十分できるものだ」と主張しました。
【府立インターネットデータセンター】自治体の行政サービスなどの情報通信処理を行う、高機能なデータセンター機能を有する地域IT拠点施設。大阪府によると同種の事業所は全国で主なもので89あり、うち公立は大分県、岡山県、沖縄県宜野座村の三事業所のみ。
2003年3月8日付