大阪府の元幹部職員が理事長を務めていた財団法人「大阪環境事業経営管理協会」(88年3月設立)が、府出資の公社からの委託事業をこの元幹部職員のファミリー企業に再委託するなどしていた問題で、研究や調査などを目的に設立した同協会が設立1年半後、規約に収益事業を加える変更を行っていたことが5日わかりました。
府議会環境農林委員会で日本共産党の、がもう健議員が明らかにしたもの。「はじめから収益事業を目的に設立されたものではないか」とのべ、設立が不明朗だと指摘しました。
がもう議員の調べでは同協会は、廃棄物に対する社会的認識を向上させるために、後援会や研修会の開催、調査・研究、資料の収集、情報の提供などを行うとして設立されましたが、その1年半後の89年9月には、収益事業を行うことを規約に追加。同協会はその後、大阪府と大阪市が100%出資している「大阪産業廃棄物処理公社」からの「大阪産業廃棄物処理公社」から「堺・泉大津基地廃棄物受け入れ業務」などの事業を受託するようになり、収益事業が主になっていました。
これまでの報道などによると、同協会の理事長を務めていた元府幹部職員(昨年死去)は85年に府を退職後、「大阪産業廃棄物処理公社」の専務理事に就任、88年に同協会の設立とともに理事長に就任しました。同公社から同協会に2億6500万円の寄付が行われていたことや。同協会が主催するオーストラリアへの研修事業に府の職員らが5万円の自己負担のみで参加していました。
がもう議員は、「同協会ははじめから収益事業を目的に設立されたものではないか」と主張。
「寄付をする方と、もらう方が同じ人物ということは通常あり得ない」とし、同協会を公益法人として認可し、府から多数の理事を送り続けていた府の責任を追及するとともに協会の収支や海外研修事業参加費などの調査を求めました。
府は、職員が参加した海外研修費用は調査すると答弁しました。
2003年3月7日付