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議事録

教育常任委員会(2020年3月11日) 内海公仁府議の質問


・支援学校の新設等について

◆(内海公仁君) 日本共産党の内海公仁です。
 質問に入る前に、新型コロナウイルス感染症対策で、かつてない形で学校の全校休業ということになっている中で、現場ではいろんな情報が錯綜し混乱が生じているということを幾つか伺っております。一部の学校で子どもを臨時的に受け入れるということの対応をしたものの、例えば教室には二人しか入ってはならないというようなルールを決めたりとか、ある学校で成績返しなどの関係もあって生徒を時差登校させる、こういう対応をしたところ、それを見ていた地域の方が、一体どうなってるんや、学校は休みじゃないのかということで市に連絡をする。そうすると、市長部局から教育委員会に、どうなってるんやというようなことで、市長部局と教育委員会との混乱、意思疎通もできてなくて現場が混乱する、こういうような事態もあります。現場で本当に苦労されている皆さんの立場に立って、情報をしっかりと共有する、あるいは必要な情報をしっかりと発信をするということも含めて、府教委としても、そういう点での必要な支援と、それから場合によっては財政的な支援もしていくということでの万全を尽くしていただきたいということを先にお願いをしておきたいと思います。
 それでは、初めに、支援学校の問題についてお聞きします。
 支援学校の整備ということで問題になっているわけですけれども、新年度、いよいよ支援学校整備事業が予算計上されております。基本方針では二校新設という方針で今進んでいるようですけれども、私は、二校にとどまらず、さらに複数校の新設こそが必要だというふうに思っておりますけれども、しかし今回出されている方針では、旧西淀川高校の活用以外の整備計画は出されていないようなんですけれども、この状況について御説明をいただきたいと思います。

◎教育振興室副理事(白居裕介君) 知的障がい支援学校の新設につきましては、平成三十年三月に策定をいたしました府立支援学校における知的障がい児童生徒の教育環境の充実に向けた基本方針に基づきまして、令和五年度から七年度の間に複数の新校を開校するべく、検討を進めているところでございます。
 具体的には、各地域の児童生徒の増加の状況や立地の条件、通学環境、そういったものを十分に考慮しながら、開校までの期間をできるだけ短縮を図っていくということなどの観点から、閉校した、または閉校を予定している府立高校の活用について検討をしているところでございます。
 そういった中で、まずは、今後とも多くの児童生徒数の増加が見込まれる大阪市域において整備が必要であると考えまして、平成三十年度末に閉校しました府立の西淀川高校の校舎等を活用して整備をすることとしたところでございまして、令和五年度の開校を目指しまして、来年度は基本計画の策定をしたいと考えております。また、あわせまして、令和六年度以降の開校を目指した新校の整備につきましても、引き続き並行して検討を進めてまいります。

◆(内海公仁君) 説明ありがとうございます。
 一校の二〇二三年度開校を目指しながら、同時に二〇二四年度以降の開校も目指すということで、連続して新校整備の検討を進めていただくということについてはぜひ進めていただきたいと思います。
 同時に、今回の施設整備というのは、高等学校の施設の転用ということになる関係上、施設の改善の課題というのは多々あるかと思っております。万全を期していただくことをここでは強く求めておきたいと思います。
 また、府が持っております基本方針は、中間年になる二〇二二年までに見直しを行うというふうにされております。その点では、既存の支援学校の過密過大の現状をしっかりと踏まえて、さらなる新校整備を含めた抜本的な見直しを私は期待しているところですけれども、基本方針の見直しの状況、考え方についてお伺いいたします。

◎教育振興室副理事(白居裕介君) 知的障がい児童生徒の増加への対応につきましては、さきに申し上げました基本方針におきまして四つの取組を取りまとめておりますけれども、具体的には、一つ目が支援学校の既存施設の活用、二つ目が他の障がい種別の支援学校との再編整備、三つ目が府立高校内への支援学校の分教室の設置、四つ目が新校の整備でございますけれども、これらにつきまして昨年度来から順次検討を行い、できるものから実施をしてきているところでございます。
 この基本方針につきましては、この策定の契機となりましたのが、平成二十九年三月に公表いたしました府立支援学校における知的障がい児童生徒数の将来推計でございますけれども、この実施から五年を経過をいたします令和三年度を目途にしまして再度推計を行った上で、その結果を踏まえまして、必要に応じて見直しを図ってまいります。

◆(内海公仁君) 過密過大を解消するということも非常に大事な課題ですので、一人一人の子どもたちの持てる力を最大限発揮できる支援学校の実現のために今後も推移を注視していきたいと思っております。よろしくお願いします。

・学校司書の配置について

◆(内海公仁君) 続いて、学校司書の配置の問題についてお伺いをしたいと思っております。
 子どもたちの学習意欲の向上や、生涯にわたって学び続ける基礎的な力や人間性を育てる上で、学校図書館の役割というのは大変重視されております。平成二十六年六月には学校図書館法が改正されて、第六条で学校司書が明記されました。それ以降、学校司書配置が推進されてきたと思われますけれども、市町村の学校司書の配置促進に向けて、府としてはどのような支援を行っているのか、その取組と成果についてお伺いいたします。

◎小中学校課長(桝田千佳君) 学校司書につきまして府としましては、平成二十七年度より国事業を活用して、学校司書を専任としてできる事務職員をこれまで十二の市町村に配置し、学校図書館の環境整備や読書活動の推進を支援しております。
 また、府域全ての学校で学校図書館の活用を充実させるために、教員と学校司書の連携による読書の楽しさを伝える取組等の好事例を、読書フォーラムを開催したり、府のウェブサイトで広く発信し、普及しているところでございます。
 これらの取組を進めてきた結果、学校司書を配置する小中学校の割合が、平成二十六年度の三四・八%から、今年度は八六・一%と、五一・三ポイント増加しております。
 今後も取組を継続いたしまして、市町村の学校司書の配置を支援してまいりたいと考えております。

◆(内海公仁君) 取組が効果を発揮しているという状況があると思っております。ただ、市町村によってまだまだばらつきがあるということも実際ではないかなというふうに思っております。
 学校図書館の取組というのは、単に読書の機会を提供するというものにとどまらずに、先生の授業の活動や読書活動、そして先生自身の研究活動のニーズにも応えていくよう配慮すること、あるいは不登校の経験を持つ子どもたちなど相談相手の必要な子どもたちにとっては、心の居場所、こういう立場の位置づけもあると思います。こういう観点から、図書館には専任の学校司書を初めとして、必要な教職員がいつもそこにいてるということが大切だと思います。図書司書が、学校長の指揮監督の下で正規の職員として配置が進むように、府として支援をさらに強めていただきたいということをお願いしておきます。

 ・府立中央図書館の収蔵能力について

◆(内海公仁君) 続いて、中央図書館の問題についてお伺いいたします。
 昨年九月のほかの会派の質問の中でも、府立の中央図書館の書庫の蔵書能力があと五年ほどで限界に達するということが質問されて、今後適切な方法を調査するという旨の答弁がありました。また、先日の横倉廉幸議員の含蓄のある質問を聞かせていただきました。この観点からも、私は、今回の収蔵能力の問題について本質が一体どこにあるのかということが問われているというふうに思っております。
 府立中央図書館は、二〇一〇年に、当時、国際児童文学館が移転、同居するということになって、この時点で約七十万冊の資料図書が中央図書館に一緒に持ってこられた、こういう関係があって、児童文学館の移転のときに中央図書館の蔵書能力を圧迫することはもう分かっていたはずなんですね。当時、一体どのような議論や対応がなされていたのか、その状況についてお伺いしたいと思います。

◎地域教育振興課長(北川辰弥君) 府立中央図書館の書庫につきましては、開館当初は固定式の書架を設置し、所蔵資料が増加した時点で電動書架を導入することとし、収蔵能力の拡大が図られるように建設されたものでございます。
 平成二十二年の国際児童文学館の移転に伴い、府立中央図書館で約七十万点の資料を受け入れることとなり、その際に電動書架設置工事を行い、収蔵能力の確保を行ったものでございます。

◆(内海公仁君) もともとその電動書架というのは、後々の蔵書に対応するということの計画としてあったわけですね。ですから、児童文学館の蔵書を受け入れるときにそういう対応をしたということは、それはそれで必要な対応だと思いますけれども、だからといって、中央図書館の蔵書に必要なスペースを確保できたことにはならないわけですよね。そういう点で、この問題というのは非常に重大な問題だと思っております。
 児童文学館の資料図書を一緒にしたという段階で、どうしたらいいのかということをもっと真剣に対応を考えることが必要だったと私は思っております。それこそ全国に対しても、全国一の蔵書を誇るということを標榜している府立中央図書館でありますから、その図書館としての位置づけは非常に大切です。同時に、私は、児童文学館の特別な位置と役割に鑑みて、児童文学館の資料や図書、これも非常に重要なものだというふうに思っております。
 ですから、そういう観点で、今後どうしようとしているのか、蔵書スペースの確保のためにどのような考え方に立つのかということとの関係で、私は、児童文学館の資料図書を新たな場所に確保するということも含めた検討が必要ではないかと思いますが、いかがですか。

◎地域教育振興課長(北川辰弥君) 収蔵能力の確保につきましては喫緊の課題と認識しておりまして、どのような手法が適切かにつきまして調査を行い、次年度の早い時期に方針を定めてまいります。

◆(内海公仁君) 私は、これはぜひ要望しておきます。児童文学館の図書について、しっかりとしたスペースを確保する。つまり、中央図書館の当初持っていたスペース能力に一切影響を与えない、この立場に立った改善を検討していただきたいということを要望をさせていただきたいと思っております。

・中学校のチャレンジテストについて

◆(内海公仁君) 続いて、次の質問をさせていただきます。中学校のチャレンジテストに関わる問題です。
 我が会派としては繰り返し、中学校のチャレンジテストの結果が高校入試の内申点評定に使われるということの問題点を指摘をしてまいりました。同時に、昨年九月には、現場の批判的な声、実情もリアルに示させていただきながら、入試の内申調査書に反映させることをやめるように求めてきました。
 こうした中で、とりわけ主要五教科のテストの結果を実技四教科の内申点に関連づけるという手法に批判があるということを教育庁は認めて、見直しをするということをやってこられました。ところが、公表された内容というのは、五教科のいわゆる学校間の格差を実技四教科にもスライドして拡大する、こういうことになってしまう、ますます矛盾を広げることになるものだと私は思います。
 それで、お聞きしますけれども、なぜこのような見直しをしようとしているのか。そして、その見直しによって内申調査書、とりわけ実技四教科の公平性が担保できるというふうに考えているのかどうか、お伺いいたします。

◎高等学校課長(大久保宣明君) チャレンジテストを活用した府内統一ルールは、中学校で行われた絶対評価をベースといたしまして、絶対評価固有の課題である極端な評価を是正することで調査書評定の公平性を担保することを目的としております。
 これまでの三年生のルールは、チャレンジテストを実施する五教科の結果によって、実施しない四教科を含めた九教科の評定平均を確認することとしておりました。これは、五教科の評定平均と九教科の評定平均との間に強い相関があるという分析を前提に制度設計したものでございます。
 一方で、例えば五教科の成績が府内の平均を大きく上回るような生徒であっても、四教科の成績が同じように高くはならない場合があるのも事実であり、このような例を捉えて、五教科のテスト結果により九教科の評定平均を縛るのはいかがなものかという疑問の声が寄せられる状況もございました。
 このような声を受けまして、昨年のルールの見直しに当たり、五教科のテスト結果で当該五教科の評定平均を確認するようにルールを変更いたしましたが、チャレンジテストを実施しない四教科についても、引き続き何らかのルールが必要であるとの結論に至ったところです。
 この間、中学校長先生等の御意見もお聞きしながら、この四教科の特性や、先ほど申し上げました個々の生徒の状況があることなどを考慮して、これまでのルールも踏まえつつ、より幅を持ったルールにするよう検討を進めたところでございます。
 そのため、府内中学校の四教科の評定をもとに算出した府全体の四教科の評定平均の範囲を新たな基準として、従来のチャレンジテストを活用して算出した各校の五教科の評定平均の範囲をも参考とすることで、物差しの幅を広げ、極端な評価を是正することで調査書評定の公平性を担保することとしております。

◆(内海公仁君) 今の答弁の中で、五教科の評定平均と九教科の評定平均との間に強い相関関係があるという分析を前提にこの制度設計をされているということ自身が私は大きな問題だと思っております。同時に、そのことを一定認めながら、今回の見直しは、結局いろいろ現場の先生の意見も聞きながら、実技四教科の特性や個々の生徒の状況があることを考慮して、より幅を持ったルールになるように検討した、こういうことなんですね。
 ところが、実際にはそのことによって、学校の五教科の格差が本人の格差に連動するという仕組みになっているわけなんですね。ですから、ここが、とりわけ五教科とはちょっと違う四教科のそれぞれの個々人の能力がしっかり反映されない、こういう事態になっているという点では、私は大変大きな問題を引き続き含んでいるというふうに言わなければならないと思っております。
 今日は余り時間がありませんのでこれ以上申し上げませんけれども、昨年の九月の委員会の中でも教育長自身が、万全なものはないということも含めて必要な見直しを続けていくということをおっしゃっておりますので、今後もこの問題については引き続き検討をしていただきたいし、また意見も述べさせていただきたいと思っております。

 ・小学校新学力テストについて

◆(内海公仁君) 次に、そういう議論の中で、今回、小学校での新たなテストを導入するということになったわけです。この問題については、私、昨年の九月議会の中では、そのことによってまた財政的な負担も大きくなってしまうだろうということをも指摘しました。当時は、私は五億円ぐらいかかるんじゃないかなということを言ったわけですけれども、結果として新年度予算では、債務負担も含めると、小学校、中学校のテストを全部合わせると六億六千万の事業費になっているということです。
 聞くところによると、少なくない市町村で既に小学校の高学年を対象にした独自のテストも実施されているということであります。なのに、府が新たなテストを行うということが、なぜこれほどまでの財政を使って必要なのかということが改めて問われると思います。同時に、学力の向上のためなどと言っておりますが、何をもって学力を向上させようとしているのか、併せてお伺いします。

◎小中学校課長(桝田千佳君) 小学校の新学力テストは、大阪の子ども一人一人の学力を伸ばすことが狙いでございます。府全体の課題である言語能力とともに、今後さらに求められる情報活用能力等も出題し、大阪の全ての子どもにしっかり力をつける取組を進めるため、府がテストを実施いたします。
 何をもって学力向上とするのかにつきましては、学習に取り組む様子や、自分の考えを持ち、それを表現できているかなど、様々な視点から見ていく必要があるものの、このような学力テストの結果の変化も学力の一側面として有効な観点だと考えております。

◆(内海公仁君) 市町村が既にかなりのところで独自にテストをやっている、そういうことを押しのけてまで大阪府がこういうことをやるということ自身が認められない問題やと思っております。
 本当に学力の定着や向上を図ろうとするならば、まず授業をしっかりする。同時に、その授業をしっかりするための学校の職員の体制、先生の体制、人的な体制を豊かにしていくということが大事だと思います。六億六千万のお金があるならば、これを少人数学級数、三十五人学級に拡充するということで考えれば、例えば小学校三年生の三十五人学級全校実施のためには十二億程度かかるというふうに言われております。ですから、この六億六千万を活用すれば、市町村と協力すれば、すぐにできるということにもなろうかと思います。こういったお金の在り方の考え方も含めて、後ほど知事にも私はこの問題について問いたいと思いますので、委員長におかれましては御配慮をお願いいたします。

・府立大学の授業料等無償化制度について

◆(内海公仁君) 次に、大学の学費の助成制度についてお聞きします。
 今般の学費の助成制度によって、府立大学の学費の補助の対象から外れる人がどれだけいるのかというのが問題だと思っております。新入生、約千四百人というふうに想定されていると思いますけれども、所得オーバーでどれだけの人がどれぐらいの比率で外れるのか、教えてください。

◎府民文化総務課参事(矢野恭司君) 府大、市大の無償化制度についてお答えいたします。
 今回の制度におきましては、世帯年収では約九百十万円未満が支援の対象、それ以上の世帯は対象外となります。
 本制度同様に、年収九百十万円未満を対象としている国の高等学校等就学支援金制度が全世帯のうち約八割をカバーしているとのことから、所得による対象は八割を見込んでおります。
 入学者を昨年同様、千四百人程度と仮定した場合、そのうち所得基準により対象外となる学生は、二〇%の約二百八十人になると見込んでおります。

◆(内海公仁君) その所得要件を満たしながら、府外在住の要件によってどれぐらい外れるのか、教えてください。

◎府民文化総務課参事(矢野恭司君) 過去三年の府大の新入学生のうち、府内の高校出身者の平均割合は約四五%でありました。今回の予算上の積算におきましては、この数値に府内在住者が一定増えると想定いたしまして一五%を上乗せし、府内在住者を約六〇%と見込んでおり、残り四〇%が府外在住者となります。
 所得要件などの要件を満たした府内、府外合わせた母数に四〇%を乗じた約三百五十人が支援の対象外になると見込んでおります。

◆(内海公仁君) これ以外に成績要件に関わる判定もあると聞いておりますけれども、成績要件は入学当初の段階では直接関わりなく、二年生、三年生になった段階で影響が出てくるということですので、今回ちょっと時間の関係がありますので、その説明は置いときます。
 いわゆる成績要件は別として、結局、千四百人の新入生のうち、所得要件で二〇%、二百八十名が対象外、そして多子世帯に該当しない部分が三%程度、四十四人、それから居住要件で二二%、三百六名が外れてしまいます。これを全部合わせると四五%ほど、六百三十一人ほどが対象外になるんですね。
 私は、本来、大学の学費というのは、学費そのものを下げていくということが大事だと思っております。しかし、今回の事態というのは、こういう漏れた人の対応をどうするのかということが問われていくと思っております。この問題については、世界に開かれた大学ということを標榜するのであれば、どこから来ても受け入れられるということをぜひできるような対応をしていってほしい。これは、後ほどまた知事にもその観点をお聞きしたいなと思っておりますので、よろしくお願いしておきます。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。



   


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