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議事録

教育常任委員会(2019年11月19日) 内海公仁府議の決算知事質問


・有形文化財保存修理費等補助金について

◆(内海公仁君) おはようございます。日本共産党の内海公仁です。
 早速ですが、平成三十年度決算に関して知事質問をさせていただきます。
 決算審査の中で、有形文化財保存修理費等補助金について詳細な説明を聞きました。この年の文化財保存修理費等補助金の執行額は千五百二十七万九千円でありましたが、実は当初予算では、ここ数年間ほぼ五百万円前後であったものであります。ところが、平成三十年度は、六月十八日に発生した大阪北部を中心とする地震によって被害を受けた文化財の修繕補修の必要が生じて、補正予算を組んで執行した結果の金額となりました。
 府指定の文化財は、建造物や絵画、彫刻、工芸品、考古資料、史跡など、府下各地に、合わせて五百点近く存在しております。保存修理の必要な要望も多数あると聞いております。委員会の答弁の中では、限られた予算の範囲の中で対象事業や配分を決めて補助金を交付しているとの答弁がありました。私は、予算規模そのものが事業の目的に照らして不十分ではないかと思っております。
 府指定の文化財の現状に見合った補助事業になっていたのかどうか、知事の見解を伺います。

◎知事(吉村洋文君) 府指定文化財の保存修理等の補助につきましては、厳しい財政状況の中において、府教育庁にて、所有者等からの要望というものを踏まえまして、現地確認を行うなど、緊急度、それから専門的な見地から必要性を精査するとともに、市町村の意見も考慮しながら、優先順位づけを行い補助金を交付しているところです。

◆(内海公仁君) 文化財保護課の説明資料によりますと、昨年の大阪北部地震による文化財被害が十九件に及んでおります。ところが、平成三十年度補正対応によって補助対象となって補修されたものは六件でありました。少なくともこれら震災の影響による被害については、早急な対応が求められるのではないでしょうか。知事の答弁では、これら被害物件への対応も通常予算範囲の中でいたし方ないということになるのではないかと思います。歴史や文化を正しく理解し、後世に伝える貴重な文化財に対する府の姿勢にかかわる問題として、また災害復旧の対応がおくれることによって、文化財の特別な資産価値を損ねる問題としても、本事業のあり方が問われております。
 災害復旧への対応、この問題について、改めて知事としてどうお考えか、認識をお尋ねいたします。

◎知事(吉村洋文君) 当初、府の予算としては約五百万円の予算でしたが、平成三十年度については、大阪北部地震もありまして、これは三倍の千五百万円の決算執行をしているという状況でもあります。こういった地震等が起きれば特別な対応をしていく、現に実際しているわけでもありますけども、そういった地震、自然災害があれば当然やっていきますが、ただ基本的には、やはりその緊急性であったり専門的な見地、そういったことも踏まえて優先順位づけをしながら補助金を執行していくというのが適切だろうというふうに思っています。

◆(内海公仁君) 少なくとも災害復旧という問題については、残された部分を含めて早急に対応すべきだということを申し上げて、次の質問に移らせていただきます。

・医療的ケアの必要な児童生徒に対する看護師配置の支援について

◆(内海公仁君) 医療的ケアの必要な児童生徒に対する看護師配置の支援についてであります。
 病気や障がいを抱えながらも、小学校、中学校でともに学ぶことを希望する児童生徒がふえている中で、安全な学校生活を過ごすために看護師の配置に対する支援を行っている、これは大変重要な事業だと思います。この補助事業を開始した平成十八年から既に十二年以上が経過する中で、看護師配置をする自治体や学校も増加し、また一つの学校で複数の児童生徒が必要となって、複数の看護師配置をする学校もふえております。
 ところが、先日の支援教育課長の答弁によりますと、平成二十九年度から国による看護師配置への補助制度が始まったことをきっかけに、府のこれまでの補助率を下げてきた、そしてその結果、平成二十九年よりも平成三十年度の事業費が減少しているということが明らかになりました。
 説明では、着任してくださった看護師の定着を図るための講習とか実践報告会を開催したり、ケアの必要な児童生徒の受け入れのための施設改善整備等の補助を行うなどの取り組みもなされているということではありますけれども、問題は、それぞれの自治体によって看護師配置のための処遇が貧弱であったり、あるいは基準もまちまちであったりというために、必要な看護師の確保が困難だという問題があります。さらに、府の補助ルールは学校単位の補助となっているために、複数配置が必要な場合、自治体の負担がふえるという課題もあります。絶対数がふえていく中で、府の支援が事実上後退してしまったら、自治体負担が重くなり、結局医療的ケアを必要とする子どもたちに不安を与えることになってしまいます。
 こうした実情に対して、知事は、この事業の現状をどのように考えておられますでしょうか、答弁をお願いします。

◎知事(吉村洋文君) 看護師費用の補助につきましては、かつて国では行っていませんでしたが、平成二十九年度から国がこの補助制度というのを創設をいたしました。現実には市町村が行っていくわけですけども、市町村においても、この国の補助制度を活用しながら、学校看護師については適正に配置しつつあるというふうに認識をしています。
 府としても、その制度を先んじてやっていましたが、昨年度からは、そういった国の補助制度があることも踏まえて、看護師の確保であったり、あるいはその定着の支援、それから医療的ケア児受け入れのための学校の施設の整備の補助といった、国の制度があることを前提とした新たな事業の展開を始めたところでもありまして、医療的ケアの実施体制に関する市町村の支援については、積極的に実施していると認識をしています。

◆(内海公仁君) 実際に市町村の持ち出しというのが、件数がふえればふえるほど増大していくということは間違いありません。制度があっても、看護師が確保されなければ事業の目的は達成できることにはなりません。看護師確保の鍵は、看護師という専門職種に見合う待遇をきちんと保障することが必要だと思います。低い報酬では看護師は確保できません。こういう立場に立って、この事業をさらに充実されることを求めて、次の質問をさせていただきます。

・教員のメンタルヘルス対策について

◆(内海公仁君) 教員のメンタルヘルスの対策についてであります。
 平成三十年度の大阪府公立学校教員の病気休職者の現状に関してその実態を見ると、休職者の七割が精神疾患による休職であるということが明らかになりました。精神疾患で一旦休職をすると、ほかの内科とか外科的な病気とは違って、早く職場復帰するということが非常に困難な場合が多いわけであります。早くよくなって元気にまた働きましょう、こういう言葉かけさえも病気を重くさせてしまうことになりかねないということなど、慎重に回復を待たなければならないものであります。
 委員会の答弁の中では、メンタルヘルスを患った場合の相談制度とか職場復帰のための支援事業などが行われていること、さらには管理職研修の機会とか養護教諭などを対象とした研修の機会が設定されていることは紹介されましたが、一般の教員向けには、採用時や昇任時など限られた機会にしか研修がされていないということがあります。
 まず、知事、前提の問題として、学校の職場環境そのものが大変な精神的プレッシャーの連続であるということ、児童生徒との関係、保護者との関係、そして職場内の同僚や先輩との関係、さらには管理職との関係など、ストレスオーバーの状況にあるということ、この問題については知事も理解していただけると思いますが、こういった職場環境の実態を知事はどう認識されておられますか。

◎知事(吉村洋文君) 学校においては、教員は直接児童生徒と接するわけでありますし、児童生徒のことも含めて考えても、そしてまた教員自身のことを考えても、教員のメンタルヘルスというのは非常に重要だと思っています。
 人間関係というのはどの職場でもありますが、学校は比較的閉鎖的な環境であるというふうにも認識もしていますし、それから先ほど申し上げた子どもたちとの関係、それから教員同士の関係、保護者とのやりとり、さまざまなストレスが生じやすい職場でもあるというふうに思っています。ですので、学校現場において教員のメンタルヘルスというのは重要な課題だというふうに思っていますし、教育庁においては、今後ともしっかりこのメンタルヘルス対策には取り組んでもらいたいと思っています。

◆(内海公仁君) 実際新規に採用された先生は、四月の初めの段階から、全く未経験の業務でありながら、いきなり一〇〇%の教員としてのスキルが求められているという状況の中で、現場の教員は本当に頑張っております。特に二十代の教員の病休者の実に八二%が精神疾患であるという状況は大変深刻だと思います。有能で希望を持って働く若手教員の個人個人の人生にかかわる大変つらい事態だと思います。
 また、言い方は余りよくありませんけれども、あえて言えば、府の財政的な負担にもなっております。二重負担の部分です。粗い試算で見ても、十億円近い年間の負担になるものだと思います。
 私は、特に若い教員の通常の研修のカリキュラムの中に、良好なメンタルレベルを維持するための仕事との向き合い方、人間関係のあり方などを学ぶことを盛り込むことが必要であると提案しました。知事は、こうした取り組みの必要性についてはどう考えておられますか。

◎知事(吉村洋文君) メンタルヘルスケアの研修であったり、そういったものは非常に重要だとは思っています。それから、相談の窓口がきちんとあることが重要だと思っていまして、現在そういったメンタルヘルスの総合センターの相談事業というのも実施しています。これは教員が相談できる窓口を全て無料で実施をしていますが、教員の皆さんに、そういうのがあるんだという周知なんかも非常に重要じゃないのかなというふうに思っています。
 どういった研修をするか、学校現場でどうやってやるかということについては、教員の日常業務自体も非常に激務の中で、教育庁があれやれこれやれと言うと、また仕事もふえてくるという面もあると思いますので、教員のメンタルヘルスというものを重視しながら、何が必要かというのは、教育庁において、教育の現場というのもしっかり踏まえた上で考えてもらいたいと思います。

◆(内海公仁君) 健康なときにこの課題についてしっかり認識を深めるということが大事だと思います。先生が心も体も健康であってこそ、子どもとしっかり向き合うことができます。それが多忙化とか教員同士の人間関係のあつれき、あるいは管理統制される職場環境などによって阻害されてしまっては、結局その影響を一番先に受けるのは児童生徒であると思います。子どもたちに最善の環境を提供するということが教育行政の基本であるという本質を大切にした施策の充実を求めて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。



   


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