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議事録


総務常任委員会(2019年3月13日) 宮原たけし府議の質問

・新年度の予算編成と広域的役割について

◆(宮原威君) 日本共産党の宮原でございます。
 まず最初に、新年度予算案について、どういう認識で編成をされたのかということについて三点ほどお伺いをしたいと思います。
 一つは、景気は緩やかに回復しているというふうに知事はよくおっしゃるんですけど、そういう前提で予算編成には当たられたんですか。

◎知事(松井一郎君) 予算編成に当たりまして、この大阪の経済指標というのに関心を持って予算編成に当たるのは、当然かなと思っています。

◆(宮原威君) じゃ、緩やかに回復しているというふうに、そういう認識ですか、今でも。

◎知事(松井一郎君) これは、日銀短観等々で緩やかに回復しているという数字が出ておりますから、そういう認識を持っております。

◆(宮原威君) 実際は、例えば可処分所得でも、府内総生産でも、あるいは製造業の出荷額でも、実際にはかなり大阪は全国において落ち込みがきついんですけど、そういうもとでもそういう認識は変わらないでしょうか。

◎知事(松井一郎君) 全国と比べて厳しい数字の部分もありますが、この大阪においてリーマンショック以降、二〇〇九年あたりから現在の二〇一九年を見たときに、マクロ経済のさまざまな指標を見ても、緩やかに回復してきたんではないかなと、こう思っています。

◆(宮原威君) その点は、実際には、国でさえ最近の景気動向というのは黄色の信号がともっているというふうに言われている中で、しかも中国経済やヨーロッパの経済などが、減速傾向にある中で、今こそ内需主導の経済に立ち返るといいますか、そこに重点を置いた予算編成をするべきだということは、申し上げておきたいと思います。
 二番目の質問です。
 大阪は、例えば子どもの医療でも全国から見たらうんとおくれている。ほかは、大体中卒までやっていますが、大阪は小学校に上がるまで。それから、三十五人以下学級も小学校一、二年で終わっているところは、ほとんどございません。ほとんどやっています。
 それから、小売商業は、これ私、一般質問でも知事にお示しをしましたし、大阪府が何と橋下知事就任以降、二十五分の一に小売商業の予算がなっていて、主要な十二府県では最低の額ですよね。これは、図表でもお示しをいたしました。
 それから、高齢者の問題でも、国民健康保険の所得に対する負担は高い、あるいは介護保険の問題などでは、知事が盟友と言われている大阪市長のもとで全国最高額、最悪の状態になっている。
 そういう大阪の子育て支援とか高齢者の支援だとかそういうものが、全国から見ておくれているという認識で予算編成は組まれましたか。

◎知事(松井一郎君) 今、宮原委員のほうから、子どもの医療費助成等々で全国からおくれているという御指摘いただきましたが、子どもの医療費助成も、これは僕が知事になる以前は二歳までだったんですよね。それを小学校へ入るまでという形で、これは拡充してきたのは事実です。そこは、ぜひ認めていただきたいと思いますし、厳しい予算編成の中で選択と集中しながら、将来世代にツケを回さないということを念頭に予算編成をしてまいりました。

◆(宮原威君) 子どもの医療費だとか少人数学級は、他府県がこの間にどんどん進んできたんです。松井知事の場合は、六歳まで確かに引き上げはしましたが、実際に収入の限度額をしいて所得制限をされましたので、高槻だとか吹田だとかいうところでは、ほんのちょっとしか役に立たなかったというようなこともございます。
 そういう点は、指摘をしておきたいと思うんですが、それ以外の子育て支援とか高齢者の施策がおくれていると、そういう認識はあるんですか。もう一回。

◎知事(松井一郎君) 限られた財源の中で選択と集中しながら、僕としては精いっぱいの予算編成をしていると、こう思っております。

◆(宮原威君) 答えになってないんですよね。選択と集中というのは、いつもおっしゃることなんですけど、実際に高齢者の施策とか子育て支援で幾つか私は指標を挙げました。そういう指標を挙げてもそういう答弁をされるということで、本当に残念に思います。
 それから、三番目に、災害対策なんですけど、南海トラフの地震というのは、ちょうどもう百六十年ぐらい来てないですから、大体百四、五十年置きに大きな地震が来ているので、本当に私は心配してるんですけど、この前、耳を疑いましたのは、三大水門の改修に六百億かかると。それを二十年でやるんだという計画でしたよね。それから、河川改修は、一般質問のときにも、予算をふやしたので四十年が、三十年になって一歩前進だとおっしゃいました。
 しかし、これだけの異常豪雨があったり、それから南海トラフの地震などが本当に目の前に迫っているときに、二十年とか三十年とかいうようなレベルで防災対策を進めたら困ると思うんですけど、そういう認識の上で今回の予算組まれているんですか。

◎知事(松井一郎君) 委員から、今ハード対策に対しての工程ですね、時間軸のお話がありました。
 それは、少しでも早くという気持ちはありますが、河川改修で四十年かかっていたものが十年前倒しは、これはやはり委員から見ても少し頑張って縮めたねと、僕は言っていただきたいと思いますけどね。
 それから、南海トラフ巨大地震対策として、防潮堤の基礎強化と、それから液状化にならない地盤改良については、一番危ないエリアについては、もうことしいっぱいで終了することができます。これも、やはりこういうハード整備というのは工期というものが必要になるわけですから、これは南海トラフ対策の防潮堤の基礎強化、地盤改良については、十年という予定の中で着実に進めております。
 それは、委員から見てまだまだ遅いじゃないかと言われるかもしれませんが、我々としたら、組織としてこの災害対策に対して、今できる範囲スピーディーな形で対応をしているつもりです。

◆(宮原威君) 三大水門というのは、何十万人の命と財産にかかわるわけじゃないですか。今度の高潮でもたくさんの命を救いましたよね。
 しかし、あれが南海トラフが来たら液状化してだめになるということがもう言われてる中で、二十年だからいいんだというのは、それはもうとてもじゃないけどうなずくわけにいかないし、それから河川の問題も、確かにそれは四十年から三十年になれば、僕だってそれはそれで一定の前進だと思いますけど、ただ今の異常気象というのは、そんな状況じゃありませんから、そういう意味では、そういうことにこそきちんと予算を使うべきだということで私は申し上げているということも、申し上げておきたいと思います。
 例えば、私いろんな計算をしてみたんですけど、子どもの医療を小学校に上がるまで無料にするとすると、市町村と半分こして約八億円。それから、小中学校の三十五人以下学級をやろうと思うと八十億円かかるんですが、市町村と仮に半分すれば四十億円。それから、障がい者の医療が、薬局なんかでもお金を取られるようになりました。これ、四億円あったらこういうことをしなくて済みます。
 それから、国保などは、一本化を押しつけないだけで少なくとも五年連続の値上げには大きくストップがかかりますし、同時に、全国知事会が言っているように一兆円の公費の負担をここに入れるというようなこともぜひ国に求めていただきたいと思います。
 それから、介護予防の問題では、大阪市と高槻市の例を調べてびっくりしたんですけど、二〇一一年から二〇一九年の介護保険料を比較しますと、大体伸び率は三倍近い伸びなんです、大阪市は。伸び率ですよ。片っ方千二百円ちょっと、片っ方は三千数百円上がってる。結局やっぱり敬老パスを廃止したり赤バスを廃止したり、そういう高齢者の足を奪ったということが、移動する権利を奪ったということが、大きなあれになってるので。
 それから、がんの検診の無料化などもやっぱりやるべきだと思います。
 それから、河川や三大水門で言えば、例えば十年以内にやるとしたら三大水門は六十億じゃないですか、簡単に言えば。それから、河川改修なんかで言っても、大阪府が三十億ぐらい余計に出して国にも要望すれば、十年か十五年で改修ができるようになります。そういう、あるいは小売商業でいえば、わずか二億円足すだけで京都とか兵庫の水準に追いつけるんです。東京みたいに四十億とは言いませんけど。
 そういうことをぜひ予算の組み替えなどについて考えていただきたいと。今の大阪府民の置かれている状況だとか安全のことだとかいろいろ考えた場合に、子育て支援、高齢者の支援、そして災害の対策というようなことについて、やっぱりきちんとお金をつけるべきだということを申し上げたいと思うんですが、どうでしょうか。

◎知事(松井一郎君) 宮原委員から、いろいろと大阪府が取り組む施策について御示唆いただきましたが、現在、我々が提出している予算を見直すつもりはありません。

◆(宮原威君) それは、お金がないということですか。

◎知事(松井一郎君) まだまだ、大阪府は、厳しい財政状況のもとで将来世代の負担をふやさないと、そういう考えも持ちながら選択と集中をして、今年度、我々とすれば最適という予算を提案させていただいておりますんで、現状において予算の組み替え、増額等々をするつもりはございません。

◆(宮原威君) 財政調整基金も目標の千四百億を超して千四百八十三億ありますよね。それから、減債基金も、何も積み立てをやめろと言ってるんじゃなくて、二百六十九億、今年度は積んでいると思いますが、こういうものを例えば百三十億積んだからといって、誰も困らないんです。将来世代は誰も困りません。
 そういうことも含めて、そういうことはわかっているのに、将来世代にそのツケを回さないという、ある意味、橋下さんの最初のころだったらそれは通用したと思うんですよ。今となっては、もう詭弁ですよ、それは。そう思いませんか。

◎知事(松井一郎君) 減債基金の積立不足は、やはり禁じ手の財政運営であります。それから、やっぱり減債基金というのは、できるだけ早期に基金総額を積み上げるべきと、そういう考えを持っておりますし。
 今の段階において、委員が言われるさまざまな取り組み--防災・減災のインフラをさらに拡充すべきという御意見はわかりますが、これはお金を積んだだけでできるもんでもありません。やはり工程表というか、そういう仕事するには、それなりの時間をかけてやっていかなければならない部分もありますんで、ここはバランスですね。現在と将来、どのような府民負担になるのかというバランスをとりながら、施策と財源をバランスをとりながら組み上げた予算編成ということですんで、これを見直すという考えはありません。

◆(宮原威君) 子育ての問題だとか高齢者の支援だとかいうのは、必ずそれは、いい経済循環になって地域経済の活性化に役に立つし、税収の増加にも役に立ちます。そういうことは、申し上げておきたいと思います。金はあるんです。使わないだけなんです。
 それから、もう一つ、例えば河川改修は、千五百億円近くで三兆円の経済効果があるんですよ。二十倍の経済効果あるんです。しかも、その上にたくさんの人の命を救えるんです。

○委員長(西川のりふみ君) 宮原委員に申し上げます。
 もう時間が終わりました。

◆(宮原威君) そういうことについて、どうかということを申し上げているんです。
 これ、最後の質問にします。

◎知事(松井一郎君) 宮原委員のおっしゃることもわかります。だから、今成長のインフラのところの投資も始まりました。だから、その部分について投資に見合う経済効果はこれから出てまいります。これ、宮原委員は反対ですけども、なにわ筋線、淀川左岸線、モノレールの延伸等々、成長のためのインフラの部分に投資をして経済効果を生み出そうとしておりますが、河川改修については、四十年で予定していたところを今三十年までスピードアップを、期間を短縮いたしましたんで、そこは何とか御理解いただきたいと、こう思っています。

◆(宮原威君) 意見だけ。

○委員長(西川のりふみ君) まとめてお願いします。

◆(宮原威君) 子育てに苦しむいろんな府民や、あるいは高齢者の生活が大変だったり、あるいは本当に災害を心配されている皆さんがたくさんいらっしゃる中で、きょうのような答弁は残念だったということだけ申し上げて、次に行きたいと思います。



   


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