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議事録


教育常任委員会(2019年3月13日) 石川たえ府議の質問

・中学校給食の推進について

◆(石川たえ君) 日本共産党の石川たえです。
 中学校給食についてお聞きをいたします。
 先日の委員会で、中学校給食の喫食率が約六〇%である、こう聞きました。実施率は約九三%です。実施率と喫食率との間に三〇ポイントもの差があります。実施率は高くとも、四割の子どもが給食を食べていません。知事は、この事実を知っておられましたか。

◎知事(松井一郎君) 府内における中学校給食の実施率は九三・九%でありますが、十一市は選択制で給食を実施しており、給食を喫食している生徒は約六〇・五%であると報告を受けています。

◆(石川たえ君) 給食を食べていない四割の子どもの中に、貧困であるがゆえに食べることができない、こういう子どもがいます。このことを知事は認識しておられますか。

◎知事(松井一郎君) 給食を喫食していない生徒は、弁当を持参したり、コンビニでパンなどを買っていると聞いております。この中に貧困世帯の子どもがどれぐらいいらっしゃるかわかりませんが、家庭のさまざまな事情で十分な昼食をとることができない生徒がいるということは承知しています。

◆(石川たえ君) 十分な給食、食事をとることができない子どもがいてるということは御認識されているということなんですけど、私は、二〇一六年の九月議会、また二〇一八年二月議会の一般質問の中でもこの問題を取り上げさせていただきました。今、お弁当を持ってきている子もコンビニの子もいてるというお話でしたけど、弁当を持ってきている子も当然いてます。そして、コンビニで買ってきている子もその四割の中にはいます。でも、弁当も持てずにコンビニ行くこともできずに、そして給食も頼めずに、学校の水を飲んで過ごしている中学生が実際いてるのも事実だということもこの間申し上げてきました。そのたびに知事から返ってきた答弁は、市町村の主体的な判断のもとで最もふさわしい方法で実施していると認識している、こういう御答弁でした。
 実施率と喫食率の間にこれだけの差があることを御存じだったと。その中に、どれだけの数がいてるかどうかは別として、貧困の子どもがいてるということも御存じだった。にもかかわらず、最もふさわしい方法で実施されているというふうに御認識されていたということなんでしょうかね。子どもが食べることができないと知っていても何の対策も打ってこられなかったということではないかと私は思います。
 喫食率が上がっていないこの状況を知事としてどのように見ておられますか。

◎知事(松井一郎君) 大阪府は、平成二十三年度から平成二十七年度までの五年間に中学校給食導入の促進事業を実施をいたしまして、中学校給食の実施率は、平成二十二年度末の全国最低の一二・三%から、現在、全国平均を上回る九三・九%となりました。
 選択制で実施をし喫食率が低い市町村に対しては、他市町村での好事例を示すなど、喫食率の向上に向けて指導助言をしております。

◆(石川たえ君) 選択制の学校の喫食率は非常に低いんです。私が住んでいます吹田市が、選択制の中では喫食率は非常に高いほうだと思っていますけど、それでも喫食率は一三%なんです。余りにも低いなというのが私の実感でもあります。
 指導や助言をされているということは先日の委員会でもお話はお聞きしたんですけど、栄養教諭の加配をしていただいている、これは非常に大事なことだなと思っています。学校間で実践の報告会もやっておられる、子どもたちに食の大切さも骨密度のこととかも含めて授業できちんとやっておられる。こうやっていろんな取り組みをしていただいているのは十分わかっているんですけど、それでも私の住んでいる吹田市の喫食率一三%は、一貫して一三%なんです。こうやって努力をしていただいているのにちっとも上がっていかないんです。それは何でなんかなというのをしっかり考えていかないといけないんじゃないかなというふうに思っているんです。
 実践報告会や食の大切さを子どもに伝えることは非常に大事なことですけど、御飯を食べることは非常に大事だよと伝えられて、貧困でお金がなくて御飯を食べられへん子は、食の大事さがわかっても食べることができないんです。おうちからお金をもらえないし、給食も頼んでもらえないし、とてもコンビニにも行けないという子がいてるわけですよ。なので、幾ら食の大切さを伝えても、貧困で食べられへん子に、義務教育の中でせめて一回ぐらい食事を提供していくのが大事じゃないかなと思います。小学校では給食を食べたら、朝と晩は食べてなくても、とりあえずお昼間に栄養価の高い必要量をきちんと食べれるんですよ。ところが、中学校になって体も大きくなったのに、選択制やから頼まれへんからというて、水を飲んで過ごしている子が実際いてるんですよ。私もお話を聞いてきました。
 こういう子たちを本当にすくい上げていくためにも、大阪府は、子どもの貧困計画の中で中学校給食をちゃんと掲げているわけですから、実施率九三%は全国的にも非常に高い、これは私もよくわかります。でも、食べてる子は六〇%で、その中に食べられない子がいてる、この事実をしっかり受けとめていただいて、支援のためにも一〇〇%にすることが大事だというふうに思いますが、知事のお考えはいかがでしょうか。

◎知事(松井一郎君) 中学校給食について、全員喫食が望ましいと考えておりますが、全員喫食とするのか選択制とするのかなどの実施方法については、やはり給食を実施している市町村の判断によるものと認識してます。
 委員が言われるように、委員の考え方は賛成ですけど、どの自治体がその役割分担をするかということも必要な考え方だと思うんです。今我々は、各市町村で中学校給食が実施できる環境は整えてまいりました。それから、食の大切さも子どもたちに伝えております。あとは、委員の言われるように、昼御飯を食べれてない子どもたちをいかに食べれるような状況に持っていくかというのは、やはり市町村の役割として積極的に取り組まれるべきだと思います。

◆(石川たえ君) 市町村の役割を私は否定するつもりは全然ありませんし、知事がおっしゃるとおり、市町村はもっと頑張ったらいいのになという思いも私自身も持ってはいます。ただ、初期投資で中学校給食導入促進事業を大阪府が五年間やっていた。この間に選択制にしたけど、やっぱり貧困対策も含めて全員喫食に切りかえたいなというふうにお考えの市町村もあるんです。今選択やけど全員にしようかなというふうに考えておられるところもあるんです。ただ、そうなると、今度はやっぱり初期投資とか設備とかそういうところにお金がかかってしまうから二の足を踏んでしまうという声も実際あるわけです。
 なので、貧困で食べられない子どもを大阪府として残しておかないために、市町村が全員給食に切りかえるんだったら、そのための初期投資の費用を例えば一部だけでも大阪府が負担してあげるとかして、みんなが食べられる全員給食を府としてイニシアチブをとって進めていくべきだと思うんですけど、いかがでしょうか。

◎知事(松井一郎君) 繰り返しの答弁になってしまいますけども、我々としたら、全員喫食が望ましいとは思います。ただ、全員喫食にするのか選択制にするのは、これはやっぱり市町村の判断というものを尊重しなければならないと、こう思ってます。
 それと、中学校給食が実施できるようにするための施設設備の補助につきましては、これは当時、橋下知事時代でしたけども、ある一定期間を区切って事業をするので市町村に手を挙げてもらいたい、こういうことでお話ししました。そのときに取り組んでいただけたところ、これは年月を区切って仕事をやりましたので、事業の公平性という観点から言いますと、その年度が過ぎた後も同じように補助をするということには、相当な議論を積み上げないとなかなかスタートできない、着手できない、こう思ってます。

◆(石川たえ君) おっしゃる意味は私もよくわかるんです。最初にやったところは一生懸命検討されてやられていて、選択制をとってみたけどやっぱりというところにまた改めてお金を出すというのは十分な議論が必要だということは重々理解するんですけど、子どもにとってどうなのかという視点で見たときに、全員給食の市町村の子は、貧困で食べられへん子も給食が食べれるんですよ。でも、選択制をとっているところの子どもは、選択制であるがために、貧困だったら食べられないんですよ。大阪の子どもの中に市町村の意思によって違いが出ちゃうんですよ。ここをやっぱり埋めてやらなあかんというふうに私は思うんです。
 なので、市町村任せにしてしまわないで、大阪府として、食べられてへん子をどうするのかということも含めて市町村とよく議論もしていただいて、市町村に頑張って全員給食してよという助言もしていただきたいなというふうに思いますので、またこれはどうぞよろしくお願いいたします。

・口腔崩壊について

 次の質問に移ります。次に、口腔崩壊の問題です。
 学校歯科検診後の受診調査を大阪府としてするべきではないかというふうに先日の委員会でも、また一般質問でも求めさせていただきました。このときに委員会では、児童生徒の歯と口の健康づくりは各学校で適切に取り組まれている、こういう答弁をいただきました。しかし、未受診率はやはり一向に減っていません。大阪府歯科保険医協会の学校歯科検診治療調査では、小学校で四八・七%、中学校で七一・八%が学校歯科健診後未受診になっている、これが現状です。これでも歯と口の健康づくりは適切に取り組まれている、こういう御認識でしょうか。

◎知事(松井一郎君) 子どもの歯と口の健康づくりや歯科検診に係る指導につきましては、学校歯科医の助言も受けながら、各学校及び市町村教育委員会の責任において取り組まれるべきものと認識をいたしております。

◆(石川たえ君) 未受診の子どもの中に、虫歯が十本以上あるなどの口腔崩壊を起こしている子どもがいます。ひどい子どもさんになると、小学校入学時に乳歯のほとんどが虫歯になっている、物をかむことがでけへんというお子さんも入学されてくるというお話も聞いています。
 こういう口腔崩壊状態と見られる児童生徒に出会ったことがあるか、こういう先ほどの歯科保険医協会の調査の問いに対して、四八・九%の小学校、三三・三%の中学校で口腔崩壊状態と見られる児童生徒がいた、こういう返答が返ってきています。
 口腔崩壊はネグレクトに起因するところが大きいなと。ネグレクトというのは児童虐待ですよね。そこに起因することが多いんじゃないかと思います。歯科検診後の把握を大阪府として行わないということは、児童虐待を疑われるようなケースをそのまま放置しているんじゃないかというふうに思いますが、知事の見解はいかがですか。

◎知事(松井一郎君) 各学校において虐待が疑われる子どもを発見した場合は、速やかに児童相談所などに通告するなど適切に対応いたしております。
 家庭環境などにより医療が必要であるのに受けられないといった健康課題を抱える子どもたちの支援を充実させるため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門家や福祉機関などと連携した取り組みを進めるように、関係部局を通じ市町村に対して今後とも働きかけを行ってまいります。

◆(石川たえ君) スクールソーシャルワーカーの数もふやしていただいていますし、ケース会議を綿密にするようにいろんなシステムをつくっていただいているというのもよくわかっているんですけど、未受診の子がこんなにたくさんいてたら--確実に口腔崩壊とわかる子は、すぐケースとして児童虐待だということも疑ってソーシャルワーカーさんにつないだり福祉につないだりという取り組みは行われるんですよね。でも、確実に口腔崩壊だとわからない口腔崩壊予備軍というのもいてるんです。十本以上ないとか全部が虫歯やったら、この子は危険とわかりますけど、C3が四本とかの子やったら、まだ大丈夫かなといって、すぐケース会議にかけられないような子もいてるんですよね。そういう子たちが、受診してくださいねという紙を学校からもらって家に帰ってまいります。虫歯治療は結構長いこと時間がかかるんですよね。口腔崩壊予備軍の子どもたちは、もし児童虐待を疑うようなケースであったら、親御さんも実は口腔崩壊を起こしているということは事例としてはたくさんあります。だから、紙をもらって家に帰ってきても、親御さんが歯医者に連れていってくれなかったら、もしくは医療券を発行していただいていますけど、医療券を使って歯医者に行こうという話をしてくれなかったら、この子の歯はどんどんぼろぼろになっていくんです。こういう子が未受診の子の中にやっぱりいてるんです。直ちに口腔崩壊とわかる子はすぐに手だては打たれる。でも、予備軍の子はまだまだ放置されて、それが本当にネグレクトで児童虐待につながっていってしまうケースもいっぱいあるわけですよ。
 だから、未受診の子が残らないように、学校歯科検診をせっかくやっていただいているんですから、このときにちゃんと未受診の子は受診してねと言って指導が入るように、大阪府として調査をきちんとやっていくことが大事じゃないかなというふうに思います。未受診調査を府としてやっていただくことはできますでしょうか。

◎知事(松井一郎君) 虫歯治療の放置については、子どもの貧困や虐待のサインとなることもあり、このようなサインを見逃してはならないと考えております。
 未受診の状況調査や、その調査により判明した支援が必要な子どもに対する取り組みについては、各学校及び各市町村において適切に取り組まれるべきと考えております。

○委員長(藤村昌隆君) 石川委員に申し上げます。申し合わせの時間が経過いたしましたので簡潔にお願いします。

◆(石川たえ君) 済みません、時間延長して。
 子どもの貧困対策が必要であるというのは、知事も私も同じ思いだと思いますので、引き続き取り組みの強化をお願いしておきたいと思います。ありがとうございました。



   


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