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議事録


教育常任委員会(2018年10月12日) 石川たえ府議の質問

・熱中症対策について

◆(石川たえ君) 日本共産党の石川たえです。
 初めに、北部地震、台風第二十一号など、この間の災害でお亡くなりになられた皆さん、また被災された皆さんに心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。天災が人災にならないように、防災に強い大阪府をつくる、同時に、未来に生きる子どもたちが希望を持てる大阪にしていくことを目指し、質問を行いたいと思います。
 まず初めに、熱中症の対策についてお聞きをいたします。
 災害並みの酷暑と言われたことしの夏、テレビでも、エアコンをつけてください、こういう呼びかけが繰り返し行われていました。残念ながら、熱中症で児童が亡くなる、こういう報道も行われていました。
 そこでお聞きをいたします。ことしの夏、大阪府内小中学校と府立学校に通う児童生徒で熱中症にかかった数、そして場所を教えてください。

◎保健体育課長(田中実君) 今年度、府立学校におきまして、熱中症もしくは熱中症の疑いのあった児童生徒を、保健室等で休養させたり病院に搬送した件数は、現時点までで延べ二千七百五件でございました。
 発症した場所別で見ますと、グラウンドが千百六十三件、体育館が四百十七件、教室が三百十八件、不明を含めその他が八百七件でございました。救急車により病院へ搬送されましたのは七十八件でございました。
 なお、府内の小中学校の状況につきましては、現在調査中でございます。

◆(石川たえ君) すぐに調査をしていただいて、ありがとうございました。小中学校についても早急に調査をよろしくお願いいたします。
 昨年に比べると、いただいた資料を拝見していても、少年枠の熱中症もことしは随分多かったというふうに感じています。学校現場でも熱中症対策の呼びかけがされたと思いますが、府立学校で重視した指導と取り組みの中身について、教えてください。

◎保健体育課長(田中実君) 府教育庁では、熱中症対策といたしまして、毎年、府内公立学校及び私立学校に対し、環境省が作成した熱中症環境保健マニュアル、これを配付するとともに、体育の授業やスポーツ活動の前後や活動中には、こまめな水分、塩分の補給や休憩をとるなど、環境条件に配慮した活動内容の工夫について周知を行っております。
 とりわけこの夏の暑さは非常に厳しかったことから、熱中症の目安となる暑さ指数に特に留意することや、この指数が三十一度以上の場合は、原則運動を中止することを定めた日本スポーツ協会作成の熱中症予防運動指針等を踏まえまして、熱中症事故の防止に万全を期すよう改めて指示をいたしました。
 また、各学校におきましては、職員会議等で教職員に対し、養護教諭等が作成した熱中症に関する資料を配付し、予防の方法や症状が出た場合の対応方法を周知しております。府立学校の中には、体育の授業中に必要に応じて給水タイムを設けているところもございます。児童生徒に対しましては、ホームルームや集会時等におきましてその都度注意喚起いたしますとともに、保健だより等を通じまして、予防方法や体調不良時の対応を指導しているところでございます。

◆(石川たえ君) この夏、教育委員会としても熱中症対策の強化が強められていたと。市町村への通知も、一番搬送が多かったと言われる七月に四回程度出しておられるということも聞いています。各学校への対策強化が行われた、このことはよかったと思っているのですが、ただ、現場でどの程度これが受けとめられていたのか、ここにちょっと疑問が残っています。先ほどの御答弁で、三十一度以上の場合は原則運動中止等の指示をしている、こういうふうに言われていましたが、現状として中止になっていないところがたくさんあるんですよね。幾つか事例を紹介します。
 A高校、夏休みのクラブ活動中に熱中症で倒れた男子生徒。この日の最高予想気温は三十七度でした。クラブの練習は午後から通常どおり行われました。炎天下のグラウンドで練習中に倒れ、立ち上がることもできず、保健室に運ばれました。保護者が迎えに行くまでにスポーツドリンクを七百五十cc摂取しますが、保護者が二時間後に迎えに行っても、まだその時点で尿すら出ていない、こういう状況になっていました。本人は、いつもと違う、しんどい、こういうふうに感じていたけれども言い出せなかった、こう言っていました。教員は、しんどそうなのに気づいてはいたが、とめられずに申しわけなかった、こう言っておられます。そして、しんどくなったらすぐ言ってほしい、こういうふうに保護者に説明をされていたわけです。先生が気づいていたのなら、なぜすぐに対応しなかったのか、これが疑問です。
 B高校、最高気温の予測は三十八度、炎天下のグラウンドで練習。しんどくなる前に涼しいところで休憩をとりなさい、こういう声かけが顧問から繰り返し行われていましたが、残念ながら帰宅後ぐったりして起き上がれないようになりました。夏休み中に教室にエアコンを入れていない、こういう学校もあります。グラウンドで涼しい場所で休憩してねと幾ら言われても、涼しい場所がグラウンドにあるのか、これが疑問です。
 C高校、最高気温予想三十五度、一時間目が体育の授業、授業中水分の補給時間はありませんでした。休み時間に片づけと着がえを行い、十分な水分補給をできないまま二時間目が開始されます。二時間目の授業中の水分補給は禁止だというふうに先生から言い渡されています。一時間目が体育であったため、エアコンをつけたのは二時間目からになりました。体育でほてった体、そしてエアコンのついていなかった暑い教室、水分補給もなし、その後体調不良を訴える生徒が複数名出たそうです。気分が悪くならなくても、しんど過ぎて二時間目の授業は全く集中できなかった、こういう生徒さんもおられたわけです。柔軟な対応がやはり必要だったのではないか、こういうふうに思っています。
 私が今紹介した事例はほんの一部です。しかし、こういう現状がまだ残されているんですよね。一生懸命頑張っていただいているのはわかってますが、現場でこのことが取り組まれなかったら、やっぱり子どもたちはこうやってしんどい思いをしなければいけなかったわけです。生徒への注意喚起を行われているというふうに言われていますが、生徒が先生に向かって授業中に、先生、水分とらせてくださいというふうにはなかなか言い出せません。そして、真面目な子ほど、ルールを守っている子ほど体調不良を起こしていく、こういう結果につながっているわけです。中には、残念なことに、炎天下の中でも頑張ってクラブ活動を進めている生徒の姿に励まされる、こういうことを言う管理職もおられるわけです。ふらふらになっても言い出せない生徒の姿がほほ笑ましい、冗談じゃない話です。災害並みという酷暑に対する認識が学校現場でやっぱり余りにも甘い。これが子どもたちがしんどくなってしまった一つの要因ではないかと思っています。
 これまで努力していただいていることは重々承知もしていますが、現場でこれらが生かされなければ意味をなしません。職員会議などでしっかり徹底すること、教職員の研修などでもきちんと徹底すること、対応マニュアルの作成、あらゆる機会を通じて教師の判断が子どもの命を守るんだ、このことを繰り返し繰り返し呼びかけるとともに、授業中に水分補給したらあかんというのが基本のルールであったとしても、時と場合によっては柔軟な対応を現場でしていけるように徹底していくべきではないかというふうに思っていますので、よろしくお願いいたします。
 熱中症対策についてもう一つお聞きをいたします。
 小中学校の普通教室及び特別教室へのエアコン設置は、今本当に急務になっています。全国的に見ると、大阪は普通教室へのエアコン設置率は七〇%を超えていますが、特別教室については、二〇一七年四月の時点で四〇%、体育館は〇・四%と非常に低いことがわかります。
 吹田のある中学校では、音楽室で練習するブラスバンド部の生徒さんが、近隣に迷惑をかけてはいけないからとクラブ中は窓を閉めます。窓を閉め切って練習すると、音楽室の中は室温四十度を超えます。幾ら水分補給をしても、幾ら塩分をとっても、幾ら休憩をしてもやっぱりしんどくなる。当然ですよね、トランペットを吹いたりしますから。こういう子どもたちが、早く特別教室にエアコンをつけてほしい、こういう訴えをされていました。体育館での全校集会中に気分が悪くなる生徒さんが続出する、こういうこともテレビで報道もされていました。
 国の学校施設環境改善交付金は、公立の小中学校で児童生徒、教職員が使う全ての部屋が対象になっています。小中学校の普通教室、特別教室、体育館に早急にエアコンを設置できるように国にさらに制度の拡充を求める、このこととあわせて、今財政が大変だからと、まだ一つの教室にも設置できていない市町村が残っているわけですから、大阪府として補助制度をきちんとつくって、普通教室については、遅くても今年度中にエアコンを来年はつけるという設置計画を立てて、来年の夏休みには工事を行えるようにする、特別教室にも早期にエアコン設置できるようにするなど、財政支援を大胆に行うべきだと思いますが、見解を求めます。

◎施設財務課長(佐々木浩之君) 小中学校における空調機器の設備につきましては、熱中症事故が多発する事態を踏まえまして、学校設置者である市町村において、国の制度を有効に活用して整備を進めていただけるよう、教育庁といたしまして、国に対し財源の確保や制度の拡充について要望を行っているところでございます。
 府として独自の補助制度を設けることは困難でございますが、引き続き、機会あるごとに国への働きかけを行ってまいります。

◆(石川たえ君) 国への働きかけは積極的に行っていただきたいと思っているんですけど、去年も文科省の概算要求のときにこの空調設備の要求額がすごく高かったんですけど、年末でごっそり減らされているんですよね。結局、年末でごっそり減らされてしまうと、やろうと思っとったのにでけへんようになったわという学校が出てくるんですよね。なので、国に要望するときに、一円たりとも減らさんとってということと、そしてもっとふやしてほしいということを強く強く言っていただきたいなというふうに思っています。
 今、府立高校体育館で避難所指定されている学校は大阪府内で百十七校、支援学校で二十一校あるというふうに聞いています。避難所指定されているこれらの学校の体育館に早期にエアコンを設置するつもりはありますか。国の制度を活用すれば、避難所指定の体育館へのエアコン設置は、大阪府の持ち出しはかなり少なくて済むはずです。この制度を活用して早急に体育館へのエアコン設置をするべきと考えますが、どうでしょうか。

◎施設財務課長(佐々木浩之君) この夏の状況を鑑みますと、特別教室や体育館に空調設備を設置する必要があると考えております。
 府立学校の空調設備につきましては、このたびの地震や台風第二十一号により被災した施設の補修工事、既存空調設備の更新があること、また維持管理経費なども勘案し、まずは教育環境の充実、児童生徒の健康保護のため、特別教室への空調設備の設置率向上について検討してまいりたいと考えております。

◆(石川たえ君) さっきも言いましたけど、避難所指定になる体育館にエアコンをつけるときの制度と、そして普通教室や特別教室及び教職員、子どもが利用する全ての施設につけられるという空調の制度と制度が違うんですよね。まずは教育環境の改善、特別教室へのエアコン設置率の向上に向けて頑張るというふうに言っていただいているので、これは大いに頑張っていただいたらいいんですけど、これと同時進行で避難所指定の体育館にエアコンを設置するために国の制度を使ったらどうかというのが私の提案になっているわけです。避難所指定の体育館のエアコン設置は、緊急防災・減災事業債が使えます。これを活用すれば、実は地方負担は非常に少なく、七〇%は国が負担してくれるんですよね。ただ、残念ながらこの制度は二〇二〇年までしかないんですよ。あと二年。あと二年の間につけとけば、国のお金でつけられる。二年後にやっぱり要るでと言ってつけなあかんようになったら、大阪府の持ち出しは物すごくたくさんになると思うんです。なので、国がお金を出したるでという制度をつくってくれてる間に、借金にはなりますけど、避難所指定になっている体育館にもエアコンの設置を進めるべきやないかなというふうに私は思うわけです。実際、埼玉県の朝霞市、ここではこの制度を活用して、学校体育館を含む十八の施設でエアコンが設置されたわけです。十五の学校で体育館に設置されて、児童生徒が、終業式も始業式も本当に涼しくてよかったというふうに喜んでおられる。特別教室からという気持ちがわからないわけではないんですけれども、ことし熱中症発症場所をさっきお聞きしたら、体育館は四百十七件もあるんですよね。教育の環境としても、そして避難所としても体育館へのエアコン設置は急ぐべきだというふうに求めておきたいというふうに思います。大事な問題ですので、これは知事にも質問をしたいと思いますので、よろしくお願いします。

・北部地震対策について

 続きまして、地震にかかわって何点かお聞きをさせていただきます。
 六月十八日の北部地震は、午前七時五十八分に発災をしました。ちょうど通学時間帯となっていました。登校中の小学生が学校の危険ブロック塀の下敷きになりお亡くなりになりました。心から御冥福をお祈りしたいと思います。
 通学時間帯での発災で、子どもと連絡がとれずに随分心配した、こういう保護者もたくさんおられたというふうに聞いています。また、子どもたちも、学校に行けばいいのか、それとも家に帰ればいいのか、この判断がつかずに右往左往して、近所にいてたおばちゃんがとにかく家に帰りと言うてくれたから帰った、こういう子もいてるわけです。
 児童生徒がたび重なる災害の中で混乱せずに行動ができるように、災害対応の教育を学校でしっかり位置づけるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

◎保健体育課長(田中実君) 自然災害、とりわけ地震は、いつ発生するのか予測ができず、想定を超える被害をもたらす可能性がありますことから、さまざまな状況を想定した防災体制の整備や児童生徒がみずからの命を守るための防災教育が必要であると認識しております。
 こうしたことから、府立学校に対する指示事項や市町村教育委員会に対する指導助言事項におきまして、防災教育の取り組みを重点項目として位置づけ、学校におきましては、児童生徒がみずからの命を守り抜くため、周囲の状況を判断し、窓ガラスの落下物に注意しながら安全な広い場所に避難するなど、主体的に行動する態度を育成しております。
 府教育庁が平成二十八年三月に作成いたしました学校における防災教育の手引きにおきまして、地震発生時に児童生徒がとる行動や教職員の指示などを示しております。登下校中に地震に遭遇した場合、児童生徒に対し、学校、通学路上の避難場所、自宅、この三つの中で距離的、時間的に最も近いところに避難するよう指導することとしております。

◆(石川たえ君) 学校における防災教育の手引きで指導しているというふうに言われていて、近くの小学生に聞くと、こんなプリントをもらったよというふうに見せてくれる子がいてまして、その中に、津波のときはこうしましょうとか地震のときにはこうしましょうというのがイラストつきでついているんですね。こういうのを小学校でも中学校でも高校でも、その年齢に合わせて配っていただいているのは知っているんですよ。ただ、残念ながら、お母さん、プリントもろたでと言って、家でお母さんに渡して終わりという子もようけおるんですよね。そういう子にも、何が起こっても行動しないといけないよということをきっちり知らせていくのが大事かなと思っているんです。
 この間の北部地震の後、高校生なんですけど、学校に到着したら、当然学校の先生から、今すぐ御家庭に連絡しなさいというふうに言われているんです。これは正しい指導だなと思っていて、親御さんは連絡がとれないと思って随分心配をされていましたので、学校がそういう指導をしてくれはったのはすごくよかったんですけど、そう言われた高校生は何と答えたかというと、何で親に電話せなあかんのと言うたわけですよ。これも災害に対する危機感というのが子どもの中で育っていないということのあらわれじゃないかなというふうに思っているんです。
 学校、通学路上の避難所、自宅の中で一番近いところに避難するように指導している、こういうふうに言われていますけれども、通学路上の避難所がどこにあるのかというのを知らない子もいてるんです。小学校は近いです。中学校も近いです。でも、高校になると、今オール大阪でどこに行くかわかりませんから、自分が何かあったときにどこに避難せなあかんかということを高校生はほとんど知らないんですよね。
 そして、私、災害伝言ダイヤルって知ってるかと高校生の子どもに聞いたら、災害伝言ダイヤルって何と聞かれたんですよ。携帯電話は必ずつながると彼らは思っていますが、この間の地震でも携帯電話はつながらなかったんですよね。家電話が一番つながった。次につながったのはLINEだったと。携帯もメールも一切だめということは彼らの中では想定されていませんから、学校の避難訓練をやるときに、災害伝言ダイヤルの使い方を実地訓練でちゃんとやるとか、入学するときに学校から自宅までの地図を親には書かすわけですから、その地図をコピーして、通学路上避難できる場所は一体どこにあるのかというのを一緒にしっかり教えるとか、そういう繰り返しの中で、子どもが本当に実際災害に遭うたときに慌てずに行動できるように現場でしてやることが大事やなというふうに思っていますので、ぜひこれはよろしくお願いいたします。
 府内の小中学校の約半数で今危険ブロック塀があることが明らかになりました。総延長は、大阪市を除いて八十三キロです。直ちに撤去等の対策が要るというふうに思われますが、今年度中の着工は六十一キロ分です。残りは来年度以降というふうになっています。大阪府として、今市町村をしっかり支援して今年度中に残りも含めて対策をとるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

◎施設財務課長(佐々木浩之君) 小中学校のブロック塀の撤去、改修等につきましては、国の学校施設環境改善交付金制度における防災機能強化事業の交付対象となっております。
 このたびの大阪府北部を震源とする地震からの早期の復旧及び児童生徒の安全確保を図るため、学校設置者である市町村において国の制度を有効に活用して整備を進めていただけるよう、教育庁といたしまして、国に対して、事前着工を認めることを含む補助要件の緩和、補助率の引き上げ等について緊急要望を行ったところでございます。
 今後、国の動向を注視するとともに、機会あるごとに国への働きかけを行ってまいります。

◆(石川たえ君) 文科省公表の調査で、公立小中学校の半分で非構造部材の耐震対策がとれていない、このことが明らかになりました。北部地震で箕面東高校の渡り廊下、また豊中市の学校でも渡り廊下部分が破損をしています。文科省の調査でこれらの渡り廊下は調査の対象になっていたのでしょうか。対象になっていなかったのであれば、大阪府が独自に調査し対策をとるべきと考えます。
 また、非構造部の耐震対策を初め、これに含まれない二階建て、二百平米以下の渡り廊下なども耐震化が行えるように大阪府独自で補助制度をつくって市町村の財政支援をするべきではないかというふうに考えますが、いかがですか。

◎施設財務課長(佐々木浩之君) 文部科学省が毎年度行っております公立学校施設の耐震改修状況調査につきましては、学校施設のうち、児童生徒が日常的に使用している建物で、非木造施設の場合、二階建て以上または延べ床面積二百平方メートルを超える建物を対象としておりまして、渡り廊下についても、この規模に該当する場合は調査の対象とされております。
 耐震改修事業につきましては、国の学校施設環境改善交付金制度における補助対象事業となっておりまして、教育庁といたしましては、全国都道府県教育長協議会や全国施設主管課長協議会などを通じまして、国に対し、補助要件の緩和、補助率、補助単価の引き上げ等について要望を行っているところでございます。
 府といたしまして、独自の補助制度を設けることは困難でございますが、引き続き、学校設置者である市町村に対し、国の制度を有効に活用して、早期に耐震化を進めていただけるよう働きかけを行ってまいります。

◆(石川たえ君) 耐震改修を行う際、市町村に国の補助制度を活用し耐震化を進めるように言う、国には補助率や要件の緩和を求める、これは大いにやっていただきたいというふうに思っています。
 ただ、先ほども言われていましたけど、二階建て、床面積二百平米以下は国の調査の対象にも補助の対象にもならないわけです。二階建て、床面積二百平米以上の渡り廊下が一体大阪府内で幾つあるか。ほぼないんじゃないかというふうに思います。破損した豊中市の学校も対象外でした。豊中市の渡り廊下は耐震診断も行われていませんでした。渡り廊下というのは、日常的に児童生徒が利用する学校施設の一部です。渡らない日はないぐらいみんな渡るんですよね。その渡り廊下が耐震の診断もされていない、補助の対象にもなっていない、調査の対象にもなっていない。安全かどうかわからへんけど、学校で使ってよと、これはだめだと思うんですよ。なので、国が調査できない、対象外というふうにするんだったら、大阪府がちゃんと独自に調査をする、補助制度もつくって、児童生徒の命と安全をしっかり守るということを大阪府がしないとだめだというふうに思います。二百平米以下の施設については、大阪府が独自に調査を行うこと、補助制度をつくって支援すること、そしてきのう総務委員会で我が党の宮原議員の質問に、災害対策でさらなる補正予算を組むことも検討するというふうに答弁もされていましたので、少なくともさらに補正予算を組むときに、エアコン、ブロック塀、そしてこの学校耐震化についてはしっかり組み込んで補正予算を組んでほしいというふうに求めておきたいと思います。

・支援学校の看護師配置について

 次に、高度サポート看護師についてお聞きをさせていただきます。
 高度サポート看護師の配置がこの間一名から四名までふえて、これは非常に感謝をしています。常勤看護師の配置によって、宿泊を伴う学習に日常接している学校看護師が参加できるようになった、これも大変評価をしているところです。ただし、この常勤看護師の処遇がよくない、こういう声も現場から上がっています。この常勤看護師の位置づけは、実は看護師ではなくて臨時技師となっています。六カ月で更新して、基本的に一年で契約が終了します。次年度また必要であれば再契約というふうに雇用形態が非常に不安定なのがこの臨時技師です。昇給も、単純にいけば六年で頭打ちとなっています。
 肢体不自由児数は、先ほど横ばいというお話もありましたが、今そんなに増加していないというものの、重複障がいを持つ児童生徒というのはふえているわけです。障がいの複雑さ、困難さもこれまで以上に大きくなっていると聞きます。医療的ケアはこれまでよりも求められている、これが現状です。医師が常駐しない学校現場で、命にかかわるような時々の判断を求められる、こういう緊張した中で児童生徒の安全と学校生活の継続を守って頑張る看護師は、やっぱり臨時技師扱いではなくて、きちんと看護師として雇用し、この処遇を改善するべきだと思いますが、いかがですか。

◎支援教育課長(柴田尚彦君) お答えをいたします。
 看護師につきましては、支援学校における小中学部、高等部の教職員定数を定めるいわゆる標準法において職種として定められておりません。本来は、標準法定数で看護師の定数が定められるべきと考えておりまして、引き続き、国に対し制度化に向けた働きかけをしてまいります。

◆(石川たえ君) 常勤看護師は教員定数内の配置なんですよね。それが今言われていた標準法の中に看護師がきちんと位置づけられていないからということだと思うんですよね。学校現場に聞くと、常勤看護師を本当は配置したいと。配置したいけれどもできない。何でかというと、常勤看護師は朝九時から夕方までおられる方で、それ以外の非常勤特別講師の看護師さんは、お昼間とか、医療的ケアが必要なところに集中して配置をされるんですね。みんなが教員の枠の中におられますから、この仕組みは看護師の数をふやせばふやすほど教員の数は減っていきますよね。しかも、その中に常勤看護師を入れてしまうと、特別非常勤講師を減らさへんかったら一番忙しいときに回らへん、そういう現状もあるんですよね。だから、使いたくても使えない、こういう声が上がってくるんだと思うんです。
 なので、常勤看護師を教員定数の枠内におさめてしまわないで、高度医療サポート看護師のように教員定数の枠の外に常勤看護師もしっかり置いて配置を進めたら、学校現場の混乱はもう少し緩和されるんじゃないかなというふうに思うんですが、この常勤看護師も定数外に置くことはできないですか。

◎支援教育課長(柴田尚彦君) 委員お示しのとおり、看護師につきましては、支援学校における小中学部、高等部の教職員定数を定めるいわゆる標準法において職種として定められておりません。
 学校に在籍する児童生徒が必要とする医療的ケアが高度化、複雑化する中、安全安心な学習環境の整備のため、看護師は不可欠な専門職であるというふうには考えております。本来は、標準法定数で看護師の定数が定められるべきと考えており、引き続き、国に制度化に向けて強く働きかけをしてまいります。

◆(石川たえ君) 看護師は不可欠な専門職だと思っておられると。私とまさに意見一致という感じなので、ぜひ不可欠な専門職として国に制度化はもちろん求めていただくんですけど、不可欠な専門職ですから、国の制度化を待たずに、今しっかり大阪府が高度医療サポート看護師のように定数の外に常勤看護師を配置したらどうかなというふうに思います。
 国の国費が三分の一ほどこの高度医療サポート看護師にも出ていると思います。常勤看護師もこれと同じ活用をすれば、三分の一は国がお金を出してくれることになります。文部科学省に聞きに行きましたら、制度の活用はどんどんしてもうて構へんよというふうに文科省は言われていました。そして、文科省はことし、この医療的ケアが必要な児童生徒を、就学前から卒業して終業するまで切れ目のない支援をしていくためにと、さらに看護師三百人増をしているんですね。なので、府の持ち出し分が多くなるからなかなか戸惑っておられるというふうに思うんですけど、国に制度は大いに要求をしていただきたいと思いますし、私もこれは制度化すべきだと国には繰り返し求めていきたいなというふうに思いますが、それまでにもこの国の看護師配置の制度をしっかり利用して、常勤看護師も高度医療サポート看護師と同じように不可欠な存在として教員定数の外に配置していただきたいということを強く求めておきたいというふうに思います。これも知事に質問したいと思いますので、よろしくお願いします。

・知的支援学校の新設について

 次に、知的支援学校の児童生徒の増加に伴う対策についてお聞きをさせていただきます。
 知的障がいを持つ児童生徒の増加に伴う今後の取り組みについて、取り組みの内容として通学域の変更というのが挙げられています。通学域の変更で一体どの程度の生徒に影響が及ぶのか、またバス乗車時間がふえる児童生徒がどれぐらいいてるのか、教えてください。

◎支援教育課長(柴田尚彦君) 通学区域の変更割りにつきましては、従前より新校の設置や児童生徒の増加に対応するため、各学校の規模、児童生徒数、通学環境等を考慮し、実施してきたところでございます。
 通学域の変更に伴い、通学バスの乗車時間が変動することも想定されますが、具体的な通学区域割りについては現在検討中でございます。

◆(石川たえ君) 乗車時間が変動することもあるかもしれへんということだと思うんですけど、この間、通学域の変更というのは実は繰り返し行われています。児童生徒数増加のための対応というふうに言われてますけれども、ただ、たびたび通学域が変更されると、このことによる児童生徒への負担というのは非常に大きいと思っています。通学域を理由に、支援の必要な子どもが、自宅から徒歩十分の支援学校があるんですけど、そこじゃなくて、バスで四十分かかるところに行かなあかん、こういう現状もあるわけです。また、通学域が変わることによって、中等部、高等部と進学が進んでいきますが、一緒に入っておられた御兄弟が、進学のときに通学域に合わせてお兄ちゃんは違う学校に行かないといけない、こういう別々の支援学校に通わざるを得ない状況というのも、この通学域の変更に伴ってこれまで生まれているわけです。
 先日の災害で通学域の変更によって別々の支援学校に子どもを通わせておられた保護者の方は、どっちの学校からも早く迎えに来てくださいという連絡が来るわけです。大急ぎで行かなければいけないけれども、どっちから先に行ったらいいんだろうとやっぱり迷いはるんですね。二人一遍におってくれたらええのにと思うと思うんです。北部地震のときもそうでしたけど、地震のときなんかは、電車の踏切が遮断されたりとか道路が陥没したりとか、通常十五分、二十分で行けるところを、三時間も四時間もかかってしまうという自動車の状況も出てきます。そのときに兄弟が別々の学校にいてたら、ほんとに迎えに行くのが大変だと、こういう声も出されているわけです。
 ですから、せめて兄弟関係は同じ学校に通えるようにするとか、障がいを持つ個々の子どもの実情に応じて、通学域に余り硬直的に固執せずに柔軟な対応をすべきじゃないかなというふうに思いますが、見解を求めます。

◎支援教育課長(柴田尚彦君) 繰り返しになりますが、通学域割りの変更につきましては、児童生徒の通学環境等にも考慮し実施をしてきたところでございます。
 この間、児童生徒数が増加し続け、各学校の狭隘化が進む中、保護者の個別の要望に対し、全てにお応えすることは困難な状況でございます。
 引き続き、よりよい教育環境の整備に向け、学校現場や保護者の状況を把握しながら、通学区域割りの設定についても検討してまいります。

◆(石川たえ君) 障がいを持つ児童生徒にとって、通いなれた環境が変わるというのは、健常児以上にやっぱり負担は大きいというふうに私は思います。通学域の変更を、ここの学校はぱんぱんになったからといって単に数合わせでやってしまうのではなくて、今、課長がおっしゃっていましたけど、現状をよく聞いていただいて、個々の全てに対応することは私もできないというふうには思いますけれども、硬直的な対応ではなくて、子どもにとってどの選択肢が一番いいのかということを、学校とか保護者とか市町村の教育委員会とかこういう関係者と納得いくまで話し合って通学域の変更についても対応を進めていただきたいというふうにお願いをしておきます。
 通学域の変更だけでなくて、教室活用などが提案もされています。前回も申し上げましたが、パーティションで仕切っても子どもが十分に学習できる環境が保持できない、こういう声も上がっています。特別教室を教室のかわりに活用するので、特別教室で行っていた授業ができなくなった、こういう現場もあります。倉庫も教室になっていたりしますから、物を置く場所がなくて、廊下にテレビや備品が次々並べられている、こういうことも起こってきています。教室の活用、特別教室の転用はもう実は今でも限界なんじゃないかなというのが私の思いです。
 新校設立も検討事項の中に入ってはいますが、新校整備については必要最小限にとどめる、こういうふうに方針に書いてあるんですよね。詰め込むだけ詰め込んでみて、通学域も変えてみて、それでもあかんかったら新しい学校をつくろう、こういうタイムスケジュールはやっぱりおかしいんと違うかなというふうに思いますので、最小限にとどめずに、新校の設立を急ぐべきだと思いますが、いかがですか。

◎支援教育課長(柴田尚彦君) 新校の設置につきましては、多大な整備費に加え、設計や工事等におおむね三年から五年の期間が必要となります。
 現在、閉校した、または閉校する予定の府立高校の活用について検討しているところであり、児童生徒数の増加の状況や立地条件、通学環境等を十分に考慮した上で、昨年度末に策定いたしました府立支援学校における知的障がい児童生徒の教育環境の充実に向けた基本方針に基づきまして、二〇二三年から二〇二五年ごろの間に開校できるよう検討を進めてまいります。

◆(石川たえ君) お尻は決まっているからそれまでには必ずつくりますよというお話だと思うんですけど、府立高校の廃校を待たないでほかの施設を活用する、こういう新校設立に向けていろんな角度から--府立高校の廃校しかないじゃなくて、いろんな角度から新校設立の検討をすべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

◎支援教育課長(柴田尚彦君) 新校の設置につきましては、大幅に増加する児童生徒の学びの環境を早急に整備するという観点も踏まえ、閉校した、または閉校する予定の府立高校の活用に係る検討を進めているところでございますが、必要な地域に校地校舎がない場合には、市町村の施設等の活用も視野に入れております。
 今後とも、知的障がい児童生徒の教育環境の充実に向けて、具体的な取り組みを進めてまいります。

◆(石川たえ君) いろんな角度から検討していただけるということですので、ぜひよろしくお願いしたいなというふうに思います。
 国連で採択された障害者権利条約には、「障害者が、その人格、才能及び創造力並びに精神的及び身体的な能力をその可能な最大限度まで発達させること」というふうに書かれています。可能な最大限度まで発達させるために今何が必要か、これを私たちは考えていかなければいけないというふうに思っています。
 安易に教室利用、通学域の変更と言わずに、一人一人の児童生徒の立場でどうあるべきかを検討すべきです。支援学校の過密解消を進め、これからふえると推測される児童生徒をきちんと受け入れられるようにするためには、新校は六百人程度というこの推測はちょっと少な過ぎるんじゃないかなというふうに思っています。一つの支援学校の適正規模は百五十人から二百人です。今三百人を超えている学校もたくさんあります。百五十人から二百人と学校教育審議会でも答申も出されているわけです。この百五十人から二百人の規模に合わせて、六百人ぐらいを新校にではなくて、今すぐ新校設立も視野に入れて、子どもたちの教育環境を守っていただきたいということを重ねてお願い申し上げておきます。

・チャレンジテストについて

 続きまして、チャレンジテストについてお聞きをさせていただきます。
 この間、繰り返し繰り返しをお聞きをしてきましたが、改めて再確認をさせていただきます。チャレンジテストは行政調査である、これで間違いないですか。

◎小中学校課長(桝田千佳君) チャレンジテストは、学力向上を図ることと、大阪府公立高等学校入学者選抜におけます公平性を担保することを目的に行っている大阪府教育庁の取り組みの一つでありまして、行政調査ではございません。

◆(石川たえ君) 取り組みの一つなんですね。
 じゃあ、確認します。市町村の判断でチャレンジテストへの不参加というのは認められますか。

◎小中学校課長(桝田千佳君) チャレンジテストは、市町村の協力により行っている府の取り組みでありまして、参加、不参加は市町村の判断によります。

◆(石川たえ君) じゃあ、不参加の学校が府内の圧倒的多数になったとしても、残った学校でチャレンジテストをやったら評定平均は公平性が担保されてできるということですね。合うてますか、認識。不参加のところがいっぱいになってもチャレンジテストはするんですよね。参加するしないは市町村で判断できるんですよね。不参加のところがいっぱいになってもチャレンジテストはやるんですよね。

◎教育次長(中野伸一君) チャレンジテストの実施に当たりましては、市町村教育委員会とも相談の上、参加をしていただくようにお願いをし、現在、全市町村で参加をしていただいているところでございます。これからもその努力を続けてまいります。

◆(石川たえ君) 今、協力を求めて全市町村で参加されているということですけど、この後不参加があっても、それはもう仕方ないというふうに理解していいですか。

◎教育次長(中野伸一君) 参加をしていただけるようにこれからも努力を続けてまいります。

◆(石川たえ君) この会話を繰り返しても仕方がないので、チャレンジテストは結果を入試選抜に活用し、教員の一年の評価がこの一回のテストで覆る、こういう結果も出てまいります。
 事例を一つ紹介させていただきます。
 一学期、二学期とも授業の発表などで平常点、定期テスト、実力テスト、提出物全てにおいてすぐれており、五段階評価最高の五の評価がついていた中学生、三学期はさらに頑張り、当然また五の評価に値する、こういう成績となっていました。ところが、一月のチャレンジテストで、この生徒の点数が府の定めた評価五の点数に一点足りなかったんですね。学年評価を四に修正しないといけない、こういう結果になったわけです。現場の教員は、生徒の頑張りをよく知っている。よく知っているからこそ、五だろうと思っていたのが、一点足りずに四になってしまうことには到底納得がいかない、こう言って市の教育委員会を通じて大阪府に協議の申請をしたとのことでした。これは実は特別なケースではないというふうに思います。
 そこでお聞きをします。昨年、一体何市から何件の協議申請があり、何市何件の評定変更を認めましたか。

◎高等学校課長(網代典子君) この協議につきましては、個別のケースについて行うものでありまして、件数は個別の協議の結果にすぎません。件数自体を公表することは、あたかも協議が可能な件数が予定されているかのような誤解を招きかねないため、公表のほうはさせていただいておりません。

◆(石川たえ君) 協議申請の件数と認定の件数が何で公表されへんのかなというのがちょっと私にはよく理解できないんですけど、ある市では約四十件の協議申請を行い、認められたのはたった一件でした。これは公にならないほうがいいのかなというふうに思いますが、四十件の協議申請を行い、認められたのは一件でした。びっくりしました。これこそ現場の判断を本当に聞かずにチャレンジテストの結果だけで子どもを評価しているあらわれだというふうに思っています。子どもと毎日向き合っている現場の評価を認めずに、チャレンジテストの結果で生徒の評価を決める、入試選抜の内申書に活用することそのものが、そもそもの目的である学力の向上、指導力の向上とは真逆にあるんじゃないかなというふうに思っています。にもかかわらず、入試選抜の内申書にこのチャレンジテストを活用する理由を教えてください。

◎高等学校課長(網代典子君) 府教育庁では、平成二十八年度入学者選抜より、調査書の評定に絶対評価のほうを導入いたしました。絶対評価そのものが持っている課題としましては、学校間の評価にぶれが出る可能性を否定できないため、チャレンジテストを活用して入学者選抜における公平性をより担保することといたしました。

◆(石川たえ君) チャレンジテストの質問をこの間ずっとしてきていますけど、そのたびに二言目には公平性の担保、こういうふうに言われるんですよね。あたかも公平性が担保されている、こういうふうに言われるんですよ。先ほど来、各委員が質問もされていましたが、最大で七十一校もが後日試験になって、これは平均に組み込むこともない。なのに、公平性の担保やと言うんですよね。参加、不参加は市町村の自由やけど、公平性の担保と言うんですよね。一体何が公平性なのかというのが本当に疑問です。学校現場の評価は、先ほども事例で申し上げましたが、たった一点足りなくても五が四になったりします。こんなときに、学校現場の評価は信用ならないとばかりに協議申請そのものが余り認められていません。公平性を欠いているのは一体どっちなのかというのが疑問です。
 調査書に記載する評定は各中学校に委ねられたい、こういう要望も実施当初からずっと上がってきています。今でも学校の先生に聞くと、あのテストだけはあきませんわ、ほんまに教師のやる気をそぎます、本当に一生懸命教えているのに、あのテストで自分の評価が覆ってしまうんですからというふうに大変嘆いておられました。チャレンジテストのあり方には課題が山積みだ、こう言われる市の教育委員の方もおられます。このような学校現場、教職員の声を一体どのように受けとめておられますか。

◎高等学校課長(網代典子君) チャレンジテストを活用した府内統一ルールでは、中学校において作成をしていただきました絶対評価をベースとして、極端な絶対評価を是正するものであって、中学校の評価活動を妨げるものではないというふうに考えております。

◆(石川たえ君) 中学校の評価活動を妨げないというふうに言われますが、ずっと見てた先生が、三学期も頑張ったから五やと思ってたら、一点足らんかったら四になるけど、その協議申請は認められないんですよ。中学校の評価活動は妨げられています。妨げだと現場から声も上がっているわけです。結局、チャレンジテストありきで現場の声は聞かない、この姿勢そのものをしっかり改めるべきだというふうに思います。
 今、塾はチャレンジテスト対策、これを大きな塾の課題の一つと位置づけて、特別講習までやっている塾もあります。そのため、強化の勉強会というのが行われています。親はそのたびに別の塾代を払わないといけない、こういうことにもなっています。学校でも、日めくりカレンダーまでつくって、生徒をあおって、過去問予想問題を課題として出している、こうやってチャレンジテストに備えている学校もあるわけです。
 チャレンジテストの入試選抜の活用が、当初の目的を見失わせ、子どもも教師も追い立てる結果につながっています。これでは学力向上、指導力向上にはつながりません。チャレンジテストは、入試選抜に活用すべきではありません。そして、子どもたちや学校の先生がもう勘弁してほしい、こういうふうに言っているチャレンジテストは直ちにやめるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

◎高等学校課長(網代典子君) 先ほどもお答えをさせていただきましたように、極端な絶対評価を是正し、調査書評定の公平性を担保するためには、チャレンジテストを活用した府内統一ルールが必要であるというふうにも考えております。

◆(石川たえ君) 引き続きお願いはしていこうと思いますので、ぜひ前向きな検討もお願いしておきたいと思います。

・高校再編整備計画について

 最後に、高校再編整備についてお聞きをいたします。
 再編整備計画について、大阪は一学年平均六から八クラスを基準としています。しかし、今、全国の平均は六クラスとなっています。なぜ大阪は全国よりもクラス数が多い、これでよしとしているのでしょうか。バカロレア認定校、また今度つくられます国際関係学科などは、一学年二から四クラスというふうに書かれています。同じように四クラス編制、せめて全国平均六クラス編制にすれば、高校を廃校にする必要はないと考えますが、いかがですか。

◎高等学校課長(網代典子君) 学級編制につきましては、施設の規模、設置される学科や教育課程、生徒の状況といった観点に加えまして、スケールメリットを生かした部活動や学校行事の活性化、各教科、校務における分掌運営等の円滑化のため、一学年六学級以上の学級数を基本として考えております。

◆(石川たえ君) 一学年六学級以上ですから、六学級でもいいんですよね。でも、六学級のところは余りないんですよね。--いっぱいありますか。私は、六学級のところがいっぱいあるんだったらそれはよかったなと思いますけど、私、吹田市なんで、吹田市にある府立高校を見ていますと、北千里高校は一学年十クラスなんですよね。山田高校も一学年十クラスなんですよね。こうやって一学年十クラスやという学校も割とあるんですよね。
 そこの高校生と話ししてますと、クラスがえしたらもう陰キャラになるわと言うんですよ。陰気のキャラクターに自分はなるわと。何でかというと、人数が多過ぎるから、仲いい子と次同じクラスになれるかどうかわからないんですよね。ほんで、仲ええ子と一緒になられへんのやったら、もう自分は殻に閉じこもって陰キャラになる、友達もようつくらへんというて閉じこもってまう子もいてるんですよね。
 だから、一方で十クラスあって、もう一方で六クラスが平均であって、ほんで定員割れのところがあるみたいな不均等な学校じゃなくて、みんな六学級にしていけば、学校を潰さずにちゃんと編制できるんじゃないかなというふうに思っています。
 エンパワメントスクールは、皆さん方が頑張っていただいて、三十五人学級編制。工科高校でも、今度三十五人学級編制になるんですよ。もうこれ大歓迎。全日制普通科も同じように三十五人学級にして、全ての子どもに等しく教育を受ける機会を提供すべきじゃないかなと思いますが、いかがですか。

◎高校再編整備課長(大武基君) 高等学校の学級編制につきましては、国が定める公立高等学校の学級編制基準、これにのっとりまして一クラス四十人を標準としているところでございます。その枠組みの中で、多様な選択科目の設定や教科ごとの少人数展開等、各校の実情に応じまして教育の充実に努めているところでございます。
 その中でエンパワメントスクールにつきましては、学び直しの取り組み、これを充実させた学校ということで、一クラス三十五人での編制を行っているところでございます。また、次期再編計画案におきましては、工科高校につきまして、一層きめ細やかな指導を行うとともに、課題解決型の学習でございますPBL、これを導入するために、一クラス三十五人編制としているところでございます。

◆(石川たえ君) 全日制普通科も三十五人にしてくださいと聞いたんですけど、やりますともやりませんとも言われてなかったので、エンパワメントや工科高校のように全日制の普通科も三十五人にしてくださいねとお願いをしておきます。
 桃谷・勝山高校の再編整備についてお聞きをします。
 桃谷高校の多部制単位制Ⅰ・Ⅱ部は、多様な教科というのが展開されているというふうに聞いています。設備も随分充実しているというお話も聞きました。勝山高校に桃谷高校のⅠ・Ⅱ部が移動すると言うたら変ですけど、桃谷高校を募集して、多部制単位制のⅠ・Ⅱ部が勝山高校で新たにつくられるということだと思うんですけど、同じような教科の展開とか設備とかというのは守られていくんですか。

◎高校再編整備課長(大武基君) 現在、桃谷高校の多部制単位制Ⅰ・Ⅱ部におきましては、生徒がみずからの進路や適性、興味関心に基づいた選択ができますように、普通科の枠組みの中で多様な科目、これを開講しているところでございます。
 新たに設置いたします多部制単位制Ⅰ・Ⅱ部の普通科高校、ここにおきましても、自己の目標あるいは自己実現のために、学校外での活動に打ち込みながら学びたいという生徒、あるいは不登校経験者などさまざまな理由のある生徒に対応できますように、これまで桃谷高校で実践してきた柔軟な教育システム、これを一層充実させるとともに、生徒の多様なニーズに合わせた選択科目の開設など、教育課程のさらなる充実を図ってまいりたいというふうに考えております。

◆(石川たえ君) 通信制とか多部制単位制がすごく人気になってきていて、そこをさらに拡充しようということは大いに歓迎はしているところなんです。ただ、移動したときに同じような教育環境がきちっと守られるというのは、取り組みとしてぜひやっていただきたいなというふうに思うのと、多部制単位制のⅠ・Ⅱ部の一年生と勝山に残る二・三年生の在校生が二年間は一緒に過ごすことになると思います。勝山高校と多部制単位制のⅠ・Ⅱ部の子たちというのは、基本的に教育の性質がと言うたら変やけど、ちょっと違いますよね。普通科の高校と多部制単位制で自分の実情に合わせて学校に来れるよという子たちが共存をするわけですから、子どもの中に、何であいつだけおくれて来てもええねんとか、何であいつらは私服でええねんとか、そういう思いが生まれてこないように、共存するんだったら共存できるようなお互いの感情をきちんと受けとめてやれるような教育にぜひ取り組んでいただきたいなというのはお願いをしておきたいというふうに思います。
 再編整備計画の基本的な考え方を読んでいると、生徒減少を見据え、就学機会の確保を前提とした効果的かつ効率的な学校配置を進めてきたというふうに書かれています。これまで廃校、募集停止になってきた学校は、この学校がなくなったらもう経済的理由で学校に通えなくなる子が続出する、こういう声もありました。この学校だから通いたいと繰り返し訴える生徒、保護者、地域の声もありました。地域の学校として存続を求める議会の決議、また教育委員さんから、地元市町村等に対してより丁寧な対応を行うようにという要望も出ました。しかし、これらの要望をほとんど聞き入れられずに募集停止が前期計画では進められてきたわけです。就学の機会が確保されるどころか、地域の子どもから奪われてしまう、こういう声まで上がっているほどです。生徒減少を見据え減らしていくというふうに言われますが、少子化を逆にチャンスと捉えて、三十五人学級に踏み出していくことが、ピンチをチャンスにといつも知事が言われていますので、ピンチをチャンスにしていく方向転換の方向ではないかなというふうに思っています。
 子どもは一人の人間として尊厳を尊重されるべきであり、人格及び能力を最大級に開花されるために学習権を保障されている、これが子どもの権利条約の精神です。三年連続定員割れすれば募集停止とする、この条例こそが子どもの学習権を奪います。大阪の全ての子どもの学習権が最大限保障されるようにするために安易な再編整備は行わない、このことを強く求めて質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○委員長(藤村昌隆君) 石川委員に知事質問の通告について確認をいたします。質問項目は、まず一つが熱中症対策について、もう一つが支援学校における看護師の配置についてという形でしょうか。

◆(石川たえ君) 学校施設も言ったつもりだったんですけど。非構造部材の耐震化対策。

○委員長(藤村昌隆君) わかりました。非構造部材の耐震化対策、これが二点目。三点目が、先ほど申しました支援学校における看護師の配置、この三点でよろしいでしょうか。

◆(石川たえ君) はい、よろしくお願いします。




   


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