大阪府教委が発注した大阪府立高校の全教室へのエアコン設置事業で、関西電力・大阪ガス共同企業体(JV)一社のみの入札で、落札価格は予定価格の99・8%という異常な高値落札となっていることが20日の府議会決算委員会でわかりました。日本共産党の和田正徳議員が質問しました。
府教委は来年6月から供用開始予定で府立高校へのエアコン設置をすすめています。しかし、その事業は、設計、施工、維持管理、必要なエネルギー調達を一括して行うとしているため、中小企業は参入できません。関電・大阪ガスの落札価格は183億3000万円で、入札価格183億6000万円の99・8%という高値落札でした。
落札価格については府教委が、02年度の工事関係の平均落札率が80数%であることを明らかにしたため、この事業の落札率の異常な高さが浮き彫りになりました。
和田議員は、関電・大阪ガスJVのみが入札した背景に、府は分離・分割発注できるものも含めて一括発注し、「必要なエネルギーを調達する」ことを事業の参入条件としていることから、エネルギー供給事業を行う関西電力と組まなければ入札に参入できない仕組みとなっていると指摘。独占企業体のもうけに奉仕する太田府政を厳しく批判しました。
また、関電会長の秋山喜久氏は関西経済連合会会長で、知事の選挙母体「21世紀大阪がんばろう会」で太田知事を擁立した人物だとのべ、「秋山氏は太田知事の生みの親。この人物が関係する企業に200億円もの事業を発注するのは公正な府政の執行とはいえない」と主張。不明朗な事業に父母生徒から年間5400億円ものエアコン使用料を徴収するのは撤回すべきだと主張しました。