2022年8月29日
大阪府知事 吉村 洋文 様
日本共産党大阪府議会議員団
石川 たえ
内海 公仁
2022年度追加補正予算および2023年度予算の編成についての重点要望
はじめに
出口が見えないコロナ禍と天井知らずの物価高騰という二重苦が大阪を覆っています。コロナによる死者は6千人近くにのぼり全国最悪、うち約半数はオミクロン株の感染拡大による「第6波」以降の犠牲者です。物価高騰は秋以降も加速すると見込まれ、加えて医療や介護の負担増が家計をさらに追い詰めています。賃金や売り上げは増えず、完全失業率は全国を上回っています。子どもの学びと成長が阻まれ、自殺や不登校、暴力行為が増えています。
こうした現状に、いまの大阪府は余りに無策です。医療体制を強化するどころかコロナ禍でも急性期病床を削減し、“医療崩壊”につながりました。飲食店への時短協力金は遅れに遅れ、飲食店以外への支援は休業要請外支援金と一時支援金のみです。子どもの医療費補助拡充や少人数学級には背を向けたまま、競争を煽る小中学校テストや府立高校つぶしを進めています。府民の財産と健康、安全を奪うカジノを莫大な税金を使い誘致するなどは言語道断です。
医療、検査、保健所の抜本強化で命を守ること、直接給付の大幅拡大を含め大阪の営業と雇用と守ること、教育条件を引き上げ大阪の子どもをコロナ禍と生活苦から守ること、不要不急の公共工事を思い切って精査し、環境と安全を守るまちづくりを進めること-命と暮らしの防衛に全力を傾注することこそ、いま大阪府が総力を挙げるべき道です。2千億円を超えた財政調整基金をはじめ、そのための財源はあります。
この立場から、以下の内容で2022年度追加補正予算および2023年度予算の編成を行うことを求めるものです。
最重点項目
① 「地域医療構想」に基づく、急性期病床をはじめとする病床の削減、回復期病床への転換は中止する。
② 保健所を、政令市・中核市とも協力して増設する。
③ 乳幼児医療費助成制度を「こども医療費助成制度」と改め、対象を18歳まで拡充する。就学前の窓口負担は無料にする。
所得制限は2014年度までの年収860万円以下に戻す。
④ 物価高騰とコロナ禍のもとで収入減少や雇い止めなどの影響を受けている非正規雇用労働者への、一定期間継続した「くらし支援緊急給付金」制度を創設する。
同様に減収となっている中小業者への、家賃、水光熱費、人件費など固定費の補助制度を創設する。
⑤ 府内全公立小中学校で35人学級編成をただちに実施する。
さらに30人、20人学級編成の検討を行う。
⑥ カジノを中核とする統合型リゾート(IR)の大阪への誘致は中止する。
区域整備計画の国への申請は取り下げる。
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1 医療、福祉、介護の拡充で命と健康を守る
(1)新型コロナから命を守る
● 検査体制の強化
① 必要な人への検査が実施できるよう、検査会社へただちに協力を要請し、検査能力を緊急に引き上げる。
② 検査キットを早急に大量確保する。
③ 検査キットを、事業所、学校、保育所などを通じて府民全体に配布し、症状がある場合の積極的活用を呼びかける。
④ 臨時無料検査センターをただちに2次医療圏に設置し、関係機関に協力を要請して体制をとる。
⑤ 無料検査場を全中学校区にただちに設置し、府内で1日3万件以上を目途に実施できるよう拡充する。
検査は予約なしで受けられるように府の責任で体制整備するとともに、収束期も継続する。
⑥ 検査の重要性を積極的に広報し、受検を促す。
⑦ 濃厚接触者に対する検査を行政の責任で行う。
⑧ 高齢者施設等の従事者等への定期検査の受検率を大幅に引き上げる。
陽性者が出た場合の対策として、各施設と協力し提携医療機関を確保する。
検査対象に、医療機関、学校、保育所等の従事者や、各従事者の家族を加える。
⑨ 福祉施設の職員に感染者や濃厚接触者が出た場合、臨時職員を府の責任で配置する。
⑩ 陽性者の全件ゲノム検査を実施し、新たな変異株への対応を強化する。
⑪ 検査機器のオートメーション化などを進め、大量検査に対応できる体制を整える。
⑫ 大阪健康安全基盤研究所への運営費交付金を増額する。研究職、技術職を増員し、コロナ遺伝子解析などを行う体制を強化する。
⑬ 国に対し、高齢者施設等の従事者等への定期検査をはじめ、検査費用をすべて国負担で行うよう求める。
● 医療・療養体制の強化
⑭ 「地域医療構想」に基づく、急性期病床をはじめとする病床の削減、回復期病床への転換は中止する。【最重点項目】
⑮ 65歳以上の感染者は、リスクの有無に関わらず入院の対象とする。
⑯ 高齢者医療介護臨時センターをすべての2次医療圏に設置するなど、入所系福祉施設で感染者を施設内に留め置かない対策を講じる。
⑰ やむを得ず福祉施設で療養する場合、ゾーニングにとどめず、感染者を保護できる場所の確保、人員の配置、往診チームの派遣を行う。
⑱ 医療機関への24時間薬剤配送体制を整備する。
⑲ 病院に一律に感染者受け入れを求めることはやめ、実情に合った機能分化・連携を進める。
⑳ 万全の療養体制を整えるため、医療スタッフ確保に努める。
㉑ 宿泊療養施設を緊急に増やし、希望する感染者がすぐに入所できるようにする。
SOSコールセンターの人員増をはじめとする体制を強化する。
㉒ 高齢者や障がい者、難病患者が感染した場合、看護師以外の介護者を配置できるように制度創設と財政支援を行う。
㉓ 一般クリニックや歯科医院など、コロナ禍により減収となった医療機関への経営支援や財政支援を行う。
㉔ 医師、看護師養成を強化し、復帰をさらに支援する。
看護師養成学校への補助金を拡充する。
㉕ 府立病院機構第4期中期目標は見直し、運営費交付金を増額し職員体制を抜本的に強化する。
㉖ 国に以下の事項を求める。
・ 公立・公的病院の統廃合、急性期病床などの削減計画を中止・撤回する。
・ 診療報酬を改定し、高度な急性期医療を提供する病棟では5対1看護の加算を設け、集中治療室では1.5対1看護を新設するなど、看護師配置基準を改善する。
・ 新型コロナに対応する「特例加算」や検査料などの診療報酬の減額・廃止はただちにやめ、引き上げ・存続する。
● 保健所体制の強化
㉗ 保健所を、政令市・中核市とも協力して増設する。【最重点項目】
㉘ 保健所の保健師、トレーサー、行政職員を大幅に増員する。
増員に当たっては、安易な民間委託は行わない。
㉙ 退職保健師へ協力を要請し、感染拡大期に感染経路をいち早く明らかにする体制を強める。
㉚ 自宅療養者の経過観察を診療・検査医療機関まかせにせず、保健所が責任を持って行う。
地域医療との連携を強化する。
● ワクチンの迅速な接種など
㉛ 高齢者、医療従事者、福祉施設従事者の4回目接種を加速させるために、関係機関の取り組みを支援し推進する。
㉜ 国に対し、治療薬が万全になっていないもとでは新型コロナの感染症法上の位置づけ(2類相当)を変更しないよう求める。
(2)国民健康保険の負担軽減
① コロナ禍が収束するまで、国民健康保険の府内統一料金化は一旦中断する。
コロナ禍収束後も、保険料や減免制度は市町村が独自に設定することを基本とする。
② 保険料抑制や減免のために市町村が独自に法定外繰り入れを行うことを認める。
③ 事業費納付金は、市町村ごとの所得や生活、医療の状況に即し、市町村の意見を尊重して算定する。
④ 国に対し、保険料のコロナ特例減免を2023年度も継続するよう求める。国が継続しない場合は府として実施する。
所得の算定基準はコロナ禍前の2019年を基準とする。
⑤ 未就学児への保険料「均等割」分減額に、府独自に上乗せして対象を18歳まで拡大する。
⑥ 国に以下の事項を求める。
・ 公費を1兆円投入し、高すぎる保険料を引き下げる。
・ 協会けんぽなどの被用者保険と比べ保険料を著しく高くしている「均等割」「平等割」を廃止する。
・ 傷病手当金は被用者だけでなく事業主も支給対象とする。
・ 出産手当金を支給する。
(3)福祉医療費助成制度の拡充
① 乳幼児医療費助成制度を「こども医療費助成制度」と改め、対象を18歳まで拡充する。就学前の窓口負担は無料にする。
所得制限は2014年度までの年収860万円以下に戻す。【最重点項目】
② 老人医療費助成制度をただちに復活する。
③ 重度障がい者医療費助成制度は、患者負担を、院外調剤薬局を含め1回500円以内、1医療機関あたり月3回目から無料、複数医療機関受診時は上限月2500円以内に戻す。
精神障がい者2級への対象拡大を進める。
(4)高齢者の医療、介護、介護予防の充実
① 府独自に介護従事者処遇改善制度を創設する。
② 福祉施設がコロナ禍により閉鎖しないよう、財政的、人的支援を行う。
③ 介護施設が介護ロボットなどの介護福祉機器を導入できるよう、補助率と補助上限を引き上げる。
④ 加齢性難聴者の補聴器購入への補助制度を創設する。
⑤ 国に以下の事項を求める。
・ 75歳以上の医療費窓口負担2倍化を中止する。
・ 70~74歳の医療費自己負担を1割に戻す。
・ 介護保険給付への国負担割合を現行の25%から30%に引き上げ、保険料、利用料の抑制、制度充実や介護提供基盤の拡大を図る。
・ 特別養護老人ホームの入居基準を要介護1以上に拡大する。
(5)障がい者、難病患者への支援
① 大阪難病相談支援センターは、患者の医療支援、行政窓口、交流、学習などの機能を併せ持ったものに拡充する。
② 小児慢性特定疾病医療助成は、対象者が20歳を超えても継続し、自己負担軽減を行う。
③ 障がい者差別解消条例に基づき、合理的配慮を行う市町村による補助額の半分を負担する。
④ 府の職員採用において、障がい者の特別選考制度に難病患者を加える。
⑤ グループホームの入所基準については、利用者の意見をよく聞き、実情に応じたものにする。
(6)生活困窮者への支援
① 生活福祉資金総合支援金の追加申請を理由なく棄却することはしない。棄却する場合は理由を申請者に明らかにする。
② 生活保護世帯、低所得世帯等に対し、エアコンの購入・設置費用(買い替え含む)及び、夏季・冬季電気代への助成を行う。
③ コロナ対策を行いながら熱中症シェルターの設置や熱中症予防のための見守り等を市町村が進められるよう、財政支援を行う。
④ 国に以下の事項を求める。
・ コロナ禍で苦しむ生活困窮者や低所得者を対象に、新たな給付金支給を行う。
・ 生活福祉資金は無条件で無利子にする。
・ 生活保護の基準切り下げを中止する。
削減された生活扶助基準、期末一時扶助や住宅扶助を復元する。
・ 扶養義務の拡大解釈による生活保護受給抑制や、生活困窮者自立支援に名を借りた人権侵害が起こらないよう徹底する。
・ 減額した生活保護の期末一時扶助を復元する。
・ 生活保護ケースワーカーを増員するための市町村支援を強化する。
2 物価高騰とコロナ禍から暮らしと雇用、中小企業を守る
(1)暮らし防衛、安定した雇用と人間らしく働けるルールの確立
① 物価高騰とコロナ禍のもとで収入減少や雇い止めなどの影響を受けている非正規雇用労働者への、一定期間継続した「くらし支援緊急給付金」制度を創設する。【最重点項目】
② コロナ禍で仕事を失った人に対する再就職支援を、民間人材サービス事業者まかせにせず抜本的に強化する。
「OSAKAしごとフィールド」の、広報や相談をはじめとした機能を抜本的に強化する。
③ 中小企業新規就労者の奨学金返済への補助制度を創設し、中小企業への新卒者就労・定着を進める。
④ 高校生向け合同企業説明会を地域別に複数回開催し、幅広い選択肢を提供する。
⑤ ブラック企業、ブラックバイト根絶のために、労働者を守る規制条例を制定する。
⑥ 国に以下の事項を求める。
・ 消費税をただちに5%に減税する。インボイス制度導入は中止する。
・ 小規模事業所への社会保険料負担軽減支援などを抜本的に行い、最低賃金を1,500円に引き上げる。
・ 均等待遇のルール確立、非正規労働者の正規化を促進する。
・ 労働法制の規制緩和を見直し、人間らしく働くルールをつくる。
(2)中小企業支援の強化
① 物価高騰とコロナ禍のもとで減収となっている中小業者への、家賃、水光熱費、人件費など固定費の補助制度を創設する。【最重点項目】
② 営業自粛要請がない中でも売り上げが落ちた事業所が営業を継続できるよう、支援金制度を創設する。
③ 営業時間短縮協力金について、これまでの協力金申請漏れ者に対する再申請受付を行う。
④ 大阪府中小企業振興基本条例第4条に基づいた6分類すべての施策の実施状況を再点検し、遅れている施策の強化、再構築を具体化する。
⑤ ものづくり中小企業関連予算を大幅に増額する。
⑥ 大阪産業局への事務事業委託にあたっては、小規模事業者も含む中小企業全般を視野に入れた支援になるよう方針を持ち、中小企業の現状分析に基づいた支援になるようチェック機能を強化する。
⑦ 住宅リフォーム助成制度、商店リフォーム助成制度を市町村と協力して創設する。
⑧ 制度融資は、円滑な資金調達を支援する立場で、担保・保証依存型だけでなく返済履歴や経営指針書を保証審査の評価項目とし、保証料率の引き下げなどを行う。
⑨ 信用保証協会の位置づけを強化し、経営改善、生産性向上、事業承継、民主的M&Aなどの支援機能を充実させ、企業への周知、セミナーなどを実施する。
⑩ 国に対し公契約法の制定を求めるとともに、府として公契約条例を制定する。
下請け企業の利益と労働者の安全を守り、賃金を保障するよう指導を強める。
⑪ 官公需における中小企業向け発注比率(金額ベース)を、目標を設定し拡大する。
⑫ 商店街振興予算の大幅な増額を図り、空き店舗を高齢者や子どものために活用するためのスタートアップ支援制度創設など、市町村と連携して実情に即した支援策を実施する。
⑬ 大阪産業技術研究所は、府立産業技術総合研究所と大阪市立工業研究所が果たしてきた中小企業の技術支援、地域経済振興の役割が充実されるよう、予算と人員を確保する。
⑭ 最低賃金改定にともなう小規模事業所の雇用を維持するため、資金面や制度面からの支援策を創設し、経営の安定化を応援する。
3 すべての子どもの学びと成長を保障する
(1)学校教育への支援
① 府内全公立小中学校で35人学級編成をただちに実施する。
さらに30人、20人学級編成の検討を行う。【最重点項目】
② 学校・幼稚園などの全職員を対象にコロナの定期・頻回検査を行う。
③ 学校・幼稚園などでコロナ陽性者が発生した場合、当該施設のすべての教職員・児童生徒を対象にPCR検査を行う。
④ 学校での清掃・消毒などの業務を行う「スクール・サポート・スタッフ」を、全公立小中学校に複数配置する。
⑤ 児童生徒数が400人を超える府内すべての公立小中高校で養護教諭を複数配置する。
⑥ 「中学生チャレンジテスト」、「小学生すくすくウオッチ」を中止する。
⑦ 教師OBなどの力を総動員して、府内公立小中学校に「子ども相談支援員」を複数配置する。
⑧ 全公立中学校での全員喫食の完全給食を、財政措置を行い早急に実施する。市町村と協力し、全公立学校での給食無償化を進める。
⑨ 府立学校条例第2条2項を廃止し、機械的な府立高校廃止をやめる。
⑩ 府立学校のトイレ等へ生理用品を常備する。市町村と協力して、小中学校にも同様の措置を継続する。
⑪ 特別支援教育就学奨励費は、コロナによる収入減を考慮し支給する。
⑫ 特別支援学校の深刻な教室不足をただちに解消する新校建設計画を策定し、国の支援制度を活用して整備する。
⑬ 支援学校の看護師配置は職員定数外で配置する。
⑭ 支援学校の通学バスについて、座席の間隔確保、台数増、消毒の徹底などの感染対策を強化する。
通学バスに看護師を配置するとともに、必要に応じて保護者が同乗できるようにする。
⑮ 私立高等学校等授業料支援補助金について、コロナにより収入減となっている世帯の生徒が対象となるよう、またすでに対象となっている世帯の生徒が減収に応じた補助を受けられるよう、所得判定の特例を設ける。
⑯ 私立高校への経常費助成の単価を全国平均水準まで引き上げる。
⑰ 私立小・中・高校の少人数授業化や、マスク、消毒液、換気設備、非接触体温計などの感染防止資材確保への補助制度を設ける。
⑱ 私立小・中・高校の養護教諭配置は、児童・生徒400人以上での複数配置を標準とし、経常費助成加算を行う。
⑲ 大阪公立大学・大阪公立大学高専等の授業料等支援制度に、コロナによる減収を考慮した特例を設ける。学生や保護者の居住要件は廃止する。
⑳ 小学校警備員配置への補助を復活する。
㉑ すべての公立小・中学校、府立高校・支援学校に専任の図書司書を配置する。
㉒ 府立高校のトイレ改修(洋式・ドライ)の第2次計画を持ち、すべてのトイレ改修を進める。
㉓ 府立学校全施設の雨漏り点検を行い、必要な改修を進める。
㉔ 公立小・中・高校、就学前教育施設のすべての教室と体育館への空調設備設置を進める。
(2)子どもの貧困打開と子育て支援強化
① 乳幼児医療費助成制度を「こども医療費助成制度」と改め、対象を18歳まで拡充する。就学前の窓口負担は無料にする。
所得制限は2014年度までの年収860万円以下に戻す。【再掲・最重点項目】
② 児童扶養手当に、子ども1人当たり1万円を少なくとも半年間上乗せ給付する制度を創設する。
DVなどで離婚が成立せず対象外となっているひとり親世帯も申請による給付が行えるようにする。
③ 「新子育て支援交付金」は成果配分枠、優先配分枠とも拡充する。
④ 「子どもの貧困緊急対策事業費補助金」の上限を引き上げる。
⑤ 母子家庭の母親雇用は、就業支援に関する特別措置法に基づき、自治体や地元企業での正規雇用拡大を図る支援を強化する。
⑥ 就学援助の認定基準を生活保護基準の1.5倍程度まで引き上げる。
入学準備金は入学前に支給できるよう全市町村と協議する。
⑦ 子ども食堂への財政支援および朝食提供を府として行うとともに、実施市町村への財政支援を行う。
(3)保育・学童保育への支援
① 保育所や学童保育などの全職員を対象にコロナの定期・頻回検査を行う。
② 保育所や学童保育などでコロナ感染者が発生した場合、当該施設のすべての職員、子どもに検査を行う。
③ “密”保育解消対策としての保育士増員へ財政支援を行う。
④ コロナ禍で保育を継続しているすべての保育士、学童指導員に1人2万円の慰労金を支給する。
⑤ コロナ禍により減収となったひとり親家庭への保育料減免を行う市町村に対する補助を行う。
⑥ 民間社会福祉施設従事職員給与改善費補助金を再開するとともに、賃金引上げなどの保育士の処遇改善を国に強く求める。
⑦ 保育士宿舎借り上げ支援事業の市町村負担の半分を府が補助する。
⑧ 新規採用保育士の奨学金返済の一部を負担する事業所への補助制度を創設する。
⑨ “密”にならない環境整備のために、学童保育の1支援単位の児童数は原則30人以下で運営するよう促進する。
そのために必要な施設確保、指導員(「放課後児童支援員」資格者)確保の方策を講じる。
⑩ 学童保育運営費単価について、常勤職員を2名以上配置できるよう大幅に引き上げる。
⑪ 学童保育に入所を希望するすべての子どもが入れるように、市町村と協力して拡充に努める。大規模化による詰め込みを解消する。
⑫ 子どもの放課後の安全を守るためにも、学童保育の安易な民間委託は行わないように市町村に働きかける。
(4)児童虐待対策の強化
① 子ども家庭センターの児童虐待対応職員の増員と体制の拡充を進める。
② 市町村窓口に複数の専門員を配置できるように補助制度を創設する。
③ 府警本部の児童虐待対策室や関係機関の連携強化を進めるために、保健師を派遣する。
④ 虐待の早期発見のためにも、全小学校にスクールカウンセラーを配置する。
⑤ 早期発見、対応ができるように、NPOをはじめ民間や地域との連携を強化する。
⑥ 一時保護施設を増設し、一時保護した子どもを安易に自宅に返すことのないようにする。
4 大型開発優先を見直し、防災・安全のまちづくりを進める
(1)カジノ・万博見直し、不要不急の大型開発の中止・延期
① カジノを中核とする統合型リゾート(IR)の大阪への誘致は中止する。
区域整備計画の国への申請は取り下げる。【最重点項目】
② 大阪・関西万博2025は、開催地や会場建設費をはじめ開催計画を根本的に見直す。
③ 阪神高速道路淀川左岸線延伸部の建設は中止する。
淀川左岸線2期事業は、事業費が3倍になるなどの問題が出ており、安全性、需要、採算性などを判断し中止する。
④ なにわ筋線及びなにわ筋連絡線、中之島線延伸の建設は中止する。
⑤ リニア中央新幹線建設は中止するよう国に求める。大阪への延伸要望は撤回する。
⑥ P-PFI方式をはじめとする府立公園・緑地の営利施設化を見直し、潤いと憩い、環境・防災の視点を重視した公園行政に改める。
(2)災害対策の強化
① 避難所の“三密”防止のために、民間施設を含め新たに避難所を確保する。
② 避難所での感染防止資材(パーテーション、簡易ベッド、空調・換気システム、体温計、消毒資機材など)確保のために、市町村への財政支援や府としての備蓄を行う。
③ 社会的距離を確保できる福祉避難所を、市町村と協力して確保、整備する。
④ 河川改修予算を倍加し、改修が必要な56河川について、国にも予算拡充を求めて改修テンポを速め、遅くとも10年以内に終える。
⑤ 盛り土の点検・調査をただちに実施し、危険箇所の安全対策を講じる。
⑥ 南海トラフ巨大地震などに備えた防災・安全対策の予算の抜本拡充を国に要求する。
道路・橋梁・水道などの既存インフラ、マンション・集客施設などの大型建造物の耐震化を、長期計画を定め市町村や事業者を支援し進める。
(3)府営住宅の改善
① コロナ禍による減収などで住宅を必要としている府民への緊急募集枠を拡大し、最長1年半としている入居期間を延長する。
② コロナ禍で減収となった入居世帯は、収入区分に関わらず家賃減免の対象とする。
③ 府営住宅削減計画は中止する。
建て替え時に戸数削減は行わない。
④ 空き家の長期間放置を改め、募集を増やして高い応募倍率を引き下げ、入居者を増やす。
入居補修費用を、指定管理者への委託料とは区別して増額する。
⑤ 建て替えなどによる空き地を活用し、新たな府営住宅や、介護・障がい・保育施設を建設する。
⑥ 府営住宅用地内の樹木せん定・除草、排水管などの維持管理業務は、入居者の負担を軽減するために基本的に府として行う。
5 平和と民主主義を守る
① 憲法9条改憲に反対を表明する。
国に対し、前文を含む日本国憲法の全条項を厳格に守り、平和的・民主的条項を完全実施し、9条を生かした外交を進めることを求める。
② 国に対し、核兵器禁止条約に参加し、唯一の戦争被爆国として核兵器廃絶の先頭に立つことを求める。
③ 安倍元首相の「国葬」は全国民に弔意を強制し内心の自由を侵すものであり、国に対し中止を求める。
④ 旧統一協会およびその関連団体のイベントに対する、知事をはじめ職員の参加・派遣、祝電・メッセージ送付、後援名義の使用許可など、これまでの府と旧統一協会との関係を調査し明らかにする。
今後、旧統一協会およびその関連団体と一切の関係を持たない。
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