2022年8月3日
大阪府知事 吉村 洋文 様
日本共産党大阪府議会議員団
石川 たえ
内海 公仁
新型コロナ第7波から命を守るための緊急要請
新型コロナ第7波が過去最悪の規模で拡大しています。府内の死者は第7波だけで昨日までに176人、人口あたりで東京都の2.4倍にのぼっています。「高熱があり咳が止まらないのに検査も診察も受けられない」「陽性と判明したのに入院も宿泊施設入所も断られた」「保健所の受診相談センターに電話がつながらない」といった事例がすでに頻発しています。
ところが、大阪府の今の医療・検査・保健所の強化策は、この事態に対応するには余りにわずかです。高齢者への外出自粛要請を出したものの、府専門家会議委員からさえ実効性を疑う声が上がっています。
知事は、「死亡率はゼロに近い」などと述べ、濃厚接触者の隔離廃止や感染症法上の5類への引き下げなどを繰り返し主張しています。しかし、オミクロン株でも高齢者の重症化率・致死率はインフルエンザより高く、また後遺症やさらなる変異株発生の危険もあり、根拠のない過小評価を発信するべきではありません。
全国最多の犠牲者を出しているこれまでの失敗を絶対に繰り返さず、一人でも多くの府民の命を守るために、下記の対策を直ちに実行するよう強く要請します。
記
1 検査体制の強化
(1)必要な人への検査が実施できるよう、検査会社へ直ちに協力を要請し、検査能力を緊急に引き上げること。
(2)検査キットを早急に大量確保すること。
(3)抗原検査キットを、事業所、学校、保育所などを通じて府民全体に配布し、症状がある場合の積極的活用をよびかけること。
(4)臨時検査センターを直ちに2次医療圏に設置し、関係機関に協力を要請して体制をとること。
無料検査場を全中学校区に直ちに設置し、府内で1日3万件以上を目途に実施できるよう拡充すること。
(5)高齢者施設等の従事者等への定期検査の受検率を大幅に引き上げること。
陽性者が出た場合の対策として、各施設と協力し提携医療機関を確保すること。
検査対象に、医療機関、学校、保育所等の従事者や、各従事者の家族を加えること。
(6)福祉施設の職員に感染者や濃厚接触者が出た場合、臨時職員を配置すること。
2 医療・療養体制の強化
(1)65歳以上の感染者は、リスクのあるなしに関わらず入院の対象とすること。
(2)高齢者医療介護臨時センターを全ての2次医療圏に設置するなど、入所系福祉施設で感染者を施設内に留め置かない対策を講じること。
(3)やむを得ず福祉施設で療養する場合、ゾーニングにとどめず、感染者を保護できる場所の確保、人員の配置、往診チームの派遣を行うこと。
(4)医療機関への24時間薬剤配送体制を整備すること。
(5)病院に一律に感染者受け入れを求めることはやめ、実情に合った機能分化・連携を進めること。
(6)病床削減・転換は中止し、全ての病床が活用できるように医療スタッフを確保すること。
(7)宿泊療養施設を緊急に増やし、希望する感染者がすぐに入所できるようにすること。
SOSコールセンターの人員増をはじめとする体制を強化すること。
3 保健所体制の強化
(1)自宅療養者の経過観察を診療・検査医療機関まかせにせず、保健所が責任を持って行うこと。
地域医療との連携を強化すること。
(2)保健師、トレーサー、行政職員を大幅に増員すること。
増員に当たっては、安易な民間委託は行わないこと。
4 ワクチンの迅速な接種
○ 高齢者、医療従事者、福祉施設従事者の4回目接種を加速させるために、関係機関の取り組みを支援し推進すること。
5 国への要望
(1)新型コロナに対応する「特例加算」や検査料などの診療報酬の減額・廃止はただちにやめ、引き上げ・存続するよう国に求めること。
(2)高齢者施設等の従事者等への定期検査をはじめ、検査費用はすべて国負担で行うよう国に求めること。
以上
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