物価高とコロナ禍から命と暮らしを守る府政を
-5月大阪府議会の閉会にあたって-
2022年6月9日
日本共産党大阪府議会議員団
団長 石川 たえ
一、本日閉会した5月大阪府議会で、原油価格や物価高騰等の緊急対策としての今年度補正予算(第3号)が可決されました。支援学校生徒の給食費の軽減などが含まれており、私たち日本共産党は賛成しました。
同時に、この補正予算は、原油高と物価高に苦しむ府民と事業者への府の支援策としては規模も内容も極めて不十分です。府独自の財政支出が一切なく、岸田政権の緊急経済対策の枠内にとどまるものです。
また、吉村洋文知事がこの補正予算を議会に提案したのは閉会日の本日であり、議会が予算審議を尽くす点でも問題がありました。私たちは少数会派も含めた十分な質疑と討論を繰り返し求めましたが、維新・公明・自民により拒否されました。
私たちは5月23日、知事に対し、検査・医療・保健所を始めとするコロナ対策の抜本強化、社会保障や教育の負担軽減を含む低所得者や中小業者への直接支援を提案しました。大阪の暮らしと営業の危機がいっそう深刻化する中、府がこれらの支援策を直ちに実行するよう改めて求めます。
一、本日、ギャンブル依存症対策強化を求める国への意見書が、維新・公明・自民を含む全会一致で採択されました。依存症対策は現在でも強化が必要であり、私たちは賛成しました。
しかし、多くの依存症患者を生み出すカジノの誘致こそ依存症対策に逆行するものです。依存症対策を言うならカジノ誘致推進の立場を撤回すべきです。
大阪へのカジノ誘致の是非を問う住民投票の実施を求める署名が提出され、住民投票条例制定を議案とする臨時府議会が8月頃に開かれる見通しです。多額の税投入や収益に見通しがないことも明らかになっている今、知事と大阪市長はカジノ誘致の中止を決断すべきです。
一、府議会議員の視察などでの新幹線グリーン車や航空機ビジネスクラス利用の廃止条例が可決しました。しかし、海外視察に府民の税金を使うことは引き続き容認されたままです。維新の会は、海外視察に名を借りた事実上の豪華海外旅行を2018年までの6年間で7回実施、計5千万円以上もの税金を使っています。海外視察への公費使用は全廃すべきです。
加えて、府職員による議員の質問作成や湯茶食事提供の廃止、コロナ対策特別委員会設置を始めとする議会の機能強化、少数会派の質問・発言機会の保障など、簡素かつ公正、府民に開かれ議論を尽くす府議会への改革こそ必要です。
一、今議会で、維新・公明・自民の18議員が本会議一般質問を行いましたが、物価高対策やコロナ対策の本格的強化、カジノ誘致の中止を求めた質問は皆無でした。府営公園3園の管理運営全体を民間企業に委ねる、維新流「何でも民営化」路線そのものといえる議案に反対したのは私たちだけです。暮らしと営業の危機に追い討ちをかける維新政治を乗り越え、府民本位の成長戦略を持つ日本共産党の値打ちは府議会でも鮮明です。
私たちはこれからも、物価高とコロナ禍からの命と暮らし防衛、カジノ開発政治の転換を目指し奮闘します。
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