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維新の大阪「府市一元化」路線 カジノ・開発推進組織に/内海府議リポート

 大阪の維新政治による「府市一元化」路線の加速によって、カジノ・巨大開発推進組織への変質が進む府政の現状を、日本共産党の内海公仁(うちうみ・きみひと)府議がリポートします。


 長期化するコロナ禍で府民のいのちとくらしの不安がひろがっています。しかし維新府政には第6波で全国最多の死者を出したことへの反省も教訓もありません。

■人もカネも

 維新政治のもとで、万博の夢洲(ゆめしま)開催に加えて、カジノを中核とする統合型リゾート(IR)の誘致、そのための道路・鉄道などインフラ整備プロジェクトなどが強行されようとしています。
 これらを大阪府と大阪市が一体で進めるための組織機構として、①副首都推進局②IR推進局③大阪港湾局④大阪都市計画局⑤万博推進局を次々とたちあげてきました(表1)。府・市から合わせて千人近い職員を集めて推進しています。これらに割いている人員と財源は、コロナ対策や大阪経済を支える中小企業や商業などの振興のためにこそ使うべきです。
 さらに、これらの政策を提唱し、安倍晋三・菅義偉内閣との太いパイプをつくり、財界を抱き込むために橋下徹知事時代から活用してきたのが特別顧問制度です。


表1 「府市一元化」組織
組織名 職員数 22年度予算規模 特徴
副首都推進局 43人 2.8億円 「都構想」が2度の住民投票で否決され、無用な組織
IR推進局 39人 6.4億円 カジノ推進の組織。府民にとって害
大阪港湾局 625人 58.5億円 一元管理で大型港化推進が中心になり、各港の独自性や地域の水産・観光業に有害
大阪都市計画局 126人 54.8億円 中心市街地、湾岸地域開発のまちづくり優先で、府域全体のまちづくりが後景に
万博推進局 153人 34.4億円 財界とゼネコン主導で府民のくらし、地域経済循環に資するものになっていない
※職員数のうちIR推進局と都市計画局は2022年4月1日現在、他の3局は22年1月1日現在

 維新の会の設立ブレーンでもある上山信一慶応大教授をはじめ、新自由主義の“スーパースター”が勢ぞろいです。
 今年2月15日の衆院予算委員会中央公聴会に維新推薦で登場して自己弁護の発言に終始した原英史氏、安倍内閣の恫喝(どうかつ)人事を取り仕切り“コネクティングルーム出張”で話題になった和泉洋人氏、IR・ゲーミング学会理事で万博誘致構想メンバーの橋爪紳也氏、竹中平蔵経済財政担当大臣時代の補佐官だった岸博幸氏、元東京都知事の猪瀬直樹氏など、つぎつぎ議会の同意もなく自由に委嘱してきました(表2)


表2 特別顧問(一部)
上山 信一 維新の会設立ブレーン、政策特別顧問
橋爪 紳也 IR・ゲーミング学会理事、万博誘致構想メンバー
原 英史 竹中平蔵氏ブレーン、(株)政策工房社長
岸 博幸 竹中平蔵大臣当時の補佐官
猪瀬 直樹 元東京都知事
佐々木信夫 橋下氏推薦。元東京都職員
赤井 伸郎 内閣府経済財政諮問会議専門委員
土居 丈朗 元社会保障制度改革推進本部・医療介護WG委員
和泉 洋人 安倍内閣の首相補佐官(人事取仕切り)、”コネクティングルーム出張”で問題に
森下 竜一 内閣府規制改革推進委員、バイオベンチャー「アンジェス」創業者

 また府は、竹中平蔵氏が会長を務めるパソナグループと多くの事業の委託契約を結んでいます。ゴロナ禍での飲食店の時短営業協力金の給付事務を25億円余りで請け負いながら、まともに仕事もできずに給付金が飲食店にいつまでも届かなかったのも、吉村洋文維新府政に加え、竹中平蔵氏にも責任があります。竹中氏は、大阪IR事業者の一員であるオリックスの社外取締役でもあります。
 2度の住民投票で、大阪市民は「大阪都」構想=大阪市廃止にノーの審判を下しました。しかし維新はこの民意に背き、府・市の多くの事業や財源を一本化する「府市一元化」条例を昨年3月に府市で制定し、これに基づく行政組織の再編を加速。福祉の増進を図る役割が形骸化され、カジノ・巨大開発推進組織への変質が進んでいます。

■あり地獄へ

 3月議会最終日、府・市議会はそれぞれ「特定複合施設区域整備計画認定」申請=カジノ誘致議案を維新と公明などの賛成多数で可決。吉村知事は4月下旬の国の申請期限までに提出するとしています。
 維新による大阪カジノ計画は、どこから見ても「過大な集客と売り上げ見込み」です。ところが「事業者による推計」というだけで根拠さえも示していません。カジノ業者のMGMの幹部が「2%がギャンブル依存症になる」と証言したように、深刻な依存症患者をたくさんつくり、人生も家族も社会も崩壊させるのがカジノです。
 しかも、府・市と専業者の「協定書」によると、①汚染土壌改良や液状化対策、地盤沈下対策などで必要な追加工事は事業者が施工するが、その費用は府・市に請求する②工事内容や資金調達、コロナの影響など投資リターンに著しい悪影響を与える事象が発生し事業実施が困難と事業者が判断した場合は、協定を解除する-となっています。それまでに府・市が投入した費用はムダになるなど、どう見ても事業者有利の計画です。
 こんな危険な計画を許してしまえば、事業期間は35年間(延長30年)で、途中で府・市が「カジノをやめる」との判断をしでも、1兆円の事業者の投資額を府・市が弁済しなければなりません。まさに「あり地獄」そのものです。
 吉村知事は3月末、大阪・関西万博の参加国集めなどを口実に松井一郎大阪市長などとともに、閉会まぎわのドバイ万博を訪問。しかし、万博参加国募集の権限と責任は国です。深刻なコロナ感染状況のなか、知事と市長がそろって、随行含めて15人ものドバイ視察団は必要とはいえません。
 維新政治がこのまま続くことは、府民のくらしも大阪の産業・経済も破壊されます。将来にわたって、人の不幸を踏み台にして格差を広げるまちになってしまいます。
 日本共産党の参院選での勝利・躍進と、来春の府議選での現有2議席確保・前進が、弱肉強食の新自由主義を転換、「カジノはいらない」の声を政治に届け、維新政治の暴走を食い止める最大の力です。



「しんぶん赤旗」2022年4月25日付より



   


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