2021年7月19日
大阪府知事 吉村 洋文 様
日本共産党大阪府議会議員団
石川 たえ
内海 公仁
コロナ禍から大阪経済、中小企業と雇用を守る重点要望
昨年来のコロナ禍で、時短営業や外出自粛の要請が繰り返されるなか、大阪の経済の主役である自営業者や飲食店、中小企業などの経営は深刻な打撃を受けています。国や府で協力金などの支援制度が設けられていますが、金額や対象を始め、自営業者の苦境に見合ったものには到底なっていません。
また、非正規労働者を中心に雇い止め失業が増え、青年・女性を中心とした貧困が拡大しています。コロナ禍による雇用と暮らしの落ち込みに寄り添う支援策が求められています。
国内の労働者の実質賃金は、1997年と比較して2019年には約10%減少しています(OECD調査)。他のOECD加盟国が15%から38%増加していることと比べても日本の落ち込みは重大です。大阪では、全労働者のうち非正規労働者が4割を超え全国よりも高い比率です。非正規労働者の多くが最低賃金に張り付いた賃金である状況からみて、最低賃金の水準は府民の家計に直結しています。賃上げの実現は、消費と経済の域内循環を活性化させ大阪経済を立て直すかなめをなすものです。
よって、下記の事項について要望するものです。
記
1 中小業者支援を強化する
(1)「営業時間短縮協力金」の審査体制を抜本的に強化し、申請後半月以内をめどに支給する。申請に必要な書類を簡素化する。
(2)自粛要請の影響で減収となっているにもかかわらず「営業時間短縮協力金」もしくは「酒類販売事業者支援金」の対象となっていない事業者に対する支援制度を設ける。
(3)飲食店等の感染対策を、補償や費用補助の充実によって協力を求めることを基本に強化する。要請に従わない店への命令、過料などの措置は慎重に行う。
(4)「ゴールドステッカー」の申請を簡素化する。「ゴールドステッカー認証店舗等」を、まん延防止等重点措置期間中の飲食店における酒類提供の要件から除外する。
(5)持続化給付金および家賃支援給付金の再給付を政府に求める。
2 雇用とくらしを守る
(6)国と協力し、大阪府内でのリストラや雇い止め、非正規労働者の休業手当不支給などの実態をつかみ、対策を講じる。
(7)9月末までとされている雇用調整助成金コロナ特例を、少なくとも今年度末まで延長するよう政府に求める。
(8)最低賃金を今年から時給1,000円以上に引き上げ、1,500円を早期に実現するよう政府に求める。
(9)中小企業の賃上げ支援予算を抜本的に拡充する。社会保険料の事業主負担分を賃上げ実績に応じて減免する制度をつくるなど、賃金引き上げのための具体策を強化するよう政府に求める。また、府独自に支援策をおこなう。
(10)保健師、看護師、教員、保育士などをはじめ、有資格公務労働者をはじめとした正規労働者の拡大に努める。
(11)労働者保護の立場に立ったいわゆる「ブラック企業」規制条例、下請け賃金の適正化や品質確保を保証する公契約条例を制定する。
(12)緊急に消費税を5%に減税し、景気回復と暮らし応援の緊急減税を実施するよう政府に求める。
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