２０２１年６月９日

　　　　　提出者
　　　　　　大阪府議会議員
　　　　　　　内海　公仁　　　　　石川　たえ　　　　　野々上　愛

第１号議案の組み替えを求める動議

　第１号議案「令和３年度大阪府一般会計補正予算（第３号）の件」を、下記により組み替えるよう要求する。

記

　令和３年度大阪府一般会計補正予算（第３号）の歳出及び歳入より、大阪都市計画局共同設置に係る準備経費４９，６１７千円を削除する。

提出理由
　大阪都市計画局の共同設置は、都市計画に関する権限を大阪市から奪い、大阪府の都市計画事業を大阪市内に集中させ、府域全体のまちづくりへの府の責任を後退させるものである。また、昨年の大阪市廃止・特別区設置住民投票の結果が示した民意にも反する。
　よって、本議案の補正予算より該当する予算を削除し減額するため、本動議を提出する。

　日本共産党の内海公仁です。
　ただいま議題となりました、第１号議案「令和３年度大阪府一般会計補正予算（第３号）」に対する組み替えを求める動議について、提出者を代表して提案趣旨の説明をおこないます。
　組み替えを求める内容は、令和３年度大阪府一般会計補正予算（第３号）の歳入及び歳出より、大阪都市計画局共同設置に係る準備経費４９，６１７千円を削除するものです。
　提案理由について述べます。
　大阪都市計画局の共同設置は、これまで大阪市が、政令指定都市として与えられた権限をもとにしておこなってきたまちづくりの基本となる都市計画の権限と決定権を大阪市から奪い、「事務委託」という手法により大阪府に移すための組織づくりです。
　これは、地方自治の執行について住民にとってより身近な基礎自治体に比重を移す、地方自治権の拡大という歴史的な経過に逆行するものです。
　しかも都市計画の決定権を大阪府に移すことによって、基礎自治体の長と議会の役割を弱めてしまうことにもなります。民主主義の原理に踏み込む危険な行為と言わなければなりません。
　また、これによって大阪府は都市計画事業を大阪市内中心部やベイエリアに集中させ、府域全体のまちづくりに対する責任や比重を後退させることにつながります。　そのことは、現に計画されているグラントデザイン・大阪に示されたメニューから見ても明らかです。
　そもそも、昨年１１月１日行われた、「大阪市廃止・特別区設置住民投票」において、反対票が多数となり「政令指定都市」大阪市の権限と財源を大阪府に移譲することは「否決」されたのが住民投票の結果でした。
　ところが吉村府知事と松井大阪市長は、直後からこの結果を無視して府市一体化の条例づくりをねらい、議会の多数を背景にして先の２月議会で条例化したことそのものが、自らが「究極の民主主義」としてきた住民投票の民意に反するものと言わなければなりません。コロナ対策に全力を挙げるべき今、不毛な組織いじりは止めるべきです。
　よって、原案である第3号補正予算より、該当する予算額を削除し減額するため、本動議を提出するものです。　
議員各位のご賛同をお願いして、提案趣旨説明とさせていただきます。
ありがとうございました。