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府民守る予算要望提出 共産党大阪府議団 三つの柱で重点項目

 日本共産党大阪府議団は2日、「コロナ禍から府民を守るための2020年度追加補正予算および2021年度予算編成についての重点要望」を吉村洋文知事あてに提出しました。
 要望は、①医療・検査体制の緊急感化②くらし・雇用・営業を守る③子どもの安全を守り成長を保障する-の三つの柱で重点項目を挙げ、そのうち最重点項目として▽府の責任で検体採取能力目標を1日1万〜2万検体に拡大し、“感染震源地”住民全体、府内すべての医療・福祉従事者に検査を行う▽コロナ禍による収入減となる医療機関に経営支援を行う▽福祉職場で働く職員に一律2万円の慰労金を支給する▽「大阪都」構想は中止する▽コロナ禍で長期にわたって売上減が続く中小企業・個人事業所に持続化支援の給付金制度を追加する-など10項目を掲げています。
 提出にあたり石川多枝団長は、新型コロナウイルスの感染拡大を食い止め、府民の生命と健康を守り、落ち込む雇用と営業を“誰一人取り残さず”支えることこそ、いま府が取り組むべき課題であり、「大阪都」構想をコロナ禍のさなかに強行することは言語道断だと批判。内海公仁政調会長は、先行きが見えない深刻な中小企業の実態を見据えた対策が必要だと述べました。
 山野謙副知事が応対しました。




「しんぶん赤旗」2020年9月4日付より


要望書全文は以下の通りです。

2020年9月2日

大阪府知事 吉村 洋文 様

日本共産党大阪府議会議員団
石川 たえ
内海 公仁

コロナ禍から府民を守るための2020年度追加補正予算および2021年度予算の編成についての重点要望



はじめに

 新型コロナウイルス感染拡大の波に世界と日本、大阪が繰り返し襲われ、いのち・くらし・経済の甚大な被害が続いています。
 感染拡大を食い止め府民の生命と健康を守ること、そして落ち込む雇用と営業を“誰一人取り残さず”支えることこそが、いま大阪府が総力を挙げて取り組むべき課題です。
 府はこれまで、新型コロナ対策に関わる補正予算を8号まで編成しました。しかし、その多くは国施策の具体化で、財政調整基金の取り崩しなど「府独自」支出も、その多くが国交付金などにより復元される見込みです。
 また府は、不要不急の事業を新型コロナ対策のために見直すとしましたが、府民の多くが反対しているカジノ誘致や需要の見込みのない高速鉄道・道路建設などは依然として推進する姿勢を変えていません。ましてや大阪市を廃止・分割し、大阪市民と府民に多大な負担を強いる「大阪都」構想を、コロナ禍のさなかに強行することは言語道断です。
 この立場から、以下の内容で、2020年度追加補正予算を緊急に編成するとともに、2021年度予算編成を行うことを求めるものです。

最重点項目

① 大阪府内における新型コロナウイルスの“感染震源地”を明らかにし、住民全体の検査を行う。
  医療機関や保育所、福祉施設をはじめ、エッセンシャルワーカー全員の検査を行う。
  検体採取能力目標を1日1万~2万検体に拡大し、府内18保健所管内に行政検査のできる検査センターを設置する。
  設置にともなう、臨床検査技師や看護師などの職員の確保と財政支援を府の責任で行う。
  民間医療機関における検査体制確立のために、人件費を含む財政支援を行う。

② 新型コロナウイルス感染者入院用の病床確保目標をただちに3千床以上に引き上げ確保を急ぐ。特に重症病床を早急に確保し、ただちに運用できるようにする。
  帰国者接触者外来をはじめ、病床確保に努める医療機関、コロナ患者受け入れ医療機関の経営悪化を防ぐために、減収分を全額補填する。

③ 一般クリニック、歯科医院等、コロナ禍による収入減となる医療機関への経営支援、財政支援を行う。

④ 福祉職場で働く職員に一律2万円の慰労金を支給する。

⑤ 大阪市を廃止し解体する「大阪都」構想は中止する。
  少なくとも、計画中の住民投票はコロナ感染拡大の状況から見て実施時期を延期する。

⑥ カジノをエンジンとした統合型リゾート(IR)を断念する。
  カジノ(IR)構想と一体になった大阪・関西万博2025は、開催場所も含め根本的に見直す。

⑦ コロナ禍の影響で長期にわたって売上減少が続く中小企業、個人事業所に対し、持続化支援の給付金制度を追加する。
  支給決定要件の減収率は緩和する。

⑧ 収入減少が続く非正規労働者に、一定期間継続した「くらし支援給付金」制度を創設する。

⑨ 教室での身体的距離を確保するため、府内すべての公立小中高校で20人程度の授業ができるように、府として小中高校の教員を増員する。

⑩ 「中学生チャレンジテスト」は廃止する。
  来年度公立高校入学者選抜への、中学2年時の「チャレンジテスト」結果転用はやめる。
  来年度からの「小学生すくすくテスト」は中止する。




1 医療・検査体制を緊急強化し府民のいのちと健康を守る

【1】検査体制の強化
 (1) 大阪府内における新型コロナウイルスの“感染震源地”を明らかにし、住民全体の検査を行う。【最重点項目】
 (2) 医療機関や保育所、福祉施設をはじめ、エッセンシャルワーカー全員の検査を行う。【最重点項目】
 (3) 検体採取能力目標を1日1万~2万検体に拡大し、府内18保健所管内に行政検査のできる検査センターを設置する。
   設置にともなう、臨床検査技師や看護師などの職員の確保と財政支援を府の責任で行う。
   民間医療機関における検査体制確立のために、人件費を含む財政支援を行う。【最重点項目】
 (4) 人工呼吸器、体外式膜型人工肺(ECMO)について、政府の専門家会議の試算に見合う台数と専門職員を配置する。
 (5) 検査機器のオートメーション化など、一気に大量に検査が行える体制を構築する。

【2】医療体制の強化
 (1) 新型コロナウイルス感染者入院用の病床確保目標をただちに3千床以上に引き上げ確保を急ぐ。特に重症病床を早急に確保し、ただちに運用できるようにする。
    帰国者接触者外来をはじめ、病床確保に努める医療機関、コロナ患者受け入れ医療機関の経営悪化を防ぐために、減収分を全額補填する。【最重点項目】
 (2) 無症状者及び軽症患者の受け入れを強化するために、宿泊施設借り上げを増やす。
   やむなく自宅療養を行う陽性患者に生活物資を届ける制度を創設する。
 (3) 一般クリニック、歯科医院等、コロナ禍による収入減となる医療機関への経営支援、財政支援を行う。【最重点項目】
 (4) 発熱外来へのテント設置などへの支援金の給付は早急に行う。
   国支援以外に必要な空調等の設備に伴う経費を大阪府として負担する。
 (5) 医療従事者の賃金補償のために、医療機関への財政支援を行う。
 (6) マスク、防護服等の備蓄は従前を踏襲せず、オーバーシュートに備えて必要数を確保する。
 (7) 公立・公的病院の統廃合、病床削減計画は断念するよう国に求める。
    府として公立・公的病院を確保する。
 (8) 「大阪モデル」の基準は、感染症専門家の知見を元に、「府民に対する非常事態の基準」を患者受入重症病床使用率「50%以上」とするなどに見直す。

【3】保健所、衛生研究所の強化
 (1) 保健所への財政措置を少なくとも2007年度の水準まで直ちに引き上げる。
   府内全ての保健所に保健師をはじめとする専門職員、事務職員を大幅増員し、コロナ対策に当たるとともに、通常業務が滞りなく行えるようにする。
 (2) 中核市、政令市の保健所職員を大幅増員するための財政支援を行う。
 (3) 府立病院機構、大阪健康安全基盤研究所の運営交付金を増額し、感染症部門をはじめとした専門職員の体制を強化する。

【4】高齢者、障がい者などへの支援
 (1) 高齢者、障害者、難病患者等の家族が感染した場合、やむなく自宅療養というリスクを回避するために、家族の受け入れ態勢を強化する。
 (2) 高齢者や障害者施設での感染予防をはじめ、コロナ禍による面会謝絶、面会制限により認知症等の発症を防ぐために、臨時職員をすぐに増員できるよう、財政支援を行う。
 (3) 福祉職場で働く職員に一律2万円の慰労金を支給する。【最重点項目】

【5】国民健康保険
 (1)  国民健康保険料率と減免制度の府内“一本化”はせず、市町村が独自に設定することを基本とする。
    市町村が保険料抑制や減免などのために法定外繰り入れを行うことを認める。




2 くらし・雇用・営業を守り大阪経済を支える

【1】「大阪都」構想の中止
 (1) 大阪市を廃止し解体する「大阪都」構想は中止する。
   少なくとも、計画中の住民投票はコロナ感染拡大の状況から見て実施時期を延期する。【最重点項目】
 (2) コロナ禍の影響と対策をふまえた財政見通しをもとに、「特別区設置協定書」を抜本的に見直す。

【2】府民目線での「事務事業の見直し」の徹底
 (1) これまでのインバウンド中心の「成長戦略」を根本から改め、ポスト・コロナに対応する事務事業見直しを実施する。
 (2) カジノをエンジンとした統合型リゾート(IR)を断念する。【最重点項目】
 (3) カジノ(IR)構想と一体になった大阪・関西万博2025は、開催場所も含め根本的に見直す。【最重点項目】
 (4) 阪神高速道路淀川左岸線2期及び延伸部の建設は、工法の安全の担保もないものであり、将来交通量の分析も含めて見直し・中止する。
 (5) なにわ筋線及びなにわ筋連絡線、中之島線延伸の建設は中止する。
 (6) 府職員による入札情報漏洩事件が発覚したモノレール延伸事業は一旦中止し、需要予測も含めて投資効果を再検証する。
 (7) 安全性、環境保全、エネルギーコスト、採算性など多くの問題を残したままのリニア中央新幹線建設は中止するよう国に求める。
    大阪への延伸要望は撤回する。

【3】中小企業支援
 (1) コロナ禍の影響で長期にわたって売上減少が続く中小企業、個人事業所に対し、持続化支援の給付金制度を追加する。
支給決定要件の減収率は緩和する。【最重点項目】
 (2) 国の各種給付金制度(持続化給付金、家賃支援給付金、雇用調整助成金等)の活用を促進するとともに、制度の改善を国に働きかける。
 (3) コロナ禍にともなう融資制度では、金利負担を最小(ゼロ金利も含む)にする。
売上回復の困難な事業所に対する、返済免除の仕組みをつくる。

【4】雇用とくらしへの支援
 (1) 収入減少が続く非正規労働者に、一定期間継続した「くらし支援給付金」制度を創設する。【最重点項目】
 (2) 国と協力して、リストラ、雇い止め、休業手当不支給などの実態調査を実施し、対策を講じる。
 (3) 国に対して、最低賃金時給1,500を早期に実施するよう求める。
 (4) 中小企業の賃上げを支援するために、社会保険料事業主負担分の「賃上げ支援減免制度」を府独自でも実施し、国への支援強化を求める。
 (5) 緊急に消費税率を5%に軽減するとともに、さらに税率を引き下げるよう国に求める。

【5】災害対策と感染防止
 (1) 避難所の“三密”防止のために、民間施設を含めた避難所確保計画を確立する。
    民間施設確保のための財政支援を制度化する。
 (2) 避難所での感染防止資材(パーテーション、簡易ベッド、空調・換気システム、体温計、消毒資機材等)の確保のために、市町村に対して、事前備蓄、確保計画を再点検するよう求める。
    府としても一定規模の災害を想定した備蓄、財政支援などをおこなう。
 (3) 公設の避難所だけで足りない場合を想定し、分散型避難、在宅避難などのためのマニュアルを作成し、普及する。

【6】文化・芸術への支援
 (1) 文化団体、芸術家などのコロナ禍での実態調査をおこない、対策を講じる。
 (2) 財政的困難に陥っている文化団体、芸術家などへの減収補填などの支援を行う。

【7】府営住宅の改善
 (1) コロナ禍のもとで、現行の府営住宅削減計画を廃止し、すべての府営住宅を供用できるよう再整備をおこなう。
 (2) 府営住宅の入居者募集の条件にコロナ減収等で住宅を必要としている府民への緊急募集枠を設ける。
 (3) コロナ禍での家計急変に伴う家賃の減免、納付猶予制度を実施する。
 (4) 空き家になっている住戸の入居募集を増やし、高い応募倍率を引き下げて入居者を増やす。
 (5) 空き家への入居が進むよう、管理委託事業者に対して、入居補修のための費用を委託費用とは区別して増額する。




3 子どもの安全を守り成長を保障する

【1】学校での感染対策
 (1) 学校園や保育所等で感染者が発生した場合、当該施設のすべての教職員・保育士、子どもにPCR検査を行う。
 (2) 学校園の全教職員にPCR検査を定期的に実施する。
 (3) マスク、消毒液、換気設備、非接触体温計などの感染防止資材を確保し、府内全公立学校に配備する。
 (4) 学校での清掃・消毒などの業務を行う「スクール・サポート・スタッフ」を、国の計画に上乗せして全公立小中学校に複数配置する。
    同事業の市町村負担はなくす。
 (5) 養護教諭を、児童生徒数が400人を超える府内すべての公立小中高校に複数配置する。

【2】少人数教育の推進
 (1) 教室での身体的距離を確保するため、府内すべての公立小中高校で20人程度の授業ができるように、府として小中高校の教員を増員する。【最重点項目】
 (2) プレハブ建設や公共施設も活用して府立学校の教室を確保する。
    市町村の教室確保への補助制度を設ける。

【3】無理のない教育課程
 (1) 年度当初予定の教育課程を本年度中に終えることを前提とした「学校再開後の教育課程の編成・実施について」を改め、学校現場の創意工夫と自主性を保障することを前提に、学習内容の一部次年度繰越を認める文科省通知を踏まえた助言を行う。
 (2) 「中学生チャレンジテスト」は廃止する。
   来年度公立高校入学者選抜への、中学2年時の「チャレンジテスト」結果転用はやめる。
   来年度からの「小学生すくすくテスト」は中止する。【最重点項目】

【4】学習支援と学習条件整備
 (1) 教師OBなどの力を総動員して、府下市町村立小中学校に「子ども相談支援員」を複数配置する。
 (2) 全公立中学校での給食全員喫食化を、財政措置を行い早急に実施する。市町村と協力し、全公立学校での給食無償化をすすめる。
 (3) 特別支援教育就学奨励費は、新型コロナによる収入減を考慮し支給する。
   市町村に対し、支援学級児童生徒の奨励費および就学援助についても同様の対応が行われるよう徹底する。
 (4) オンライン教育の推進に当たっては、教育格差が生じないよう、教員と各家庭との条件整備を十分に行う。
   支援員を国の計画に上乗せして増員する。

【5】支援学校での感染対策
 (1) 支援学校の、プレハブ建設などによる教室確保と教職員などの増員を早急に行う。
 (2) 過密過大を解消するため、知的障がい支援学校整備の「基本方針」を抜本的に見直し、新校建設を大幅に増やす。
 (3) 支援学校の通学バスについて、座席の間隔確保、台数増、消毒の徹底など感染対策を強化する。

【6】私立学校への支援
 (1) 私学授業料補助金について、新型コロナにより収入減となっている世帯の生徒が対象となるよう、またすでに対象となっている世帯の生徒が減収に応じた補助を受けられるよう、所得判定の特例を設ける。
 (2) 私立学校の少人数授業化、マスク、消毒液、換気設備、非接触体温計等感染防止資材確保への補助制度を設ける。

【7】保育・学童保育での感染対策
 (1) すべての保育士、放課後児童クラブ指導員、放課後等デイサービス指導員等にPCR検査を実施する。
 (2) マスク、消毒液、換気設備・空気清浄機、非接触体温計等感染防止資材を確保し、保育所、放課後児童クラブ等に配備する。

【8】児童虐待対策の強化
 (1) 子ども家庭センターの児童福祉司、保健師、看護師、臨床心理士など専門職員を増員する。
   市町村窓口に複数の専門員を配置できるように補助制度を創設する。

【9】大学生への支援
 (1) 府立大学・大阪市立大学等「授業料等支援制度」に、新型コロナによる減収を考慮した特例を設ける。学生や保護者の居住要件は廃止する。
 (2) 国に対し、学生支援緊急給付金の大学ごとの「枠」を撤廃し、支援が必要な学生すべてを大学が推薦できるようあらためるよう求める。
 (3) 国に対し、すべての大学・専門学校の授業料半減を求める。

 



   


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