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大規模集中検査を早く 大阪府に共産党府議団 対策の転換迫る


(左から)石川たえ府議、内海公仁府議

 日本共産党大阪府議団は3日、大阪府に対し、新型コロナウイルス「第2波」への緊急対策を求める要望を提出しました。
 要望書では、現在の府の対策について「『ミナミ』中心部の飲食店への休業要請などのみで、感染拡大を食い止める実効ある方策はほとんど打ち出されていない」と指摘。「“感染者の後追い”にとどまっている現在の対策を転換し、市中感染がすでに拡大していることを前提にした大規模かつ集中的な対策をとること」が必要と述べています。
 その上で、▽感染拡大地域・業種の住民と従事者、医療・福祉従事者へのPCR検査実施▽PCR検査能力を1日1万~2万件へ引き上げ▽条件のある全医療機関へ検体採取の協力要請▽感染者病床3千床以上を緊急確保、減収分を全額補償▽対策に必要な専門職員と事務職員を各保健所に大幅増員-など9項目を求めています。
 要望を行った石川多枝府議は「大阪の感染拡大はすでにミナミ中心部だけではなくなっており、今の『有症者と濃厚接触者』対象の検査だけでは拡大を防げない」と強調。内海公仁府議は「感染を広げる可能性がある人を明らかにして保護・隔離することに踏み込むべき」と述べ、検査の対象と体制の抜本拡大を提案しました。




「しんぶん赤旗」2020年8月4日付より

要望書は以下の通りです。

2020年8月3日

大阪府知事     吉村 洋文 様
大阪府健康医療部長 藤井 睦子 様

日本共産党大阪府議会議員団
石川 たえ
内海 公仁

新型コロナ「第2波」への緊急対策を求める要望

 いま大阪は、新型コロナ「第2波」が「第1波」を大きく上回る規模で連日拡大する、極めて重大な事態となっている。
 府は先週、2度の対策本部会議を開催したが、示された対策は「ミナミ」中心部の飲食店への休業要請などのみで、感染拡大を食い止める実効ある方策はほとんど打ち出されていない。このままでは府内全域に感染が急拡大し、“医療崩壊”を招き、府民の生命と生活にかつてない被害がもたらされかねない。
 必要なことは、“感染者の後追い”にとどまっている現在の対策を転換し、市中感染がすでに拡大していることを前提にした大規模かつ集中的な対策をとることである。検査体制を飛躍的に引き上げ、検査によって明らかになった陽性者を隔離し治療する医療体制を緊急に構築することが急務である。
 以上の立場から、下記の対策を緊急に実行するよう要望する。

1 検査体制の緊急強化

(1)感染拡大している地域、業種を明確にし、すべての住民および従事者に緊急にPCR検査を行う。
   すべての医療・介護・福祉・保育従事者にPCR検査を定期的に行う。
   医療・福祉施設の入院患者・入所者、公共交通・警察・消防・ごみ収集・流通など社会生活の維持に不可欠な仕事を担う労働者などへの検査を大規模に行う。

(2)現在1日約2,500件としているPCR検査能力拡大目標をただちに1万~2万件以上に引き上げ、緊急に確保し検査を実施する。
   そのために、検査機関と検体採取場所、機器と専門職員を確保するとともに、府内外の研究機関や民間検査機関に協力を要請する。

(3)条件のあるすべての医療機関に検体採取への協力を要請し、PCR検査キットなどの資材提供、動線確保などへの補助、減収への補償を行う。

(4)市町村ごとに、毎日の検査数、新規感染者数、陽性率を公表する。

(5)学校園や保育所等で感染者が発生した場合、当該施設のすべての教職員・保育士、子どもにPCR検査を行う。

2 医療体制の緊急強化

(6)現在1,615床としている感染者病床確保目標をただちに3千床以上に引き上げ、緊急に確保する。
   バックアップする医療機関も含め、減収分を全額補償する。

(7)無症状者の宿泊施設を数千室規模で確保する。
   自宅療養者へ生活物資を届け、体調管理を行う体制をつくる。

(8)マスク、防護服など医療資材を大量確保する。

3 保健所の緊急強化

(9)各保健所に、以上の対策を講じるに必要な専門職員と事務職員を大幅増員する。
   政令保健所の体制強化へ財政補助を行う。



   


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