2019年9月17日
大阪府知事 吉村 洋文 様
日本共産党大阪府議会議員団
石川 たえ
内海 公仁
大阪府北部地震および2018年台風21号被災から1年にあたっての重点要望
昨年6月の大阪府北部地震、9月の台風21号から1年余りが経過しました。
しかし、通行止めのまま開通のめどが立っていない道路、農業施設の復旧の遅れなど、生活と生業の再建は未だ途上と言わざるを得ません。北部地震によって甚大な被害を受けた摂津市は、被災住宅の4割が未補修という調査結果を公表しています。さらに、府内公立学校738校で現在も危険ブロック塀が残されており、倒木が復旧されていない山林で土砂崩れが起きるなど、新たな災害の危険も指摘されています。
府民の生命と財産を守ることこそが府政の最大の責務であるという立場から、重点的に下記を要望するものです。
記
(1)住宅の復旧
① 府内の住宅被害の復旧状況を調査し公表する。
② 大規模以外の半壊および一部損壊への支援制度を独自に設けた市町村が支援を継続できるように府として財政措置を行う。
③ 手抜き工事や法外な料金を請求するといった悪徳業者の実態を把握し指導を強化するとともに、認証業者等の情報や相談窓口を周知する。
④ 被災者生活再建支援法の抜本拡充を国に強く求めるとともに、府としての大規模以外の半壊および一部損壊を含めた恒常的な住宅被災者支援制度の創設を検討する。
(2)農林水産業、商工業の復旧
① 府内の中小企業および小規模事業者、農林業者の被害の復旧状況を調査し公表する。
② ビニールハウス等の復旧のための資材や改修業者の確保を急ぎ、情報を周知する。
③ 山林の倒木の復旧を、国の支援強化も求めて、安全を確保しつつ急いで進める。倒木箇所で発生した土砂崩れの復旧を直ちに行う。
(3)危険ブロック塀対策
① 府立学校および市町村立学校の危険ブロック塀撤去・改修を、国や市町村と協力し今年度中に全て完了させる。ブロック塀撤去後の、必要な場所への軽量フェンス等の設置に財政支援を行う。
② 民間住宅等の危険ブロック塀撤去・改修を抜本的に進めるため、ブロック塀等除却緊急促進事業を大幅に拡大し来年度以降も実施する。通学路に面したブロック塀は期限を明らかにして対策をとる。
(4)道路、河川等の改修
① 府道亀岡能勢線の復旧及び国道173号線の法面復旧工事を急ぐ。
② 現在も不通等で住民生活に支障を及ぼしている道路の状況を把握し、管理者と協力し復旧を急ぐ。
③ 改修が必要な56河川について、河川改修予算を倍加するとともに国にも予算拡充を求め、遅くとも10年以内に終える。
④ 東除川の南恵我之荘付近の護岸、道路の改修を急ぐ。
⑤ 府営公園の倒木撤去等を速やかに完了する。
(5)当面の災害対策
① 指定避難所について、独自に避難者1人当たり3.5㎡以上(スフィア基準)をめどに、市町村と協力して確保をすすめる。市町村と協力し段ボールベッドの備蓄を行う。
② 避難所施設となる体育館等のエアコン設置を緊急に進める。全避難所施設の耐震化状況を把握し、公表する。
③ 府としてブルーシートの備蓄を行う。業界やNPO団体などと協力して発災時の設置のための体制をとる。
④ 防災、建築、医療・福祉をはじめとした専門職員を計画的に増員、養成する。
以上
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