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暮らしと子ども危機打開・被災者支援 府議団が重点要望

 日本共産党大阪府議団の宮原たけし、石川たえ両府議は31日、「府民の暮らしと子どもをめぐる危機打開、被災者支援のための2018年度予算の補正および府民施策の拡充についての重点要望」書を松井一郎知事あてに提出しました。
 要望書は、大阪の児童虐待相談件数が過去最高となっていることなどくらしと子どもをめぐる危機が深刻となつている背景に、福祉後退などの10年間の維新府政の悪政があると指摘し、全22項月を要望。このうち最重点項目として▽児童虐待対策の強化▽学校へのエアコン設置促進▽大阪北部地震での住宅被害への支援の充実▽小中、高校、支援学校、幼稚園のブロック塀撒去への補助-など8項目を掲げ、具体的に提案しています。
 石川氏は学校の特別教室と避難所にもなっている体育館へのエアコン設置、中学校給食の全員喫食は貧困対策からも重要として府の補助を重ねて要望。
 応対した濵田省司副知事は体育館への設置は厳しいとし、中学校給食の全員喫食は「市町村の判断。府が補助する考えはない」と述べました。
 宮原氏は「府民のくらし、安全が目の前で脅かされている。カジノや、なにわ筋線などの大型開発とどちらが大事かを考える時期にきている」と強調しました。




「しんぶん赤旗」2018年9月1日付より



共産党府議団が提出した「府民の暮らしと子どもをめぐる危機打開、被災者支援のための2018年度予算の補正および府民施策の拡充についての重点要望」は以下の通りです。

2018年8月31日

大阪府知事 松井 一郎 様

日本共産党大阪府議会議員団
      宮原 たけし
      石川 たえ

府民の暮らしと子どもをめぐる危機打開、被災者支援のための
2018年度予算の補正および府民施策の拡充についての重点要望

 大阪府北部地震から2か月が経過しました。被災した府民の生活と生業の再建はほとんどこれからです。加えて西日本豪雨や異常な猛暑、相次ぐ台風など、大阪と日本は度重なる自然災害に襲われています。今いる被災者の支援と、今後の災害対策の抜本的強化が急務です。
 府民の暮らしと子どもをめぐる危機も重大です。大阪の児童相談所が対応した児童虐待相談件数は、2017年度は1万8412件(政令市含む)と過去最高となりました。貧困を背景とした子どもの“荒れ”や学習の遅れも改善のきざしがありません。高齢者の所得は全国以上に落ち込み、孤立や生活苦が深刻です。この背景に大阪経済の長期低迷と中小企業の困難があります。
 しかし、このような府民の危機に対し、維新・松井府政は無策といわざるをえません。知事は「(北部地震被災者が)7月中には日常生活を取り戻せるように…取り組んでいきます」(6月27日)とのべたものの、住宅「一部損壊」被災者への支援は事実上ごく一部に義援金を配布しただけで、大多数の被災者には何の支援も行っていません。
 暮らしと子どもの危機に対応する予算と施策もきわめて貧弱です。そればかりか、そもそもこうした危機を招いた原因は、老人・障害者の医療費補助削減など福祉の後退、少人数学級を実施しないなど教育条件整備の放棄、危険河川改修の先送りなど防災軽視、ものづくり・商店街振興予算削減など地域経済置き去りなど、10年間の維新府政の悪政です。
 このうえ巨費を投じたカジノ誘致や新たな高速道路・高速鉄道建設に突き進み、その“隠れ蓑”とするために夢洲への万博誘致を進めることは許されません。
 府民の暮らしと子どもをめぐる危機を打開し被災者を支援するために、以下の内容で2018年度補正予算を編成し、府民施策を拡充することを求めるものです。

最重点項目

1 児童虐待対策の強化
  ①子ども家庭センターの児童虐待対応職員の増員と体制の拡充をすすめる。
  ②市町村窓口に複数の専門員を配置できるように補助制度を創設する。

2 中学校給食の全校・全員喫食を促進するために、府として補助制度を創設する。市町村が中学校給食を就学援助の対象とした場合、費用の一部を府が負担する。

3 学校へのエアコン設置促進
  ①小中学校へのエアコン設置補助を国に強く求めるとともに、ただちに普通教室、特別教室にエアコン設置ができるよう、府として補助制度をつくる。
  ②災害時に避難所となる体育館へのエアコン設置と管理運営費の補助を国に求めるとともに、学校施設として利用する場合の管理運営費の一部を府が負担する。

4 大阪北部地震での住宅被害への支援
  ①被災者支援法の対象とならない全壊と大規模半壊、半壊家屋への補助制度を市町村と協力してつくる。国に対して被災者支援法の抜本拡充を求める。
  ②市町村が行っている一部損壊家屋の改修への補助に大阪府として財政支援を行う。
  ③地震で耐震機能が下がった住宅の改修に活用できるよう、木造住宅耐震改修補助制度を拡充する。同制度の「1981年以前に建築された住宅」という要件を撤廃する。

5 小中学校、高校、支援学校、幼稚園のブロック塀と通学路のブロック塀で危険なものは直ちに撤去する。市町村が先行して行っている場合は遡及して補助を行う。

6 河川改修の大阪府予算を3倍化するとともに、国に予算拡充を求め、40年かかる河川改修を10年で終わる計画をつくる。

7 国民健康保険「府内一本化」を市町村に押しつけず、市町村独自の保険料率・減免制度設定、法定外繰入を認める。

8 国民と府民のなけなしのお金を奪いギャンブル依存症を増やすとともに経済効果もないカジノの誘致は中止する。


(1)保育所待機児解消、保育士の処遇改善
  ①民間社会福祉施設従事職員給与改善費補助金を再開するとともに、国に保育士の処遇改善加算の拡充を強く求め、賃金引上げ等の保育士の処遇改善をすすめる。
  ②保育士宿舎借り上げ支援事業の市町村負担の半分を府が補助する。
  ③新規採用保育士の奨学金返済の一部を負担する事業所への補助制度を創設する。
  ④子どもの安全と成長を保障するために、保育支援員や業務アシスタントで保育を分断するような安易な規制緩和は行わず、保育の質を守る。

 今年4月1日時点での府内の待機児数は昨年比513人の減少であるが、依然677人の待機児がいる。計画的な施設整備をはじめ受け皿の拡大をした市町村で待機児数の減少があるものの、依然として待機児対策は急務であると考える。子どもを安心して預けられるという事は保護者の就労を支え、ひいては貧困対策にもつながる。
 待機児数が増えている市町村だけでなく、減少した市町村でも、受け皿となる保育所整備をすすめる上で、ネックになっているのが保育士の確保である。そのためにも保育士の処遇改善が必要である。
 保育人員を確保する上で、保育支援員などが挙げられているが、そもそも、保育所は保護者が就労している間に安全に子どもを見守り、健全に健やかに子どもを育てていく施設である。安易な規制緩和は保育の質の低下につながる。いのちの危険と隣り合わせの保育所で安全に健全に子どもを育てることはできない。

(2)児童虐待対策の強化【最重点項目】
  ①子ども家庭センターの児童虐待対応職員の増員と体制の拡充をすすめる。
  ②市町村窓口に複数の専門員を配置できるように補助制度を創設する。
  ③府警本部の児童虐待対策室や関係機関の連携強化を進めるために、保健師を派遣する。
  ④虐待の早期発見のためにも、全小学校にスクールカウンセラーを配置する。

 格差の拡大や雇用の不安定化・流動化などを背景にした保護者の生活が、ダイレクトに子どもに影響している。保護者の年齢が低い場合、公的制度もあまり知られておらず、生活の苦しさからネグレクトや身体的・精神的虐待につながるケースも少なくない。児童福祉司等の増員や大阪府警の児童虐待対策室設置など、児童虐待への対応が強化されているとはいえ、児童虐待への対策は緊急を要する。
 通報窓口となる子ども家庭センターでは、児童虐待に対応する職員1人あたりの相談件数は全国の2倍近くにのぼっている。児童虐待の他にも、非行、養護相談や里親相談など家庭支援、障害認定・不登校・引きこもりなど健全育成、地域の子育て支援などの業務を行っている。仕事量の多さから、職員の体調やメンタル面での不良も少なくない。さらなる体制強化を急ぐ必要がある。

(3)支援教育の充実
  ①小中学校の支援学級在籍児童生徒が通常学級にも所属する場合、支援学級担任以外に補助教員を必ず普通学級に1名以上配置する。
  ②特別支援学校の看護師を教員定数の枠外で増員する。高度医療サポート看護師を府内で5人以上に増員する。
  ③知的障害支援学校の整備計画は、現場と保護者の声をよく聞き新設を基本に見直し、過密解消をすすめる。

 府の「将来推計」によると、知的障害支援学校の児童生徒は2026年度までの10年間で約1400人増加する。支援を必要とする子どもたちの教育環境の整備が求められている。
 過密解消を理由にした、特別教室の利用や間仕切りによる教室利用は、子どもたちの教育環境を劣悪にし、学ぶ権利を奪うものであり、行うべきではない。

(4)国の加配教員の活用や府独自の教員加配で、35人以下学級を小学校全学年まで拡大する。

 貧困家庭の子どもには学習時間が確保されておらず、学歴や収入に大きな差が広がっていることが明らかになっている。貧困対策の一環として学習支援をすすめるとともに、一人ひとりの個性と可能性を伸ばす教育をすすめることが必要である。
 少人数教育をすすめることは、生活実態を掌握し一人ひとりの子どもの成長を見守り、問題行動を減少させ、学習の理解度を高めるなど、貧困の連鎖を断ち切っていく上でも重要である。

(5)中学校給食の全校・全員喫食を促進するために、府として補助制度を創設する。市町村が中学校給食を就学援助の対象とした場合、費用の一部を府が負担する。【最重点項目】

 学校給食法は「適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ること」を給食の目標として掲げている。子どもの貧困率が全国2番目に高い大阪で、学校給食だけが1日の食事である子どもも少なくない。中学校での全員喫食を子どもの貧困対策と位置づけ、市町村と協力してただちにすすめるべきである。

(6)学校へのエアコン設置促進【最重点項目】
  ①小中学校へのエアコン設置補助を国に強く求めるとともに、ただちに普通教室、特別教室にエアコン設置ができるよう、府として補助制度をつくる。
  ②災害時に避難所となる体育館へのエアコン設置と管理運営費の補助を国に求めるとともに、学校施設として利用する場合の管理運営費の一部を府が負担する。

 普通教室へのエアコン設置率は大阪は全国と比べると高いものの、全く設置されていない自治体が残されている。成人でも気温・室温が28度を超えると思考能力が低下することが明らかな中で、室温40度を超えるような教室で児童生徒が学習している実態は、学習環境があまりにも劣悪と言わざるを得ない。
 また、学校体育館は避難所指定されている所も多い。発災後にエアコンを設置するのでは被災者の命が守れない状況も生まれてくる。

(7)中小企業の社会保険料を公費負担する制度の創設など、中小企業支援とセットで、最低賃金をただちに1000円に引き上げるよう国に求める。

(8)大阪の中小企業に就職した若者の奨学金返済補助制度を府として創設する。

(9)大阪北部地震での住宅被害への支援【最重点項目】
  ①被災者支援法の対象とならない全壊と大規模半壊、半壊家屋への補助制度を市町村と協力してつくる。国に対して被災者支援法の抜本拡充を求める。
  ②市町村が行っている一部損壊家屋の改修への補助に大阪府として財政支援を行う。
  ③地震で耐震機能が下がった住宅の改修に活用できるよう、木造住宅耐震改修補助制度を拡充する。同制度の「1981年以前に建築された住宅」という要件を撤廃する。

(10)大阪北部地震被災者の国民健康保険・介護保険について市町村が減免を行う場合、大阪府として支援を行う。

(11)大阪府内の水道管の老朽化と耐震化の遅れは一刻の猶予もならない。国に補助制度の抜本拡充を求めるとともに、大阪府として補助制度をつくる。

(12)小中学校、高校、支援学校、幼稚園のブロック塀と通学路のブロック塀で危険なものはただちに撤去する。市町村が先行して行っている場合は遡及して補助を行う。【最重点項目】国に対し、補助制度をつくり遡及して実施するよう求める。

(13)河川の改修・維持管理
  ①河川改修の大阪府予算を3倍化するとともに、国に予算拡充を求め、40年かかる河川改修を10年で終わる計画をつくる。【最重点項目】
  ②河川内の土砂撤去、樹木の伐採、河床の補修、上流の樹木の伐採等、維持補修を強化する。

(14)土砂災害特別警戒区域内の住宅の移転・補強補助制度を拡充する。

(15)熱中症等を防ぐために、大阪府内のひとり暮らしの高齢者の安否確認を、市町村や民間事業者、自治会等と協力して行う。

(16)高齢者の健康維持のためにも住宅改造助成を復活する。木造住宅耐震化補助とマンション耐震化補助を国と協力して抜本的に拡充する。

(17)国民健康保険の負担軽減
  ①「府内一本化」を市町村に押しつけず、市町村独自の保険料率・減免制度設定、法定外繰入を認める。【最重点項目】
  ②加入者の負担軽減のため、所得の16%を超える国保料をなくすよう、市町村とともに援助する。

(18)重度障がい者医療費助成制度の対象に精神障害者2級の通院を加える。

(19)現在就学前までの乳幼児医療費助成制度を小学校卒業まで広げる。

(20)阪神高速道路淀川左岸線2期工事は第三者を入れて安全性を再検討する。延伸部の工事は費用対効果の面から中止する。

(21)3300億円を費やし、関空へのアクセス時間を5~7分短縮するだけで、御堂筋線の乗客を10万人減らすなにわ筋線建設は中止する。

(22)カジノ誘致中止、万博誘致中止
  ①国民と府民のなけなしのお金を奪い、ギャンブル依存症を増やすとともに経済効果もないカジノの誘致は中止する。【最重点項目】
  ②夢洲への万博誘致は安全性の点からも中止する。




   


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