防災担当大臣 小此木八郎様
総務大臣 野田 聖子様
文部科学大臣 林 芳正様
厚生労働大臣 加藤 勝信様
国土交通大臣 石井 啓一様
2018年7月12日
日本共産党
大阪府議会議員団
高槻市、守口市、枚方市、茨木市、箕面市
豊中市、吹田市、寝屋川、摂津市各議員団
大阪北部地震への対応に関する要望
6月18日朝、大阪府北部を震源として発生した震度6弱の地震は、大阪での観測史上最大の震度の地震として府内で死者4人、負傷者360人、住家被害26,230棟以上(7月9日現在)など大きな被害を出した。
塀の倒壊により2人の命が奪われた。学校のブロック塀の倒壊により通学路を歩いていた小学4年生の女子児童が亡くなったという痛ましい事故は、これまでの震災の教訓が生かされていなかったもので、政治の責任が鋭く問われている。
大阪北部地震は都市近郊の住宅密集地域を直撃した震災であり、住まいに甚大な被害が生じていることが大きな特徴である。住宅被害のほとんど、26,109棟、99.5%(同)が「一部損壊」で、被災者生活再建支援法の対象から外れ、何の支援もないのが現状である。被災者の生活再建のためには、過去の事例にとらわれることなく必要な支援を緊急に行うこと、「一部損壊」への支援が急がれる。
私たちは地震発生直後から被災住民などから多くの切実な要望をお聞きしてきた。これを踏まえ、以下の諸点を要望する。
記
一、住宅の「一部損壊」に対する支援、被災者生活再建支援制度の改善を行うこと
1、住宅の「一部損壊」に公的支援を行うこと。
一部損壊といっても住める状況にないなど、家屋の大規模な補修を要する状況がある。被災者の声に応え「一部損壊」への公的支援に踏み込まれたい。
2、住宅の「一部損壊」所帯の国保料、介護保険料、後期高齢者保険料を国として軽減の対象にすること。
3、住宅の「一部損壊」所帯へ住民税、固定資産税の減免をする自治体に地方財政措置を行うこと。
4、被災者生活再建支援制度の改善を行うこと。
①支援金の上限を300万円から500万円に引き上げること
②半壊の支援金を引き上げること
5、被災者の要望に耳を傾け、過去の事例にとらわれることなく必要な支援を行うこと
二、ブロック塀の撤去・解体、軽量フェンスへの取り換えなどへの支援について
学校施設はもとより、保育所、幼稚園、社会福祉施設、通学路をはじめとする生活道路、避難場所や避難道路のブロック塀の撤去・解体、軽量フェンスへの取り換えなどへの支援を進められたい。
1、安全点検がされないままの所が多くある。専門家の派遣など人員を大幅に増員して実態を早急に把握されたい。
2、財政支援については、各自治体が独自に補正予算を組んで推進に当たっているが、すべてを措置できるものにはなっていない。国として、自治体の助成金制度に支援を緊急に行うことを求める。
三、木造住宅耐震改修助成制度の要件緩和による制度の活用を周知するとともに、同制度への国の財政支援を強めること
京都府は、「木造住宅耐震改修工事補助制度」の要件を緩和し、地震被害の屋根修理に対する補助を行うことを明らかにした。
大阪府の同制度は、対象は1981年以前に建築された住宅で、40万円の定額補助(低所得者は60万円)、大阪市は独自の上乗せで対象は2000年以前の住宅、補助額は費用の2分の1(上限100万円、加算あり)となっている。
府は同制度の活用について「81年以前という基準が一つの壁」としているが、宮本岳志衆院議員にでも「国はあらかじめそのような要件は設定していない」と答弁している(7月5日、衆院国土交通委員会)。自治体が柔軟に判断できることを周知するとともに、国の財政支援を強めることが必要である。
四、淀川堤防(芥川の城西橋付近を含む)の縦断亀裂など被害箇所の対策を進めること
淀川堤防は最大で幅3センチ、長さ百数十メートルの縦断亀裂が10カ所(大阪・高槻市2、寝屋川市、摂津市、枚方市各1、京都・八幡市2、伏見区、宇治市、城陽市各1)、高水護岸損傷1カ所(高槻市)など14カ所の被災箇所が確認されている。二次災害を生まないように本復旧工事など対策をすすめること。
以上
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