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“開発型”府政改めよ/共産党府議団が予算要望提出

 日本共産党大阪府議団は15日、「2018年度の予算編成および施策についての重点要望」を松井一郎知事あてに提出し、応対した濱田省司副知事と懇談しました。
 宮原たけし府議は、維新府政はこの10年間、府民施策を全面的に後退させ「大阪は不健康・貧困都市になりつつある」と指摘。一方、従来からの不要・不急の大型開発を継続し、カジノ誘致や新たな高速道路・高速鉄道建設に突き進み、そのテコとして夢洲への万博誘致を進めているとし、「“開発型”府政を抜本的に改め、府民福祉の向上、教育条件整備、中小企業支援に府政の重点を思いきって切り替えるべきだ」と述べました。
 子どもの貧困対策・貪困の連鎖解消にかかわって、高槻市で行っている中学生全員対象の給食、小学校での35入学扱が学力向上や暴力件数の顕著な低下など大きな効果をあげていると強調しました。
 石川たえ府議は、子どもの貧困対策として食事・学習への支援は喫緊の課題だと強調。府の福祉医療助成制度の「再構築」で従来通り継続するとされていた子ども医療費助成制度を精神病床入院には適用しないとしていることを批判し、助成を継続するよう求めました。
 濱田副知事は「だされた要望、提言を検討したい」と述べました。
 要望は、▽カジノ誘致の中止▽阪神高速道路淀川左岸繰延伸、なにわ筋線の建設中止▽4月からの国民健康保険「都道府県化」にあたり保倹料率と減免制度の府内一本化をやめる▽福祉医療費助成制度の障害者の患者負担引き上げ中止▽35人以下学級の小学校全学年と中学校1年までの拡大、中学校での全員対象の給食-など七つの最重点項目と、「大阪都」構想中止など九つの柱での重点項目を掲げています。




「しんぶん赤旗」2018年1月16日付より



共産党府議団の「2018年度の予算編成並びに施策についての重点要望」は以下の通りです。

2018年度の予算編成並びに施策についての

重点要望

2018年1月15日

大阪府知事 松井 一郎 様

日本共産党大阪府議会議員団
団長 宮 原 威

はじめに

 児童虐待や子どもの暴力行為の多発、高齢者の孤立と生活苦、貧困を背景とした犯罪や自殺など、地域社会の存立を脅かす事態が府内各地で広がっています。子どもの貧困率や介護保険認定率が全国を上回るなど、大阪は不健康・貧困都市になりつつあります。
 雇用者報酬や可処分所得の落ち込みにみられるように、大阪の経済と府民生活も全国を大幅に下回り悪化しています。全国の経済指標はリーマンショック以前に回復しつつありますが、大阪は長期低迷から回復できていません。
 国による庶民増税や社会保障改悪、中小企業切り捨てなどが追い討ちをかけたことが大阪の困難の大きな要因です。同時に、大阪府としても、こうした状況に歯止めをかけるために、1990年代の“開発型”府政を抜本的に改め、府民福祉の向上、教育条件整備や中小企業支援に府政の重点を思い切って切り替えるべきでした。
 ところが、橋下府政とそれを引き継ぐ松井府政は、医療、福祉、教育、子育て、安全、経済、文化など、府民生活を支援する施策を全面的に後退させました。一方で従来からの不要・不急の大型開発を継続し、さらにカジノ誘致や新たな高速道路・高速鉄道建設に突き進み、そのテコとして夢洲への万博誘致を進めています。
 維新府政10年の大失政・大悪政が今日の大阪の困難を招いた一因であることはもはや明瞭です。府政の抜本的な転換を強く求める立場から、以下の最重点項目・総項目を要望するものです。

最 重 点 項 目

① カジノは、ギャンブル依存症を広げ府民の勤労意欲を低下させるとともに、経済効果も期待できないものであり、誘致は中止する。

② 阪神高速道路淀川左岸線延伸部やなにわ筋線の建設は中止する。淀川左岸線2期は安全性を厳しく精査し、中止を含めて見直す。

③ 2018年度からの国民健康保険「都道府県化」にあたっては、保険料率と減免制度の府内一本化はせず、市町村が独自に設定することを基本とする。市町村が独自に保険料抑制や保険料減免などのために法定外繰り入れを行うことを認める。独自に保険料率・減免基準の設定や法定外繰り入れを行う市町村に対し、交付金・補助金等を減額することはしない。

④ 福祉医療費助成制度の、障害者の患者負担引き上げは中止する。65歳以上の、精神1級以外の精神通院医療対象者・重度以外の難病患者・結核患者への助成を継続する。乳幼児・ひとり親家庭医療費助成制度の精神病床入院への助成を継続する。

⑤ 35人以下学級を小学校全学年と中学校1年まで拡大する。「大阪府子どもの生活に関する実態調査」の結果を踏まえ、子どもの貧困対策を抜本的・総合的に強化する。「新子育て支援交付金」の大幅拡充、就学援助の拡充、中学校給食の全員喫食化などをすすめる。

⑥ 中小企業の社会保険料を公費負担する制度の創設など、中小企業支援とセットで、最低賃金をただちに1000円に引き上げるよう国に求める。若者の就業を促進し定着を図るためにも、新規採用者の奨学金返済の一部を補助する。

⑦ 局地的集中的豪雨から府民の生命と財産を守るため、河川改修予算を倍加し、遅くとも20年以内に改修を終える。河川上流の森林整備を抜本的に強化する。河川の堆積土砂対策予算を抜本的に増やす。府の治水目標を引き上げ、新たな河川改修計画の検討を開始する。



1.夢洲でのカジノ・万博、大型開発、「大阪都」構想は中止する

 ① 大阪は人口当たりのパチンコ台数が日本一であるが、ギャンブル依存症対策は全国的にもまだ試行段階に過ぎず、依存症患者数の予測すらされていない。カジノは、ギャンブル依存症を広げ府民の勤労意欲を低下させるとともに、経済効果も期待できないものであり、誘致は中止する。「カジノ実施法」の国会への提案は見送り、国民的議論を尽くすよう国に求める。
 ② 阪神高速道路淀川左岸線延伸部(税金負担1800億円)やなにわ筋線(税金負担1950億円)の建設は中止する。淀川左岸線2期は安全性を厳しく精査し、中止を含めて見直す。
 ③ 大型開発と連動し2700億円以上を費やす、夢洲での2025年大阪万博の誘致は中止する。
 ④ 安全・環境・エネルギー・採算性など多くの点で問題があるリニア中央新幹線建設は中止するとともに、受注企業による談合疑惑の徹底究明を行うよう国に求める。大阪への延伸要望は撤回する。
 ⑤ 敦賀~大阪間の北陸新幹線は、住民の利便性、採算性、在来線の縮小が懸念されるなどの立場から、中止も含めて検討する。整備新幹線建設など大型開発優先は改め、防災、暮らし、福祉型に公共事業の重点をおくよう国に求める。
 ⑥ 「大阪都」構想や副首都構想は中止する。
 ⑦ 咲洲庁舎から撤退し、府庁舎は大手前に集約する。
 ⑧ 「特区」を活用した雇用、医療、教育、農業、都市開発などの規制の緩和と撤廃、企業を呼び込む税制の優遇策は、本当に経済振興に役立っているか現時点で検証する。

2.医療・福祉・介護の充実に最大限の努力を払うとともに、国に制度改悪の中止を求める

(1)国民健康保険の負担増抑制
 ① 2018年度からの国民健康保険「都道府県化」にあたっては、保険料率と減免制度の府内一本化はせず、市町村が独自に設定することを基本とする。市町村が独自に保険料抑制や保険料減免などのために法定外繰り入れを行うことを認める。
 ② 独自に保険料率・減免基準の設定や法定外繰り入れを行う市町村に対し、交付金・補助金等を減額することはしない。
 ③ 府から市町村への交付金の算定基準から、現在の府交付金の交付基準にある、赤字解消や収納率向上・医療費の無理な抑制・法定外繰り入れ解消など住民いじめにつながりかねない項目は除外する。
 ④ 学資保険や児童手当の差し押さえなど行き過ぎた収納対策、資格証乱発や短期証の「超短期化」などは改めるよう市町村に求める。
 ⑤ 精神・結核医療給付金制度は現行制度を維持する。
 ⑥ 事業費納付金の算定にあたっては、市町村ごとの所得や生活、医療の状況に即し、市町村の意見を尊重する。
 ⑦ 府一般会計からの法定外繰り入れなど、国保への府の独自補助を大幅に拡充する。
 ⑧ 国に対し以下の事項を求める。
  (1) 国保への国庫負担を条件をつけずに拡充し、高すぎる国保料を引き下げる。
  (2) 福祉医療費助成へのペナルティを全廃する。

(2)福祉医療費助成制度の患者負担増中止・拡充
 ① 障害者医療費助成制度の患者負担は、院外調剤含め1回500円以内・1医療機関あたり月3回目から無料・複数医療機関受診時は月2500円以内という現行水準を引き上げることはしない。
 ② 65歳以上の、精神1級以外の精神通院医療対象者・重度以外の難病患者・結核患者への助成を継続する。
 ③ 乳幼児・ひとり親家庭医療費助成制度の精神病床入院への助成を継続する。
 ④ 精神障害者への対象拡大にあたっては、精神1級については入院も対象とする。精神障害者2級への拡大を検討する。
 ⑤ 患者負担の月額上限超過分の自動償還制度を全市町村で早急につくる。
 ⑥ 障害者・難病患者・医療関係者の意見を聴取する場を早急に設ける。
 ⑦ 当面、子どもの通院助成を小学校卒業までに拡大し、所得制限を2014年度までの年収860万円以下に戻す。

(3)高齢者の介護・医療、介護予防の充実
 ① 広域型特別養護老人ホームへの府建設補助金を2009年度の水準に復元(1床あたり270万円を371万円に)し、特別養護老人ホーム建設・待機者解消を計画的にすすめる。
 ② 施設利用者の「補足給付」の厳格化に伴う影響・実態を府として把握するとともに、市町村と協力した支援・助成(負担軽減や居住する場の確保等)を実施する。
 ③ 2015年度から実施された介護保険及び介護報酬改定、要支援1・2の訪問・通所介護の市町村総合事業への移行の影響を市町村と協力して実態把握し、「介護難民」を出さないための支援策を検討・実施する。介護職員の処遇改善を国に求めるとともに、府としても独自策を検討する。
 ④ 高齢者の介護予防、認知症予防、健康づくりを市町村と協力し抜本的に強める。公的機関への認知症診断タッチパネルの設置普及や「認知症対応人材」(認知症サポート医や看護師及び認知症サポーター等)の育成などをすすめる。
 ⑤ 高齢者住宅改造助成事業を復活する。
 ⑥ 国に対し以下の事項を求める。
  (1) 70~74才の医療費自己負担を1割に戻す。75歳以上の原則1割負担を堅持する。
  (2) 70歳以上の高額療養費制度の自己負担上限引き上げはしない。
  (3) 後期高齢者医療制度の保険料特例軽減は、現在の水準を維持する。
  (4) 介護保険給付への国負担割合を現行の25%から30%に引き上げ、保険料・利用料の抑制、制度充実や介護提供基盤の拡大を図る。

(4)救急医療をはじめとする医療の充実で府民の命と健康を守る
 ① 救急医療の充実
  (1) 三次救急医療を担う救命救急センターの医師、スタッフ、病床数を増やし、必要な患者を原則受け入れられるよう体制充実をはかる。千里救命救急センターの補助金を増額する。
  (2) 2次救急告示病院を増やし、府内全体の救急体制強化をはかる。
  (3) ドクターカーの増加、救命救急士の養成など、市町村とともに命を守る搬送体制の強化をはかる。
 ② 住吉市民病院閉院にあたり、重度心身障害児の医療的ケア、レスパイト入院、短期入所など同病院が担っていた小児・周産期の医療機能が継続されるよう、大阪市とともに責任を果たす。そのさい、地元住民、医療関係者等への説明と合意形成を図りながらすすめる。
 ③ 特定検診、がん検診の負担軽減や受診率向上を図るため、市町村・受診者への補助制度を創設する。
 ④ 医師、看護師等の養成・確保を強化し、復帰を応援する。地域医療確保修学資金を充実する。
 ⑤ 先進医療や高額医療費となる治療を受診した際の医療費助成制度や、融資の利子補給制度を府独自に創設する。
 ⑥ 大阪健康安全基盤研究所は、府民の健康と環境保全に対して府立公衆衛生研究所が果たしてきた役割を強化するよう、当面府の予算を07年度の水準に増額し、体制整備と機能充実をはかる。

(5)障害者・難病患者支援を強化する
 ① 医療型障害児者入所施設をはじめとする重度障害者の入所施設を、府内で当面2か所新設する。
 ② 障害者福祉作業所などへの建設補助を復活する。
 ③ 難病患者や精神障害者を含め、障害者の正規雇用を増やす。難病患者の府への採用制度をつくる。法定雇用率達成への小規模企業への支援を強化する。
 ④ 精神障害者の交通機関利用の助成制度を交通事業者に求める。
 ⑤ 障害者総合支援制度の「応益負担」は速やかに廃止し、利用料は無料にするよう国に求める。
 ⑥ 発達障害者への療育、教育、雇用などきめ細かな支援を検証しながら充実する。
 ⑦ 放課後児童デイサービスは、事業者の指定時の立ち入り調査だけでなく開設後も定期的に調査を行い、人権侵害を防ぎ適切な支援が行われるよう指導する。
 ⑧ 難病患者の医療支援、行政窓口、交流・学習等の機能を併せ持った「難病センター」を設置する。
 ⑨ 小児慢性特定疾病医療費助成の対象年齢の拡充と自己負担の軽減を行う。

(6)生活保護の受給抑制は行なわず、適切かつ公正な実施をはかる
 ① 国に対し、生活扶助の削減中止、住宅扶助の復元を求める。
 ② 「扶養義務」の過大解釈による受給抑制や生活困窮者自立支援に名を借りた申請権の侵害などが無いよう、市町村及び管内福祉事務所への指導を徹底する。
 ③ 夏季及び年末一時金を復活する。
 ④ 生活保護世帯へのエアコン設置のための補助制度を創設する。
 ⑤ 生活福祉資金の融資は無条件で無利子にする。
 ⑥ ケースワーカーの増員を国に求める。

3.“子どもの貧困”打開へ、子育て応援に力を注ぐ

(1)子どもの貧困打開と子育て支援の抜本的強化
 ① 乳幼児・ひとり親家庭医療費助成制度の精神病床入院への助成を継続する。(再掲)
 ② 新子育て支援交付金は成果配分枠、優先配分枠ともに拡充し、貧困対策を強化する。
 ③ 母子家庭の母親の雇用は、就業支援に関する特別措置法に基づき、自治体や地元企業での正規雇用拡大を図るなど支援を強化する。
 ④ 児童扶養手当の拡充を国に求める。
 ⑤ 子ども食堂を実施する市町村に対し、新子育て交付金の枠外で貧困対策として支援できるよう制度を創設する。
 ⑥ 就学援助について、認定基準を生活保護の1.2倍以上にするよう、また入学準備金を入学前に支給するよう全市町村と協議する。国に2分の1補助の復活を求める。

(2)保育・学童保育の待機児解消
 2017年4月の府内待機児童数は1,190人で前年より減少したとされているが、“隠れ待機児”も含め待機児問題は解消されていない。安心して保育所に預けられることは貧困対策にもつながる。規制緩和や小規模保育所の増設でなく、公的責任で保育所整備をすすめ、待機児解消をすすめることが求められる。
 ① 民間社会福祉施設従事職員給与改善費補助金を再開するとともに、国に強く求めて賃金引上げ等の保育士の処遇改善をすすめる。
 ② 保育士宿舎借り上げ支援事業の市町村負担の半分を府が補助する。
 ③ 新規採用保育士の奨学金返済の一部を負担する事業所への補助制度を創設する。
 ④ 子どもの安全と成長を保障するために、安易な規制緩和は行わない。
 ⑤ 学童保育に入所を希望するすべての子どもが入れるように、市町村と協力して拡充に努める。大規模化による詰め込みを解消する。
 ⑥ 子どもの放課後の安全を守るためにも、学童保育の安易な民間委託は行わないように市町村に働きかける。

(3)児童虐待対策の強化
 児童相談所での児童虐待相談対応件数は、大阪では2016年度は前年比1162件増の1万7743件に上る。この間、児童福祉司等の増員や大阪府警の児童虐待対策室設置など、児童虐待への対応が強化されているとはいえ、通報窓口は子ども家庭センターであり、児童虐待に対応する職員1人あたりの相談件数は依然多い。“泣き声通報”など市民の虐待への認識の広がりもあり相談件数が増えているもとで、専門職員のさらなる増員と、日常的に相談できる場所が欠かせない
 ① 子ども家庭センターの児童虐待対応職員の増員と体制の拡充をすすめる。
 ② 市町村窓口に複数の専門員を配置できるように補助制度を創設する。
 ③ 府警本部の児童虐待対策室や関係機関の連携強化を進めるために、保健師を派遣する。
 ④ 虐待の早期発見のためにも、全小学校にスクールカウンセラーを配置する。

4.子ども一人ひとりの個性と可能性を伸ばす教育をすすめる

(1)学習支援の強化
 貧困家庭の子どもの学習時間が確保されていないこと、学歴、年齢別の年間給与に大きな差が広がっていることが明らかになっているもとで、貧困対策の一環として学習支援をすすめるとともに、1人ひとりの個性と可能性を伸ばす教育をすすめる。
 ① 国の加配教員の活用や府独自の教員加配で、35人以下学級を小学校全学年と中学校1年まで拡大する。
 ② アクティブスクール、スクールエンパワーメント事業は、継続的に実施する。
 ③  学力向上担当教員を各校に専任で配置する。
 ④  子どもと学校を過度の競争に追い立てるチャレンジテストは中止する。
 ⑤  子ども食堂などで学習支援をすすめられるよう、市町村と協力して学習支援員を配置する。

(2)学習環境の充実と子どもの安全
 ①  いじめ、不登校の解決にむけ全小学校にスクールカウンセラーを配置する。
 ②  小学校警備員配置への補助を復活する。
 ③  中学校給食は食育と位置づけ、全校での全員喫食をすすめるためにも、府として補助制度を創設し、就学援助の対象とする。
 ④  私立高校授業料助成は今後も継続し、年収590万円以上800万円未満世帯の保護者負担は10万円に引き下げる。
 ⑤  私立学校経常費補助金は拡充する。
 ⑥  3年連続定員割れ高校を再編整備の対象とする府立学校条例2条2項は削除し、これ以上の高校つぶしは行わない。

(3)高等教育の充実
 ①  府立大学と大阪市立大学のあり方については学生、院生、教授会をはじめ、関係者の意見をよく聞き、大学統合を拙速にすすめない。
 ②  府立大学の授業料減免枠を拡充する。
 ③  府立大学の運営費交付金は2007年度の水準に引き上げ、教員・職員数を段階的に復元する。
 ④  国立大学学費値上げ計画の撤回と段階的な学費値下げを国に求める。
 ⑤  給付制奨学金の拡充と貸与型奨学金の無利子化を国に求める。
 ⑥  大阪府独自の奨学金制度を創設する。
 ⑦  学生の学費・奨学金・アルバイト等の実態調査を府として行う。

(4)支援教育の強化
 障害をもつ児童生徒は今後10年間で増加する傾向にある。一人ひとりの力を存分に引き出していくためには、支援教育の強化は欠かせない。
 ①  小中学校の支援学級在籍児童生徒が通常学級にも所属する場合、通常学級の児童生徒数が過大にならないよう、児童生徒を“ダブルカウント”して学級編成と教員配置を行う。
 ②  特別支援学校の看護師を増員する。高度医療サポート看護師を府内で5人以上に増員する。
 ③  支援学校の増設をはじめ、過密解消をすすめる。

5.雇用を守り中小企業を応援して大阪経済を活性化させる

(1)安定した雇用、人間らしく働けるルールの確立で若者の定着を図る
 ① 中小企業の社会保険料を公費負担する制度の創設など、中小企業支援とセットで、最低賃金をただちに1000円に引き上げるよう国に求める。
 ② 若者の就業を促進し定着を図るためにも、新規採用者の奨学金返済の一部を補助する。
 ③ ブラック企業、ブラックバイトに関する指導は国まかせに終わらせず、ブラック規制条例をつくり、府内労働者を守る。
 ④ 均等待遇のルール確立、非正規労働者の正規化を促進するよう国に求める。
 ⑤ 労働法制の規制緩和を行わず、人間らしく働くルールをつくるよう国に求める。

(2)大企業だけでなく中小企業の支援を強化する
 ① 大阪府中小企業振興基本条例に基づき、実効ある施策を具体化する。
  (1) ものづくり中小企業関連予算を大幅に増額(6~7億円に復元)し、コネクターハブ企業の活性化での仕事おこしなど、大阪の強みである、ものづくり中小企業の高い技術力と集積の力を守り発展させ、地域循環型経済を実現する。
  (2) 中小企業向け融資の利率と保証料を引き下げる。
 ② 国に公契約法の制定を求めるとともに、府として公契約条例を制定する。当面、下請け企業の利益と労働者の安全、賃金を保障するよう指導を強める。
 ③ 中小企業を日本経済の根幹と位置づけ、国の中小企業予算を1兆円に増額し、技術開発、販路拡大、後継者育成、円滑な中小企業金融など中小企業への支援を抜本的に強化するよう国に求める。
 ④ 国に対し、地域金融活性化法の制定、下請けGメン創設や検査官の増員を求める。府としても、「下請けいじめ」をなくすよう経済界や大企業に働きかける。
 ⑤ 商店街振興予算の大幅な増額(6~7億円への復元)をはかり、市町村と連携し、地域・商店街の実情に即した支援策を検討・実施する。
 ⑥ 大阪産業技術研究所は、府立産業技術総合研究所と大阪市立工業研究所が果たしてきた中小企業の技術支援、地域経済振興の役割が充実されるよう、予算と人員を確保する。
 ⑦ 中小零細事業者向けの大企業を含めた他業種等とのマッチング、商談会の開催と周知、公共事業発注など仕事づくりの方策を検討する。

(3)府民の安全、福祉・暮らしの充実へと経済対策の方向を切り替える
 ① 暮らしの安全、防災型公共事業を府の最優先課題の一つに据え、積極的に推進する。老朽インフラの整備を計画的にすすめる。
 ② 住宅リフォーム助成制度創設に向け、木造住宅耐震化補強補助や住宅の高齢者改修制度の復活などと組み合わせて実施する。
 ③ 子育て、高齢者支援、福祉人材の育成・確保など、福祉型、生活密着型事業を計画的に推進する。
 ④ 違法「民泊」の監視体制、取り締まりを強める。「民泊」が近隣住民・地域にとって危険、迷惑とならないよう規制を強化する。
 ⑤ 福祉施設や学校などでの地産地消の推進はじめ、農林水産畜産業振興、後継者づくり支援などに取り組む。
 ⑥ 府内産材の公共事業への活用、府内産材を利用した建築物への補助など林業振興を図る。
 ⑦ 若者の仕事確保と定住促進へ、公営住宅家賃補助制度をつくる。府営住宅用地は府営住宅の戸数増、保育所など福祉施設の建設などに活用する。

6.防災を強化し、安心して暮らせるまちづくりをすすめる

(1)水害など災害対策の強化
 ① 局地的集中的豪雨から府民の生命と財産を守るため、河川改修予算を倍加し、改修が必要な66河川の改修テンポを速め、遅くとも20年以内に終える。寝屋川流域などの時間雨量50ミリ対策を急ぐ。
 ② 河川上流の森林整備や流木・土砂の撤去を抜本的に強化する。
 ③ 時間雨量50ミリ程度での床上・床下浸水解消、時間雨量65ミリ程度での床上浸水の解消としている府の治水目標を引き上げ、新たな河川改修計画の検討を開始する。
 ④ 河川の堆積土砂対策予算を抜本的に増やし、河川に堆積した土砂の除去を15%を基準にすすめる。この間の豪雨による大きな岩や流木の除去を速やかに行い、河川の維持・保全を日常的に強化する。老朽護岸対策など河川の維持・保全への府の予算を増やすとともに、国にも補助制度創設を求める。
 ⑤ 昨年の台風21号で被害を受けた鉄道、道路等の復旧を急ぐ。
 ⑥ 市町村と協力して水害や土砂災害等の防災情報を住民に徹底するとともに、高齢者、障害者、難病患者らへの避難誘導、避難場所での配慮など災害時の支援を強化する。 
 ⑦ 土砂災害特別警戒区域について、命と財産を守る対策をソフト、ハード両面から市町村とともに強化する。土砂災害特別警戒区域内の住宅の移転・補強補助制度の拡充を検討する。災害が発生する前に避難できる体制を強める。砂防関係予算をいっそう増やすとともに、必要な専門職員を確保する。
 ⑧ 雨水貯留施設の設置や下水道増補幹線の設置を市町村とともにすすめる。下水道管路の大規模化、更新など、国に対策強化を求める。府としても市町村とともに対策を強化する。
 ⑨ 淀川の堤防機能を強化する。

(2)南海トラフ巨大地震をはじめとした地震対策の強化
 ① 南海トラフ巨大地震対策、道路・橋など既存インフラの改修など、国民の生命を守る防災・安全対策の予算の抜本拡充を国に要求する。府としても市町村や中小マンション業者への無利子融資など、補助制度を検討する。
 ② 長周期地震動対策について、国や専門家、民間企業と協力して対策を早急に検討する。
 ③ 遅れている住宅の耐震化をすすめるため、低コスト化や部分改修への助成の周知徹底など、対策を思い切って拡大する。
 ④ 上下水道管など生活インフラ施設の耐震化や更新を抜本的に強める。国に必要な予算確保を求める。
 ⑤ 湾岸部をはじめ、住宅地の液状化対策を研究・検討する。
 ⑥ 地震時等に著しく危険な密集市街地を解消するため、一日も早く関係市と住民の意見をよく聞き、必要な予算を確保するよう国に求める。住民の住む権利は保障する。

(3)府営住宅削減は中止し、減少した戸数を回復させる
 ① 府営住宅削減計画を中止する。府営住宅敷地内の売却予定空き地を活用し、府営住宅整備基金も活用した新たな府営住宅の建設や、や保育所・特別養護老人ホームなどの建設に活用する。
 ② 地位承継の範囲を、生活保護基準に準じる低所得者にも拡大する。
 ③ 府営住宅への市町村への移管は、府民全体の公営住宅要求にこたえる立場で慎重に議論する。
 ④ 入居者の高齢化にともなう支援をすすめる。
  (1) 中層住宅へのエレベーター設置のテンポを上げる。
  (2) 清掃など府営住宅管理における入居者の負担を軽減する。
  (3) 駐車場管理やふれあいリビングの運営など、入居者の活動を応援する。
 ⑤ 現に利用されている府営住宅内の公園は売却しない。

(4)安心・安全の施策の推進
 ① 市町村や学校、警察、ボランティアなどとも協力し、子どもや女性を犯罪から守る対策を強化する。
 ② 学校警備員への補助を復活する。通学路の安全確保など、児童・生徒の安全対策を、市町村とともに強める。青少年インターネット環境整備法をより実効あるものにするよう国に求める。
 ③ 街頭犯罪、「振り込め詐欺」等の特殊詐欺、危険ドラッグなどの対策を強化する。
 ④ 高齢者や障害者がよく利用する特定府道370カ所の段差解消は2020年度までとしているが、前倒しして計画的にすすめる。
 ⑤ 交番設置の要望が出ているところは、緊急性の高いところから設置する。
 ⑥ 市町村からの要望に基づき、信号設置を計画的にすすめる。交通弱者用信号機の増設と分かりやすい掲示をする。
 ⑦ 住民要望に基づいた街灯設置を市町村とともにすすめる。
 ⑧ 病院や公共施設に、災害時用の発電設備の設置をすすめる。
 ⑨ 障害者や高齢者の実態に応じた災害避難対策を具体化するとともに、福祉避難所のあり方についての具体的検討をすすめる。
 ⑩ マンションの耐震診断、改修補助制度の拡大を国に求める。府として、全マンションの耐震診断を先行させるなど、独自の制度をつくる。

7.環境を守り、豊かな緑と実りの大阪をめざす

(1)原発ゼロ、新エネルギーの普及
 ① 原発再稼働路線の中止、「核燃料サイクル」路線からの撤退、原発輸出断念を国に強く求める。
 ② 大飯原発再稼働の中止と高浜原発の再停止を国と関西電力に求める。川内原発と伊方原発の再停止を国に求める。
 ③ 再生可能エネルギーの飛躍的普及をはかり、住宅太陽光発電補助制度の復活など、2030年までに電力需要の4割を再生可能エネルギーで賄うための計画を策定し実行するよう国に求める。
 ④ 府として住宅太陽光発電補助制度を年間1万件以上をめどに創設する。
 ⑤ 府営住宅、府立学校をはじめ公共施設へのLEDの普及や節電を官民挙げてすすめる。
 ⑥ 小水力や下水処理場発電、バイオマスなどの新エネルギーの施策と予算を拡充する。

(2)安全で住みよい環境を守る
 ① 環境保全の予算と人員を拡充し、「大阪21世紀の新環境総合計画」を着実に推進する。
 ② 「大阪府地球温暖化対策実行計画」に掲げた、2020年度までに温室効果ガス排出量を2005年度比で7%削減する目標を超過達成するために、中小企業への省エネ設備更新への支援をはじめ、具体化し強化する。
 ③ 大気・水質・土壌・騒音・振動などの検査、許認可権限の市町村への移譲にあたっては、住民の安全や健康が守られるよう府として責任を果たす。
 ④ 「ため池防災・減災アクションプラン」を繰り上げてすすめ、予算と人員を拡充し耐震診断・老朽ため池改修を急ぐ。
 ⑤ 犬や猫の“殺処分ゼロ”をめざし、愛護団体や地域住民などと協力し、譲渡促進などをすすめる。

(3)農林水産業の振興
 ① 「新農林水産業振興ビジョン」を実効あるものにするよう予算と人員を確保する。コメ、果実、野菜などの供給率目標を復活し、達成するための具体化を図る。後継者づくり支援を強める。
 ② 「新たなおおさか農政アクションプラン」実現に向け、農家、住民、各市町村や農業委員会などとの連携を強化する。
 ③ 4月の主要農作物種子法(種子法)廃止後も、種子の開発・生産・普及などの種子行政が継続され、食の安全と安定供給が損なわれないよう、府として責任を果たす。
 ④ 大阪産の農水産物の“地産地消”=学校給食や福祉施設、外食産業での使用を増やすよう、市町村と協力してすすめる。
 ⑤ 大阪湾の漁場再生や稚魚放流を積極的にすすめる。
 ⑥ 森林保全と林業振興を抜本的に強化する。対象面積の大半で間伐が実施できるように支援を強め、間伐材の公共事業への使用、「子育て施設木のぬくもり推進事業」拡大、まちづくりへの府内産木材の使用促進などを市町村と協力してすすめる。森林組合への補助を強める。
 ⑦ 森林環境税は、森林の保全に有効に活用する。林業関連予算の増額を国に求めるとともに、府としても予算拡充を検討する。
 ⑧ 環境農林水産総合研究所の、農林水産業振興、食の安全や環境を守る部門を抜本的に強化する。
 ⑨ 有害鳥獣対策を強化し、市町村への援助を充実する。

8.若者や女性が輝き、平和と多様な文化が花開くまちをつくる

(1)ピースおおさかの充実
 ① 展示内容については、関係者や府民の意見をよく聞き、15年戦争の被害・加害の両面を伝えるものに改善する。
 ② 小中学生の目線で、大阪空襲や原子爆弾被爆など、歴史の事実を学べるように充実する。
 ③ 削減した補助金は復活し、学芸員の人数を増やす。
 ④ 大阪国際平和センターに関する公文書非公開決定に対する損害賠償請求事件への上告は取り下げる。

(2)若者への支援強化
 ① 奨学金返済中の若者への返済支援の補助制度を創設する。
 ② 国や経済界とも協力して、「ブラック企業」「ブラックバイト」の規制を強化する。「ブラックバイト」相談窓口の大学内への設置を、国や大学と連携してすすめる。
 ③ 新婚世帯への家賃補助制度を創設する。
 ④ 青年労働者をはじめとした長時間労働の是正や正規雇用の拡大に、国と連携して取り組む。

(3)女性が輝く大阪へ
 ①  パワハラ、セクハラ、マタハラ、出産や育児をきっかけにした退職勧奨などを許さない職場・社会づくりに努める。育児休暇や所定労働時間短縮措置の取得奨励など女性が働きやすい職場づくりをすすめる。
 ②  シェルターの確保、24時間電話相談をはじめ、DV、ハラスメント、性暴力等の対策を、関係機関とも連携し、強化する。「性暴力救援センター・大阪」(SACHICO)の人員体制強化などのための補助を拡充する。
 ③  相談体制などドーンセンターの機能充実を図るとともに、関係団体の意見を聞き、より活用しやすい施設に改善する。
 ④ 女性の中小業者事業主・家族従業者の実態調査を実施し、支援を強化する。
 ⑤ 女性警察官の割合を2018年度に10%にするという目標をさらに引き上げ、計画的に女性警察官を増員する。女性相談交番を計画的に増やす。

(4)文化と観光の振興
 ① 文化振興予算を2007年度の水準に引き上げる。
 ② 若者の文化・スポーツ・芸術の交流・発信支援を強める。
 ③ 国際児童文学館について、専門員の配置を復活するなど、必要な人員と予算を確保する。
 ④ 大阪の芸術文化の中核となる、総合的な芸術文化施設(劇場、音楽ホール、伝統芸能舞台、稽古場など)の建設を検討する。
 ⑤ 府内の歴史・文化遺産の保存と活用を市町村とともに抜本的に強め、観光客の大幅な増加を図る。
 ⑥ 違法「民泊」の監視体制、取り締まりを強める。「民泊」が近隣住民・地域にとって危険、迷惑とならないよう規制を強化する。(再掲)

9.国に対し、憲法と平和、暮らしを守る政治を求める

 ・国に対し以下の事項を求める。
 ① 憲法9条改正は行わない。
 ② 安保法制、特定秘密保護法、共謀罪法を廃止し、立憲主義・民主主義・平和主義を取り戻す。
 ③ 北朝鮮に対し、核実験や弾道ミサイル発射などの軍事的な挑発を中止するよう厳しく求める。危機打開のための米朝直接対話を強く要請する。
 ④ 核兵器禁止条約に署名し、批准する。
 ⑤ 米軍軍用機の飛行は安全が確認できるまで中止する。米軍普天間基地の辺野古移設は中止し、ただちに無条件で撤去する。
 ⑥ 消費税10%増税は中止する。大企業への中小企業なみ課税、年1億円以上の高額所得者への適正な課税などで財源をつくり、年金、医療、介護などの拡充、待機児童解消や教育無償化をすすめる。
 ⑦ 森友・加計学園疑惑の徹底究明を行う。



   


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