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「大阪都」再び画策 府議会が法定協設置可決 共産党反対

 大阪府議会は9日の本会議で、大阪市を廃止・解体して複数の特別区に再編する「大阪都」構想の設計図をつくる法定協議会(法定協)の設置議案を、大阪維新の会、公明党などの賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。
 法定協設置議案の可決は大阪市議会での可決(5月26日)に続くもの。2年前に住民投票で否決した大阪市民の民意に背き、「大阪都」を再び目指そうとしています。
 維新、公明などは一方で、学校法人「森友学園」の小学校設置認可をめぐる疑惑の真相解明のための調査特別委員会(百条委員会)の設置議案には反対し、否決しました。大阪市立住吉市民病院の廃止に伴い誘致を予定していた民間病院が撤退した問題で、住吉市民病院が担っていた医療機能の継続ができるかどうか危惧があるとして従来の病院再建計画の見直しを求めた請願についても維新、公明などが反対し、不採択としました。白本共産党は百条委員会設置や同請願に賛成しました。
 日本共産党府議団は同日、「『大阪都』構想は断念を」とする見解を発表。「大阪都」構想は、学校や病院など現在の府と大阪市の仕事の多くを「二重行政」と決めつけて削減し、カジノ誘致や新たな高速鉄道、高速道路などの大型開発を進めるものだと批判しました。
 また、子どもの貧困率が全国ワースト2など府民の暮らしと経済の深刻さは全国に際立っており、その原因は安倍政権の悪政と維新府政による福祉、中小企業支援の後退にあると指摘。府は不要不急の大型開発の中止、暮らしと福祉、防災のための公共事業こそ急ぐべきだと主張しています。



「しんぶん赤旗」2017年6月10日付より


共産党府議団が発表した見解は以下の通りです。

大阪府民のくらしと経済を危機に陥れる「大阪都構想」は断念を
−維新・公明による「大都市制度(特別区設置)協議会」設置議案の大阪府議会での可決にあたって−

2017年6月9日
日本共産党大阪府議会議員団

 本日、松井一郎知事が提案した「大都市制度(特別区設置)協議会」設置議案が、維新・公明などの賛成で可決しました。日本共産党は反対しました。
 この協議会は、維新の会が掲げる「大阪都構想」(都構想)=大阪市の廃止と「特別区」の設置を具体化するためのものです。都構想ですすめられるのは、学校や病院など現在の大阪府と大阪市の仕事の多くを「二重行政」と決めつけて削減すること、そしてカジノ誘致や新たな高速鉄道、高速道路などの大型開発です。これらが推進されれば、府民生活にとって計り知れないマイナスになります。実際、都構想を先取りし、府立病院との「二重行政」を解消するとして大阪市立住吉市民病院閉院が決定されましたが、後継するはずの民間病院が辞退し、今のままでは大阪市南部地域の小児科・産科医療が大幅に後退する重大事態となっています。
 家計消費や府内総生産の落ち込みが示すように、維新府政が始まってからの大阪の暮らしと経済の深刻さは際立っています。大阪府内の特別養護老人ホーム待機者は少なくとも7千人以上、保育所待機児は3千人以上にのぼり、子どもの貧困率は全国ワースト2です。この原因が、安倍政権の悪政とともに、維新府政による子育て・高齢者支援、中小企業支援などの施策と予算の削減にもあることは明らかです。
 大阪府が今行うべきは、これら削減した施策と予算の復活、府民生活の実態と声に即した政策の充実です。公共事業も、不要不急の大型開発は中止し、保育所や特養ホーム増設、水道管など老朽インフラ改修をはじめ、くらしと福祉、防災のための公共事業こそ急ぐべきです。
 松井知事は、「都構想によって大阪は成長する」とのべています。しかし、本来大阪府が果たすべき広域的役割に背を向けたまま都構想を推進する先にあるのは、大阪の「成長」どころか、今でも深刻な府民のくらしと経済のさらなる危機でしかありません。
 日本共産党府議団は、都構想の断念を強く求めるとともに、広範な府民とともに、くらし・地域経済・防災優先の府政への転換をめざし全力をあげるものです。




   


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