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「住民福祉」を基本に 来年度予算編成 党大阪府議団が要望

 日本共産党大阪府議団は13日、「2017年度の予算編成と施策についての重点要望」を松井一郎府知事あてに提出しました。新井純副知事が応対しました。
 重点要望について説明したくち原亮幹事長は、府内総生産や家計消費の全国以上の落ち込み、全国2番目に高い子どもの貧困率など府民の暮らしと大阪経済が深刻さを増している一方、大阪に本社がある大企業は内部留保を32兆円もため込んでいると指摘。維新府政のもと2014年度までで1551億円もの府民施策が廃止・縮小される一方で阪神高速道路淀川左岸線や地下高速鉄道なにわ筋線など、総額1兆数千億円の無駄な大型開発が進められようとしているとし、「『住民福祉の増進』という地方自治体本来の役割を府政運営の基本に据えるべきだ」と述べました。
 宮原威団長が、いまの府財政には府民の切実な要求を実施できる一定の余裕が生まれていると指摘。石川たえ府議は全員喫食での中学校給食を全市町村が実施できるよう府の支援を求めました。
 重点要望は九つの分野からなり、「医療・福祉」では、一定期間の入院を含めた精神障害者、難病患者への対象拡充をただちに実施し、一部負担は据え置くことなどを要望。「教育」では35人以下学級の拡充などを求めています。「副首都構想」は中止し、「総合区」か「特別区」かの二者択一を迫る住民投票は行わないよう求めています。


「しんぶん赤旗」2016年9月14日付より

共産党府議団の「2017年度予算編成と施策についての重点要望」は以下の通りです。

2016年9月13日

大阪府知事 松井 一郎 様

日本共産党大阪府議会議員団
団長 宮原 威

2017年度予算編成と施策についての重点要望

はじめに

 全国でも大阪でも、「家計消費(個人消費)」が2年連続してマイナスという戦後初めての事態となり、実質賃金も5年連続で下がるなど経済危機が深刻化し、全国や他の都市圏と比べても深刻な事態となっているのが大阪である。
 2013年度の府内総生産は、2001年度比1.2%増と全県平均の10.4%増と比べて大きく落ち込み、家計消費も、東京や神奈川、愛知などが同期間に2割以上伸びているのに対し、大阪はマイナス1.5%となっている。
 雇用をめぐっても、正規雇用が215万人(2013年)から213万人(2016年4〜6月)に減少する一方、非正規雇用は137万人から142万人に増え、非正規雇用の割合は4割近くに及んでいる(全国34.8%、厚生労働省調)。
 こうした不安定雇用の拡大は、所得の低下にもつながり、府民一人当たりの雇用者報酬は、2001年度の577万円から2013年度の526万円へと、約1カ月分の減となっている。
 また、子どもの貧困率は、21.8%と全国で2番目に高く、深刻である。
 一方で、大企業の内部留保額は全国で365兆円、2016年4〜6月期、「法人企業統計」利益剰余金)、大阪で32兆円(大阪労連、2015年秋調査)と増加し、大株主、役員の収入だけが増加している。
 今こそ、府民のくらしと営業、安全を守り、中小企業の応援、大企業にも社会的役割を果たしてもらうなど、大阪経済の振興をはかるために府の果たすべき役割は重大である。
 ところが大阪府では、この間の「維新府政」のもとで、一昨年度までで1551億円分もの府民施策が廃止・縮小されてきた。その一方で、阪神高速道路淀川左岸線や箕面森町開発をすすめ、地下高速鉄道なにわ筋線の建設など総額1兆数千億円に及ぶムダな大型公共事業を推進しようとしている。
 「副首都構想」の名目で「大阪都」構想に固執し、ムダな開発(インフラ整備)やカジノ誘致を推進しても、府民生活や住民福祉の向上、地域経済の活性化にはつながらない。
 いまこそ、「住民福祉の増進」という地方自治体本来の役割を府政運営の基本に据えることが必要であり、その立場から予算編成や施策の実施が行なわれるべきである。
 以上の立場からの提案及び要望を行なう。


1.雇用を守り、中小企業の支援で大阪経済振興を

(1) 「ブラック企業」の根絶、安定した雇用確保と賃金引き上げへ
 @ 大阪府内の経済団体・大企業に対し、賃上げと正規雇用の拡大、中小企業への下請け単価を保障するよう強く求める。
 A 「ブラック企業規制条例(仮称)」の制定を検討する。当面、国との連携・協力を強化し、「ブラック企業」、「ブラックバイト」の実態把握をすすめ、根絶をはかる。
 B 夜間の労働相談日を増やすとともに、メール相談や夜間、休日の時間拡充など、市町村とも協力し、相談しやすい取り組みをすすめる。
 C 国に対し、以下の事項を求める。
  (イ) 大企業の内部留保を活用した賃上げを経済界に求める。
  (ロ) 最低賃金の1000円以上への引き上げと、中小企業に対する社会保険料負担の軽減などの中小企業支援をセットで実施する。
  (ハ) 「残業代ゼロ」制度など、労働法制の規制緩和を行わず、人間らしく働けるルールをつくる。
  (ニ) 「生涯派遣」につながる労働者派遣法の改正をはかる。均等待遇のルールの確立、非正規労働者の正規化を促進する。
  (ホ) 「ブラック企業」「ブラックバイト」の規制、異常な長時間労働の是正、無法なリストラ・解雇を規制する雇用ルールをつくる。

(2) 大企業優遇から中小企業の支援強化へ〜経済政策の転換を
 @ 大阪府中小企業振興基本条例に基づき、実効ある施策を具体化する。
  (イ) ものづくり中小企業関連予算を大幅に増額(6〜7億円に復元)し、コネクターハブ企業の活性化での仕事おこしなど、大阪の強みである、ものづくり中小企業の高い技術力と集積の力を守り発展させ、地域循環型経済を実現する。
  (ロ) 社会保険料の事業主負担の補助制度など、最低賃金引き上げや人材確保のための府独自の助成制度を創設する。
  (ハ) 中小企業向け融資の利率と保証料を引き下げる。
 A 福祉・防災型公共事業を府の最優先課題の一つに据え、積極的に推進する。
 B 国に公契約法の制定を求めるとともに、府として、公契約条例の制定を検討し、当面、下請け企業の利益と労働者の安全、賃金を保障するよう指導を強める。
 C 住宅リフォーム助成制度に向け、木造住宅耐震化補強補助や住宅の高齢者改修制度の復活などと組み合わせて実施する。
 D 中小企業を日本経済の根幹と位置づけ、国の中小企業予算を1兆円に増額し、技術開発、販路拡大、後継者育成、円滑な中小企業金融など、中小企業への支援を抜本的に強化するよう国に求める。
 E 国に対し、地域金融活性化法の制定や中小企業予算の1兆円への増額、下請けGメン創設や検査官の増員を求める。
 F 府としても、「下請けいじめ」をなくすよう、直接、経済界や大企業に働きかける。
 G 商店街振興予算の大幅な増額(6〜7億円への復元)をはかり、市町村と連携し、地域・商店街の実情に即した支援策を検討・実施する。


2.医療・福祉・介護の充実、暮らしの応援

(1) 福祉医療費助成制度の拡充
 @ 一定期間の入院を含めた精神障害者、難病患者への対象拡充を直ちに実施する。精神  障害者や難病については2級、中度の人も対象にするよう計画する。
 A 対象拡充した後も、一部負担金については現行のまま据え置く。
 B 65歳以上の障害者、難病、結核の医療費助成は廃止しない。
 C 子どもの通院助成の対象を小学校卒業までに拡充し、所得制限を元に戻す。
 D 子どもの入院食事代への助成を復活する。

(2) 国民健康保険
 @ 国保広域化を前提とした加入者負担増、市町村しばりは行なわない。
 A 府として市町村を支援し、保険料の値上げを防ぐ。
  (イ) 「事業費納付金」の算定にあたっては、市町村ごとの所得や生活、医療の状況に即し市町村の意見を尊重する。
  (ロ) 「標準保険料」は一本化せず、所得や生活、医療の状況に即し市町村ごとに示す。実際の保険料設定では、市町村の自主性を尊重する。
  (ハ) 府一般会計から府国保特別会計へ繰入を行ない、「事業費納付金」を抑制する。
 B 国に対し、以下の事項を求める。
  (イ) 国の責任で、保険料を年間1人1万円値下げする。
  (ロ) 法定軽減を拡充する。
  (ハ) 福祉医療へのペナルティを廃止する。

(3)介護及び介護予防、高齢者福祉の充実で「長寿を楽しむ社会」へ
 @ 特別養護老人ホームの待機者解消に向け、広域型特別養護老人ホームへの府建設補助  金を復元(1床あたり270万円を371万円に)する。
 A 施設利用者の「補足給付」の「厳格化」に伴う影響・実態を府として把握するとともに、市町村と協力した支援・助成(負担軽減や居住する場の確保等)を実施する。
 B 2015年度から実施された介護保険及び介護報酬改定の影響を市町村と協力して実態(利用者及び家族の負担や事業所・施設の増減や経営状況、介護労働者の処遇等、介護現場の実態)を把握し、「介護難民」をださないための支援策を検討・実施する。国へも必要な改善を求める。
 C 来年度から実施予定の「要支援への介護保険適用の制限」を中止するよう国に求める。要支援者へのサービス提供の縮小を最小限にとどめるよう、市町村と協力する。
 D 公的機関への認知症診断タッチパネルの設置普及や「認知症対応人材」(認知症サポート医や看護師及び認知症サポーター等)の育成など、認知症予防・介護予防の取り組みを市町村と連携・協力し、抜本的強化をはかる。
 E 国に対し、介護保険制度への国負担を10%引き上げるよう求める。
 F 高齢者住宅改造助成事業を復活する。
 G 後期高齢者医療制度の廃止及び70〜74才の医療費窓口負担を1割に戻すよう国に求める。
 H 医療・介護総合法の廃止を国に求める。

(4) 救命救急医療をはじめとする医療の充実で府民の命と健康を守る
 @ 救命救急医療及び救急医療の充実
  (イ) 千里救命救急センターへの補助金を復活するとともに、すべての救命救急センターの運営に責任を果たし、充実をはかる。
  (ロ) 府立中河内救命救急センターの東大阪市への移管は行わず、府の広域的役割と責任を果たすため、体制と機能の充実をはかる。
  (ハ) 2次救急告示病院を増やし、府内全体の救急体制強化をはかる。
  (ニ) ドクターカーの増加、高規格救急車台数の増、救命救急士の養成など、市町村とともに命を守る搬送体制の強化をはかる。
 A がん検診の負担軽減や受診向上を図るため市町村・受診者への補助制度を創設する。
 B 医師、看護師等の養成・確保を強化し、復帰を応援する。地域医療修学資金を更に充実させる。
 C 生活習慣病予防や健康増進の取り組みを市町村との連携を強化し、抜本的に拡充する。
 D 先進医療や高額医療費となる治療を受診した際の医療費に対する助成制度や融資の利子補給制度を府独自に創設する。

(5) 障害者支援の強化、「応益負担」はやめる
 @ 医療型障害者入所施設など、重度障害者の入所施設の整備・建設を進める。
 A 障害者福祉作業所などへの建設補助を復活する。
 B 難病患者や精神障害者を含め、障害者の正規雇用を増やす。難病患者の府への採用制度をつくる。法定雇用率達成への小規模企業への支援を強化する。
 C 精神障害者の交通機関利用の助成制度を交通事業者に求める。
 D 障害者総合支援制度の「応益負担」は速やかに廃止し、利用料は無料にするよう国に求める。

(6) 生活保護〜受給抑制は行なわず、ケースワーカーの増員等で適切かつ民主的実施を
 @ 「扶養義務」の過大解釈による受給抑制や生活困窮者自立支援に名を借りた申請権の侵害などが無いよう、市町村及び管内福祉事務所への指導を徹底する。
 A 夏季及び年末一時金を復活する。
 B 生活保護世帯へのエアコン設置のための補助制度を創設する。
 C 生活福祉資金の融資は無条件で無利子にする。
 D ケースワーカーの増員を国に求めるとともに、府としても支援する。
 E 国に対し、住宅扶助引き下げなどの生活保護基準引き下げをやめ、復元、改善を求める。


3.子育て支援、少子化対策

(1) 子ども医療費助成制度の拡充・復活
 @ 通院助成の対象を小学校卒業までへと拡充し、所得制限をなくす。(再掲)
 A 入院食事代への助成を復活する。(再掲)

(2) 児童虐待対策
 @ 子ども家庭センターの児童福祉司や児童心理司など、児童虐待に対応する職員体制をいっそう充実する。

(3) 保育所建設の推進で待機児童解消、保育内容の向上等
 @ 保育所の建設を推進し、待機児童の解消をはかるための市町村支援を行なう。保育基準や内容を下げることや保育料・利用料を上げることなく、保育の質の低下を招かないよう公的責任を果たす。

(4) 学童保育
 @ 府として、児童の安全と学びや成長を保障する適切な設置・運営基準を市町村と連携・協議し設定する。

(5)子育て支援策の抜本的拡充
 @ 国に対し、下記事項はじめ、抜本的な子育て支援策の拡充を求める。
  (イ) 認可保育所を緊急に増設するとともに、保育士の処遇改善と配置基準見直しをすすめ、待機児童を計画的に解消する。
  (ロ) ひとり親家庭の雇用確保と支援、児童扶養手当や就学援助の拡充など、子どもの貧困対策の強化。
  (ハ) 国として子ども医療費補助制度を創設する。ペナルティとしての国保補助のカットは全面撤回するよう求める。


4.子ども一人ひとりの可能性を伸ばす教育行政に、教育条件の整備を

 @ 中3チャレンジテストは学校をランク付けし、受験競争を激化させ、子どもたちを競争でおいたてる結果につながるので中止する。中1、2年生のチャレンジテストの結果を調査書評定に活用しない。絶対評価のあり方は、学校関係者の意見をよく聞き再検討する。
 A 35人以下学級を小中学校全学年まで広げるように国に求めるとともに、大阪府独自で小学校全学年と中学1年生での35人学級を実施する。
 B 2018年までに公立高校7校を廃校にするという計画は見直し、3年連続定員割れの高校を再編整備の対象にするとした府立学校条例を改める。
 C 支援教育コーディネーターを増員する。
 D 支援学級在籍児童のダブルカウントを復活する。
 E 特別支援学校に在籍する医療的ケアを必要とする生徒に対応するため、看護師および高度医療サポート看護師の配置数を増やす。
 F 中学校給食は、市町村が全員喫食を実施できるように、府として一定の援助をする。
 G 教員定数は正規教員を基本に確保し、教員の多忙化を解消する。また臨時教員の待遇改善をすすめる。
 H いじめや校内暴力問題の解決をすすめるために、スクールカウンセラーを全小中学校に配置する。
 I 府立大学と大阪市立大学の「統合問題」については、統合ありきでなく、学生、教授会を含めた関係者の意見をよく聞き、拙速にすすめない。府立大学の運営交付金を復元する。
 J 国立大学学費値上げ計画の撤回を国に求める。
 K 学校図書館への専任の司書の配置をすすめる。すでに市費で配置している場合は財政措置を検討する。
 L 国に対し、給付制奨学金の創設など教育費負担を軽減することを求める。


5.防災・減災、優しいまちづくり

(1) 府営住宅など住宅政策
 @ 府営住宅削減計画を見直し、中止する。そのためにも府営住宅敷地内の空き地を活用し、府営住宅や保育所・特別養護老人ホームなどの建設に活用する。
 A 地位承継の範囲を、生活保護基準に準じる低所得者も承継できるよう改正する。
 B 府営住宅への市町村への移管は、当面中止する。
 C 高齢化対策
  (ア) 中層住宅へのエレベーター設置のテンポを上げる。
  (イ) 府営住宅管理における入居者の負担を軽減する。
  (ウ) 駐車場管理やふれあいリビングの運営など入居者の活動を応援する。
 D 現に利用されている府営住宅内の公園は売却しない。
 E マンションの耐震診断・改修補助制度の拡大を国に求める。府としても耐震化促進のための制度をつくる。
 F 横浜市のマンション基礎杭不正事件のような不正・手抜き工事が起こらないよう、府としても調査、再発防止に努める。

(2) 南海トラフ巨大地震をはじめとした地震対策を国や市町村とともに計画的に進める
 @ 南海トラフ地震対策、道路・橋など既存インフラの改修など、国民の生命を守る防災・安全対策の予算の抜本拡充を国に要求する。府としても無利子融資など、補助制度を検討する。
 A 長周期地震動対策について、国や市町村、民間企業が協力して対策を検討する。
 B 遅れている住宅の耐震化をすすめるため、低コスト化や部分改修への助成の周知徹底など、対策を思い切って拡大する。
 C 湾岸部をはじめ、住宅地の液状化対策を研究・検討する。
 D 2020年度までに地震時等に著しく危険な密集市街地を解消するため、関係市と住民の意見をよく聞き、必要な予算を確保するよう国に求める。住民の住む権利は保障する。

(3) 安心・安全の施策の推進
 @ 高齢者や障害者がよく利用する特定府道370カ所の段差解消は平成32(2020)年までとされているが、少しでも前倒しするとともに、残りの6500カ所の段差解消を計画的にすすめる。
 A 市町村や学校、警察、ボランティアなどとも協力し、子どもや女性を犯罪から守る対策を強化する。
 B 子どもをめぐる痛ましい事件が後を絶たない。青少年インターネット環境整備法をより実効あるものにするよう国に求める。学校警備員への補助を復活する。通学路の安全確保など、児童・生徒の安全対策を、市町村とともに強める。
 C 交番設置の要望が出ているところは、緊急性の高いところから設置する。
 D 市町村からの要望に基づき、信号設置を計画的にすすめる。交通弱者用信号機の増設と分かりやすい掲示をする。
 E 街頭犯罪、オレオレ・振り込め・レターパック詐欺など犯罪から府民を守る。女性や高齢者の相談に応じるため、ベテランや女性の警察官を確保をいっそう進める。女性相談交番を計画的に増やす。
 F 危険ドラッグ対策を府としてもさらに強化する。
 G 住民要望に基づいた街灯設置を市町村とともにすすめる。

(4) 水害等、災害対策の強化
 @ 河川の緊急な老朽護岸対策などを2016年度末までに終わるとともに、この間の豪雨による大きな岩や流木の除去を速やかに行い、河川の維持・保全を日常的に強化する。河川の維持・保全への国の補助制度創設を求める。
 A 局地的集中的豪雨が起きても家屋流出や人命に影響がないよう緊急10カ年計画をつくり、河川改修の予算を確保する。雨水貯留施設の設置や下水道増補幹線の設置を市町村とともにすすめる。寝屋川流域の時間雨量50_対策を急ぐ。
 B 土砂災害特別警戒区域6914カ所について、命と財産を守る対策をソフト、ハード両面から市町村とともに強化する。災害が発生する前に避難できる体制をつくる。
 C 市町村が実施する上下水道管の耐震化・更新に対する財政措置の創設を国に求める。
 D 砂防関係予算をいっそう増やすとともに、必要な専門職員を確保する。
 E 市町村と協力して水害や土砂災害等の防災情報を住民に徹底するとともに、高齢者、障  害者、難病患者らへの避難誘導、避難場所での配慮など災害時の支援を強化する。
 F 森林の保全と活用、自然環境保全の取組みを防災の視点からも抜本的に強める。
 G 森林環境税は、森林の保全に有効に活用するとともに、事業効果を検証する。
 H 下水道管路の大規模化、更新など、国に対策強化を求める。府としても市町村とともに対策を強化する。
 
(5) 緊急性のない大型開発は凍結・中止を
 @ 「グランドデザイン・大阪」は、いったん凍結し、新しいまちづくり計画を府民参加でつくる。淀川左岸線延伸部やなにわ筋線はつくらない。淀川左岸線2期は、中止も含めて見直す。
 A 安全・環境・エネルギー・採算性など多くの点で問題がある中央リニア建設工事は中止するよう国に求めるとともに、大阪への延伸要望は撤回する。
 B 「うめきた2期」への府の予算投入、北大阪急行の延伸、モノレールの東大阪への延伸はゼロベースで見直す。
 C 「カジノ合法化法案」をつくらないよう国に求める。カジノを核としたIR(統合型リゾート)の誘致は  やめる。
 D 敦賀―大阪間の北陸新幹線については、住民の利便性、将来性、在来線のあり方などの立場から中止も含めて検討する。
 E 「特区」を活用した雇用、医療、教育、農業、都市開発などの規制の緩和と撤廃、企業を呼び込む税制の優遇策は、費用対効果や環境保全、他施策との比較などを含め、府民合意で精査する。


6.原発ゼロ、新エネルギーの大規模な普及、農林水産業の振興

(1) 原発ゼロ、新エネルギーの普及
 @ 「即時原発ゼロ」の政治決断をおこない、再生可能エネルギーの大規模な普及と開発・省エネをすすめるよう国に求める。
 A 福島第一原発の汚染水問題は国の非常事態であり、コスト優先・安全無視の対応をしてきた東京電力と東電任せにしてきた国の責任は重大である。大阪府として、東電と国に抜本的対策を講じるよう要望する。
 B 住宅太陽光の補助制度の復活を国に求め、年間1万件以上をめどに府の補助制度を創設する。LEDの公共施設への普及や節電を官民挙げてすすめる。屋上や壁面の緑化、間伐材の活用拡大、公共交通の重視など、CO2の削減で環境にやさしい大阪づくりに総力をあげる。
 C 高浜原発1、2号機をはじめ、関西電力に原発の再稼働をしないよう知事を先頭に強く要請する。安易に再稼働さfれた川内原発や伊方原発の再停止を求める。
 D 小水力や下水処理場発電、バイオマスなど、多様な自然エネルギーの施策と予算を拡充する。

(2) 農業の振興、環境保全
 @ コメ、果実、野菜などの供給率目標を復活し、達成するための具体化を図る。農林水産業ビジョンを実効あるものにするよう予算確保を図るとともに、必要な職員を確保する。
 A 大阪産のコメや野菜・特産品などを地元商業施設や福祉施設、学校給食での使用を増やすよう、市町村と協力してすすめる。
 B 森林環境税の活用も含め、森林保全と林業振興を抜本的に強化する。
  (イ) 森林保全に計画的に取り組むとともに、森林組合の事業への補助を強める。
  (ロ) 間伐材の公共事業への使用の拡大、「一園一室木のぬくもり」事業の抜本的強化、まちづくりへの使用促進など、市町村と協力して林業の振興をはかる。
 C 有害鳥獣対策を強化し、市町村への援助を充実する。
 D 食と農、医療やくらしと雇用・経済を壊すTPPからの撤退を国に求める。
 E 電気柵施設の安全確保を徹底する。


7.若者・女性が輝く大阪、平和を守り、文化が花開く大阪へ

(1) ピースおおさかの展示は、関係者や府民の意見をよく聞き、歴史の事実が学べるよう改善する
 @ 展示内容は15年戦争の被害・加害の両面をきちんと伝えるものに改善する。小中学生の目線で、大阪空襲や被爆など、歴史の事実と戦争の悲惨さを学べるように改善する。
 A 前知事が削減した補助金を復活させる。学芸員の人数を増やす。

(2) 青年・女性が輝く大阪へ
 @ シェルターの確保、24時間電話相談をはじめ、DV、ハラスメント等の対策をすすめるとともに、出産、育児をきっかけにした退職勧奨などパワハラ、セクハラを許さない職場・社会づくりに努める。
 A 女性の多様な相談に対応できるよう体制充実など、ドーンセンターの機能充実を図る。
 B 隠れ待機児童も含め、保育所の待機児童解消を市町村とともにすすめる。育児休暇や所定労働時間短縮措置の取得奨励など女性が働きやすい職場環境を構築する。
 C 国や経済界とも協力して、ブラック企業の実名公表をはじめ、青年の雇用、正規化を促進する。
 D 青少年室を危機管理の下におくのをやめ、多様な青少年の願いに応える機構とする。
 E 新婚世帯への家賃補助制度を創設する。

(3) 文化と観光の振興
 @ 文化振興予算を削減前に戻す(ワッハ上方やセンチュリーなども含め)。
 A 若者の文化・スポーツ・芸術の交流・発信支援を強める。
 B 府内の歴史・文化遺産の保存と活用を市町村とともにすすめる。
 C 「民泊」の規制緩和は行わない。
 D 府民合意なしに万博誘致を拙速にすすめることはしない。万博を名目にした税金の無駄遣いをしない。


8.「副首都構想」の中止、暮らし最優先の府政へ

 @ 「副首都構想」は中止する。副首都推進局は廃止する。
 A 「総合区」か「特別区」の2者択一を迫る住民投票は行わない。
 B 昨年5月の住民投票で否決された「大阪都構想」には取り組まない。
 C 大都市制度のあり方など制度でなく、暮らしや福祉、教育、子育てなどを最優先に中小企業支援など地域経済振興に役立つ府政実現に取り組む。
 D 府庁舎は、咲洲庁舎(旧WTCビル)から撤退し、大手前地区へ集約する。咲洲地区など湾岸部の防災・住環境の改善を大阪市とともに強める。
 E 「行政改革推進プラン」(案)は、撤回し、橋下徹氏の知事就任以来、廃止・縮減されてきた暮らし関連施策の重要性を精査し、緊急のものから復元する。減らしすぎた、専門・技術職員を計画的に増員する。


9.「戦争する国づくり」ストップはじめ、国政の問題点

(1) 日本国憲法を守り、安保法制を廃止して立憲主義を回復するよう国に求める
 @ 憲法改正は行わず、現憲法の全条項を守るよう求める。
 A 安保法制は、自衛隊が海外で武力行使をする仕組みが盛り込まれるなど憲法9条に背くものであり、廃止することを求める。集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回するよう求める。
 B 米軍の辺野古新基地建設の中止と普天間基地の無条件撤去を求めるとともに、海兵隊の沖縄からの撤退を求める。米軍に不当な特権を与えている日米地位協定の抜本改正を求める。
 C 北朝鮮による核実験や弾道ミサイル発射、中国による尖閣諸島や南シナ海での一方的な現状変更と軍事的緊張を高める行動に対し、国際社会と結束した外交努力を強め、解決を図るよう求める。

(2) くらし・福祉・教育第一の政治への転換と民主主義の確立を国に求める
 @ 消費税の10%への増税は、格差と日本経済の歪みの拡大につながるものであり、中止するよう求める。
 A 大企業や年収1億円程度の以上の富裕層への優遇税制をただし、適正な課税を行うよう求める。社会保障の連続削減を中止し、暮らしをささえる制度として充実させることを求める。
 B タックスヘイブンにある子会社の所得を親会社に合算して税金を計算する「タックスヘイブン税制」の適用拡大など、国際的な「税逃れ」を許さない仕組みを強化するよう求める。
 C 年金、医療、介護など社会保障の連続削減を中止し、暮らしを支える制度として充実させることを求める。
 D 三位一体改革や行き過ぎた一般財源化は中止し、地方財政の自主性と財源を保障する。

(3) 不要不急の大型開発をやめ、災害から国民の命と財産を守るよう国に求める
 @ リニア中央新幹線や需要が少ない高速道路など大型開発を中止する。
 A 東京オリンピック予算は、簡素・安全・平和を第一に見直す。
 B 熊本地震などの経験もふまえ、建造物の耐震基準を適切に見直すよう求める。


   


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