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咲洲庁舎の安全検証を 府議団 知事に要望書
日本共産党大阪府議団は2日、咲洲庁舎(大阪市住之江区、旧WTCビル)の安全性を早急に再検証し、大手前(大阪市中央区)での集約庁舎整備も含めた検討を求める緊急要望書を松井一郎知事あてに提出しました。
国の中央防災会議の検討会が昨年12月17日に公表した南海トラフ巨大地震による長周期地震動に関する報告書は、住之江区の埋め立て地で高さ200b〜300bの超高層ビルについて一般論として最大全幅6b揺れると想定。倒壊・崩壊までには至らないがビルの安全性を個別に検証し必要な措置をとることが望ましいとしています。これを受けて松井知事は同庁舎を活用していくとしています。
要望書は、「松井知事は意図的に拡大解釈している」と批判。東日本大震災で同庁舎の被害が突出した原因として、地盤と建物の周期が一致するというまれな構造物であることが飽きたかになっているとし、早急に検討すべきものとして▽咲洲庁舎の安全性の再検証▽大手前への集約庁舎の検討▽府の地震防災アクションの充実など5点をあげ、文書回答を求めました。
要望書の提出にあたり宮原威団長は「一般論ではなく事実に基づいた検証を」と要望。応対した岩田教之総務部長は、専門家の会議を10日に開き、9月府議会までに建物の強度、府庁舎機能のあり方について結果を示したいと述べました。
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「しんぶん赤旗」2016年2月5日付より
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共産党府議団の緊急要望「咲洲庁舎(旧WTCビル)の安全性を早急に再検証し 大手前での集約庁舎整備も含めた検討を」は以下の通りです。
大阪府知事 松井 一郎 様
【緊急要望】
咲洲庁舎(旧WTCビル)の安全性を早急に再検証し
大手前での集約庁舎整備も含めた検討を
2016年2月2日
日本共産党大阪府議会議員団
昨年12月17日、内閣府中央防災会議の検討会が、「南海トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動に関する報告」を公表した。松井一郎知事はこの報告を受け、大阪府咲洲庁舎(旧WTCビル、住之江区、256メートル)が「地震によって使えないというものではないとはっきりした。しっかり活用していく」と発言した。
しかし、内閣府の報告は、「倒壊・崩壊するまでには強度的に一定の余裕があるのではないかと推察される」とのべているものの、「個別の超高層建築物の構造躯体への影響については、…改めて構造安全性の検証を行い、その検証結果に応じて、改修等の措置を講じることが望ましい」としている。耐震工学の専門家も「個々の物件は個別に検証が必要」(福和伸夫・名古屋大学減災連携研究センター長)と指摘している。
また、報道等によると、咲洲庁舎がある住之江区の埋立地では、一般論として高さ200〜300メートルの超高層ビルは、長周期地震動によって毎秒2メートル、最大全幅6メートル揺れる、人が立っていられないほどの揺れになる、とのべられている。
庁舎として使えると結論づけるには、固有周期など建築物としての個別の耐震性、災害時のアクセスやライフライン確保はじめ、なお多くの検証すべき問題がある。知事の発言は内閣府の報告を意図的に拡大解釈していると言わざるをえない。
わが党府議団は、2009年2月府議会以来、咲洲庁舎が長周期地震動による長い大きな揺れにさらされ、また周辺の土地や咲洲トンネルでの地盤の不等沈下や液状化により孤立する恐れがあることを指摘してきた。
2011年10月のわが党の質問に対し、橋下徹知事(当時)は、咲洲庁舎の建物の固有周期と地盤の固有周期とが一致して大きな揺れを起こす「共振」について、2009年に一定の対策をとって大丈夫と判断したが、東日本大震災によって明らかになった実際上の固有周期は違った、と認めざるをえなかった。一時は橋下氏自身も、「使えないとなればこれはもう、ある意味全面撤退ということも考えなければなりません」と発言している(2011年8月18日)。
ところが、橋下前知事と松井知事は、その後も「長周期地震動についての国の知見が出るまでは」と咲洲庁舎の安全性の検討を先送りし、庁舎として使い続けてきた。大阪府が2011年に開催した専門家会議で、「今後6か月後ぐらいを目処に、府として行った対応を我々に報告して、意見を聞く機会を設けてもらいたい」と要望され、「事務局としてもお願いしたい」と答えているが、これもまともに実行されていない。
2つの庁舎を使い続けることが財政的にマイナスであることも、議会からも指摘されており、この点でも検討が急がれる。この300年で南海トラフ地震は5回発生し、今後30年の間に70%の確率で発生すると予測されている。大阪府は、府民の生命と財産を守る対策に全力をあげるとともに、防災の拠点となる庁舎のあり方についても早急かつ真剣に検討を始めるべきである。
以上を踏まえ、日本共産党大阪府議団は緊急に以下の点を求める。
記
1 専門家会議を早急に再開し、咲洲庁舎の安全性を再検証する。その際、国の一般的な知見だけでなく、南海トラフ地震が比較的浅く近い地域で起こり、咲洲庁舎が建物の揺れと地盤の揺れとが一致するまれな建造物であることなどを考慮に入れる。
2 大手前での集約庁舎整備の検討を開始する。専門家会議の議論等もふまえ、現在までの経緯にこだわらず、ただちに大手前での集約庁舎整備をはかる。
3 内閣府の「南海トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動に関する報告」やそれまでの国の一連の知見を踏まえ、「大阪府地震防災アクションプラン」の内容を充実させ、国への予算確保の努力を強める。
4 咲洲、ベイエリア地域などの高層建築物について、官民あげて個別の検証と対策をはかる。石油化学コンビナートなどでのタンク火災の対策を、国や大阪市、堺市と協力して強化する。
5 府の公共事業の重点を防災・安全におき、府としても予算確保に全力をつくす。防潮堤の耐震化(液状化対策等)など、すでに実行、検討されている防災の取り組みについてもいっそう強化する。
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