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大企業は空前の利益 下がり続ける実質賃金 アベノミクスの歪み 安倍晋三首相は1月4日の年頭会見で、「もはやデフレではない状況をつくり出した」と自賛、景気回復に自信を覗かせました。 トヨタ自動車が2015年3月期決算で純利益2.17兆円を稼ぎ出すなど、資本金10億円以上の企業の内部留保は2014年度約300兆円に達しています。 リーマンショックの時を含めていっかんして右肩上がりで10年間でおよそ1.5倍近くにまで膨れあがりました。 一方で、勤労者の実質賃金はマイナス続きです。 2010年を100とすると2014年は94.1と約6ポイントの落ち込み。 2015年1月から10月まで、前年同月を上回ったのは1ヵ月しかありません。
松井一郎知事や橋下徹前大阪市長らが、昨年の知事・大阪市長同時選挙でも自分たちが引き上げたように自慢した、有効求人倍率、完全失業率が改善しているにもかかわらずです。 この点を、国会でつかれた安倍首相は、「景気が回復して雇用が増加したことでパートで働く人が増えていく。元々妻は働いてなかったけれども、『そろそろ本格的に景気も良くなっていくから働こうか』となった場合、例えば夫が50万、妻が25万であったとしたら合わせて75万に増える。しかし、二人が働くことによって、全体の平均は下がるということ」など答弁。 「パートで25万円だったら即刻正社員やめます」「夫50万なんて希少」「なんで、景気がよくなってきたら働こうかってなるの」など、首相の国民との感覚のずれを指摘する声があがりました。 50、25という分かりやすい数字を使ったと解釈しても、首相の理解は、やはり世間と乖離したものだといえます。 首相の言い分だと1人当たりの賃金は減ったとしても家計当たりの収入は増えているはずです。 しかし、総務省の家計調査では、2014年の全国の勤労者世帯の世帯主収入に家族の収入を加えた経常収入は51万1665円で、2010年の51万2635円をむしろ下回っています。 大阪市内勤労者世帯でみると、2014年48万5647円、2010年44万5470円と増えていますが、前年2013年の50万8719円を下回っています。 サンプル数が70前後と少ないため、年ごとに振幅があるようです。 府民経済計算で府内全体の雇用者報酬をみると、2001年度を100とすると2010年度は83.5、2012年度は82.9と長期低落傾向に歯止めがかかっていません。 原因は、非正規雇用の増加です。 非正規雇用の半分以上が年収150万円未満です(2012年就業構造基本調査・大阪府分)。 その非正規雇用の占める割合が2007年の38.6%(男23.4%、女58.8%)から2012年には41.3%(男25%、女60.6%)に増加しました。 労働力調査では、2013年の非正規率は36.5%(137万人)、2014年は37.7%(142万人)です。 この間逆に正規雇用は215万人から211万人に減っています。 有効求人倍率が1を超えると、求人が求職を上回る勤労者にとって「売り手市場」になのに、賃金が下がるという歪みが起きているのです。その最大の原因は、大企業の内部留保ため込みと、大企業が稼げば中小企業や労働者、家計にも資金が回るというトリクルダウンにしがみつき、法人税減税や労働法制の規制緩和を続ける政治にあります 雇用を守り、地域経済を支える中小企業を応援、医療・社会保障を充実してこそ家計からの景気回復につながります。
「維新」が胸を張る大阪経済の回復 全国より厳しい現状見つめ、きちんとした対策を 大阪の有効求人倍率は、昨年11月で1.26倍と全国平均(1.25倍)で、東京都1.85倍、岐阜県1.60倍、愛知県1.56倍、富山県1.53倍などと比べると、決して胸を張れる数字ではありませんが、それでも2010年の0.5倍台からずいぶん回復しました。 大阪の完全失業率は、2002年の7.7%をピークに下がり、2014年は4.6%に改善しました。全国で完全失業率が4%を超えている県は、大阪を含め6県だけで、大阪の雇用状況はむしろ全国に比べて厳しいといえます。
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